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信じていた夫と妹の裏切り
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朝、目が覚めて愛する人が隣で眠っている寝顔を見て幸せを感じていた。
「愛している」と何回、なん十回聞いたでしょう…その言葉だけでも隣で眠る人を愛していた…疑う事もなかった私は信じていた。
自分のこの目で見るまでは愛する人を信じていた。
「レイラ!レイラーッ!!」
私が覚えているのは私の名前を何度も言う夫の姿だった。
信じていた夫の腕の中で私はまだ生きていた。
「な…何故こんな……君を愛しているんだ…本当なんだ……だから、俺を一人にしないでくれ……」
「……嘘……つき……」
「!レ、レイラ……嘘じゃない本当に君を愛しているんだ…」
私は、「愛している」の言葉を信じ私も貴方を愛していた。
「何をしている医師はまだか?」
「お呼びしています…奥様もう暫くの辛抱で御座います…お気を確かに…」
部屋の扉が開き夫の部屋の中に入って来たのは妹のウェンディだった。
「ねえ、ロベルトお姉様を知らない?お父様を説得して欲しいのに何処にもいないの…メイド達も騒いで……え?」
私が口から血を流しているのを見て驚いていた。
「お姉様!?レイラお姉様!!」
「……」
「お姉様……」
妹は、涙を目に溜め夫と私の側に来て震えていた。
「…どうして……何があったの…お姉様しっかりして…お姉様がいないと私……私……」
「……」
そうね、私が死んでしまったら貴女はこの屋敷を出なくてはならない……愛する人の側から離れなくてはならない……そして、お父様が決めた人の元へ嫁がなくてはならない……この国では結婚をして夫か妻のどちらか先に亡くなり再婚するのに一年は待たなくてはならない…離婚の話しも貴女が夫に話しをしていたのを知っている…でも夫は私との離婚を拒んだ…私も愛し妹も愛していたから…
「……酷い……人……」
私は、静かに目を閉じた。
「レイラ!?」
「お姉様!」
カチャカチャと遠くからでも分かる廊下を走る姿が目を閉じても分かった。
「レイラ様!!」
意識が薄れて行く中…一番声を聞きたい人が私の名前を呼んでくれた…もう瞼を開ける事が出来ない…最後に貴方の姿を見たかった…夫を信じていた私は夫を選んでしまった…後悔しても……私の命は今日で消えてしまう……
『もう一度やり直す事が出来たら…私は…貴方を愛します』
「愛している」と何回、なん十回聞いたでしょう…その言葉だけでも隣で眠る人を愛していた…疑う事もなかった私は信じていた。
自分のこの目で見るまでは愛する人を信じていた。
「レイラ!レイラーッ!!」
私が覚えているのは私の名前を何度も言う夫の姿だった。
信じていた夫の腕の中で私はまだ生きていた。
「な…何故こんな……君を愛しているんだ…本当なんだ……だから、俺を一人にしないでくれ……」
「……嘘……つき……」
「!レ、レイラ……嘘じゃない本当に君を愛しているんだ…」
私は、「愛している」の言葉を信じ私も貴方を愛していた。
「何をしている医師はまだか?」
「お呼びしています…奥様もう暫くの辛抱で御座います…お気を確かに…」
部屋の扉が開き夫の部屋の中に入って来たのは妹のウェンディだった。
「ねえ、ロベルトお姉様を知らない?お父様を説得して欲しいのに何処にもいないの…メイド達も騒いで……え?」
私が口から血を流しているのを見て驚いていた。
「お姉様!?レイラお姉様!!」
「……」
「お姉様……」
妹は、涙を目に溜め夫と私の側に来て震えていた。
「…どうして……何があったの…お姉様しっかりして…お姉様がいないと私……私……」
「……」
そうね、私が死んでしまったら貴女はこの屋敷を出なくてはならない……愛する人の側から離れなくてはならない……そして、お父様が決めた人の元へ嫁がなくてはならない……この国では結婚をして夫か妻のどちらか先に亡くなり再婚するのに一年は待たなくてはならない…離婚の話しも貴女が夫に話しをしていたのを知っている…でも夫は私との離婚を拒んだ…私も愛し妹も愛していたから…
「……酷い……人……」
私は、静かに目を閉じた。
「レイラ!?」
「お姉様!」
カチャカチャと遠くからでも分かる廊下を走る姿が目を閉じても分かった。
「レイラ様!!」
意識が薄れて行く中…一番声を聞きたい人が私の名前を呼んでくれた…もう瞼を開ける事が出来ない…最後に貴方の姿を見たかった…夫を信じていた私は夫を選んでしまった…後悔しても……私の命は今日で消えてしまう……
『もう一度やり直す事が出来たら…私は…貴方を愛します』
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