信じていました…

クロユキ

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信じていた人の裏切り③

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真っ白な空間で私は泣いていた…愛していた夫や姉が私を裏切った…このまま目を覚まさず死んでしまいたいと泣き続けた…
『……で…』
『泣かないでママ……』
私は子供の声に顔を上げると顔は分からなかったけれど私の子だとわかった…
『ママ…生きて…僕の為に…生きて…』
『……坊や…』
『…僕の…妹や弟が…ママが泣いていると心配しているよ…だから生きて…ママ……』
『…坊や……ううっ…』
私は子供を抱き締め私の中へ消えてしまった…
朝になり昼になってもローラは眠ったままだった。
「…旦那様…お食事をお取りください…朝から何も口に入れていません…」
「……ローラも食べていないんだ…」
「…旦那様がお倒れになりましたら目を覚ましました奥様が心配されます」
「……」
クリストフは執事から言われ食事を取る事にした。
「……」
テーブルの上に両肘を着き両手で頭を支えるクリストフは後悔した…昨日、アリーヌの部屋に行くつもりではなかった。
『…クリストフ…ねぇ、起きてクリストフ』
『な!?ア…』
『しーっ、ローラが起きるわ。私の部屋に行きましょう』
『は?行けるわけないだろう』
『私一人で寂しいの、ローラも眠っているから大丈夫よ』
『しかし…』
『ほら、ローラが目を覚ましてしまうわ』
『……』
腕を引っ張るアリーヌに抵抗せずにそのまま部屋へと入った。
「……ローラ…」
涙を流すローラを見て頭の中が真っ白になった…
食事の部屋にアリーヌが入って来た。
「……ローラは…?」
「……まだ目を覚まさない…」
「……」
「…仕事は?」
「休んだわ…店員達に任せているわ…」
「……」
食事が進まないクリストフを見ていたアリーヌは声をかけた。
「…ね、ねぇ…ローラに私達の事を知って良かったと思わない?」
クリストフは、アリーヌの話しを聞き険しい顔を見せていた。
「…本気で言っているのか?」
「そ、そんな恐い顔をしないでよ…いつかはローラにわかってしまう事だから…妻が二人いても良いでしょう?」
笑顔で話しをするアリーヌにクリストフは自分の周りの食器を床に振り落とした。
ガシャーン!
「きゃっ!?クリストフ…?」
「だ、旦那様!?」
「えっ!?」
皿が割れる音を聞いた執事とメイドが、慌てて部屋の中に入り床には、散乱した皿やコップやフォークが床に飛び散り席を立つクリストフに皆固まっていた。
「俺はお前を妻にはしない…妻はローラただ一人だ!」
「な!?ローラを一人にして私と一緒に過ごしたのは誰よ!」
「俺を誘惑したのは君だろう!ローラがいるのに勝手に誘い出したのは君じゃないか」
「全部私のせいにしないでよ、誘惑に負けたあんたが悪いじゃない」
「おやめください!!」
執事の声に今まで声を上げたクリストフとアリーヌは言い争いを止めた。
「奥様がまだお目覚めになっていないのです…お話しはその後でお願いします…皆さん、床の掃除をお願いします」
「は、はい…」
メイド達は、床にに散乱した皿類の掃除を始めクリストフは何も言わず食事の部屋を出た。




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