信じていました…

クロユキ

文字の大きさ
13 / 90

信じていた人の裏切り③

真っ白な空間で私は泣いていた…愛していた夫や姉が私を裏切った…このまま目を覚まさず死んでしまいたいと泣き続けた…
『……で…』
『泣かないでママ……』
私は子供の声に顔を上げると顔は分からなかったけれど私の子だとわかった…
『ママ…生きて…僕の為に…生きて…』
『……坊や…』
『…僕の…妹や弟が…ママが泣いていると心配しているよ…だから生きて…ママ……』
『…坊や……ううっ…』
私は子供を抱き締め私の中へ消えてしまった…
朝になり昼になってもローラは眠ったままだった。
「…旦那様…お食事をお取りください…朝から何も口に入れていません…」
「……ローラも食べていないんだ…」
「…旦那様がお倒れになりましたら目を覚ましました奥様が心配されます」
「……」
クリストフは執事から言われ食事を取る事にした。
「……」
テーブルの上に両肘を着き両手で頭を支えるクリストフは後悔した…昨日、アリーヌの部屋に行くつもりではなかった。
『…クリストフ…ねぇ、起きてクリストフ』
『な!?ア…』
『しーっ、ローラが起きるわ。私の部屋に行きましょう』
『は?行けるわけないだろう』
『私一人で寂しいの、ローラも眠っているから大丈夫よ』
『しかし…』
『ほら、ローラが目を覚ましてしまうわ』
『……』
腕を引っ張るアリーヌに抵抗せずにそのまま部屋へと入った。
「……ローラ…」
涙を流すローラを見て頭の中が真っ白になった…
食事の部屋にアリーヌが入って来た。
「……ローラは…?」
「……まだ目を覚まさない…」
「……」
「…仕事は?」
「休んだわ…店員達に任せているわ…」
「……」
食事が進まないクリストフを見ていたアリーヌは声をかけた。
「…ね、ねぇ…ローラに私達の事を知って良かったと思わない?」
クリストフは、アリーヌの話しを聞き険しい顔を見せていた。
「…本気で言っているのか?」
「そ、そんな恐い顔をしないでよ…いつかはローラにわかってしまう事だから…妻が二人いても良いでしょう?」
笑顔で話しをするアリーヌにクリストフは自分の周りの食器を床に振り落とした。
ガシャーン!
「きゃっ!?クリストフ…?」
「だ、旦那様!?」
「えっ!?」
皿が割れる音を聞いた執事とメイドが、慌てて部屋の中に入り床には、散乱した皿やコップやフォークが床に飛び散り席を立つクリストフに皆固まっていた。
「俺はお前を妻にはしない…妻はローラただ一人だ!」
「な!?ローラを一人にして私と一緒に過ごしたのは誰よ!」
「俺を誘惑したのは君だろう!ローラがいるのに勝手に誘い出したのは君じゃないか」
「全部私のせいにしないでよ、誘惑に負けたあんたが悪いじゃない」
「おやめください!!」
執事の声に今まで声を上げたクリストフとアリーヌは言い争いを止めた。
「奥様がまだお目覚めになっていないのです…お話しはその後でお願いします…皆さん、床の掃除をお願いします」
「は、はい…」
メイド達は、床にに散乱した皿類の掃除を始めクリストフは何も言わず食事の部屋を出た。




あなたにおすすめの小説

あなたの妻にはなりません

風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。 彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。 幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。 彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。 悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。 彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。 あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。 悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。 「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?

白雲八鈴
恋愛
 我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。  離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?  あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。  私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?

今さらやり直しは出来ません

mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。 落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。 そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……

[完結]待ってください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ルチアは、誰もいなくなった家の中を見回した。 毎日家族の為に食事を作り、毎日家を清潔に保つ為に掃除をする。 だけど、ルチアを置いて夫は出て行ってしまった。 一枚の離婚届を机の上に置いて。 ルチアの流した涙が床にポタリと落ちた。 ※短編連作 ※この話はフィクションです。事実や現実とは異なります。

裏切りの先にあるもの

マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。 結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

【完結】さよなら私の初恋

山葵
恋愛
私の婚約者が妹に見せる笑顔は私に向けられる事はない。 初恋の貴方が妹を望むなら、私は貴方の幸せを願って身を引きましょう。 さようなら私の初恋。