信じていました…

クロユキ

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信じていた人の裏切り⑫

「……ローラ…悪かった…泣かないでくれ……」
子供が亡くなった時泣いていた私を夫は抱き締めて一緒に側にいてくれた……でも今は、私を抱き締めて慰める事も夫は出来なくなった…
「……執事を呼んで…」
「えっ!?何故執事を……」
「いいから呼んで」
「っ…」
今の夫は弱みを握られ何も言えず私の言う事を聞くただの人になっていた。
コンコン
「お呼びでしょうか?旦那様…あ!奥様…目の回りが赤いのですが…お体の方は…」
「大丈夫よ…昨日は取り乱してごめんなさい…」
「いえ…驚きはしましたが暫くは足の怪我が治りますまで安静にしてください」
「ありがとう…急いで実家に便りを渡して欲しいの」
「ご実家ですか?」
「ええ、明日両親に屋敷へ来て欲しいと便りを出して」
「ローラ!!」
「わかりました。何か御座いましたらお呼びください」
「ありがとう」
執事は部屋を出て旦那様はどうする事も出来ず茫然と立っていた。
「両親にこれからの事を話したいと思うの…」
「ローラ……」
「旦那様も早く仕事に戻ってください…私は寝るわ」
体を横になった私を夫はじっと見ているのがわかった…それから夫は肩を落として私の部屋を出た。
姉と浮気をしても私を愛しているのはわかっていた…結婚をする前から優しかった夫…お義父様がまだ現役なのに夫に子爵の跡を継がせる為に両親は隠居をされ屋敷を夫に譲り渡された…お義父様とお義母様にお会いする日が夫と離婚の話しをしなくてはならない日が来るなんて…私は、そのまま眠ってしまった。
「……」
クリストフの廊下を歩く足は重く感じた。
「……どうすれば…どうしたらいいんだ……ローラ……」
クリストフの後悔は死ぬ程苦しかった。
書斎に入っても仕事が手に付かなかった。
ザワザワと廊下が騒がしのに気が付いたクリストフは何かあったのかと顔を上げた。
「旦那様、旦那様!」
執事が扉を開けず慌てた声を出すのを聞き、クリストフはローラに何かあったのではと座っていた椅子に腰を上げた。
「旦那様、失礼します…アラン様が……」
「兄さん!?」
「失礼する」
険しい顔で書斎の部屋へ入ったアリーヌの夫アランは真っ直ぐクリストフの前に来た。
「…に、兄さんどうしたのですか?アリーヌも一緒に…」
ガシッとクリストフの襟を掴み上げるアランにクリストフは驚いた。
「!?」
「お前に聞く妻のアリーヌと寝たとは本当か!?」
「!!!」
クリストフは真っ青な顔になり怒りを見せるアランに震えた。



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