待っていた大好きな彼が婚約者を連れて来た

クロユキ

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誕生日の約束

「……お、お母さん…ジョエルが…ジョエルがどうしたの?」
エリスは真っ青な顔で震える手を握り締めもう一度母親からジョエルの事を聞いていた。
「……今朝早くにバリーさんが村長さんの所へ来たそうなの…一週間前にジョエル君が部屋で倒れてそのまま眠ったまま…二日前に目を覚まさないままそのまま息を引き取ったそうなの…疲労からの病気かと…バリーさんが話されていたそうなの…」
母親は涙を溜めジョエルが亡くなった事をエリスとアランに知らせていた。
「……う……嘘…だ、だって私今日…ジョエルと話しをしたのよ…ちゃんと足は地に着いて…私と話しをしたの…」
「エリス…」
アランは、エリスの体を自分の方へ寄せエリスはギュッとアランの服を握り締めた。
「……バリーおじさんの養子にならなければ…この村にずっと一緒にいたのかなって…また、一緒にいつものベンチで話しをしたいなって…ジョエルは……ジョエルは……」
「エリス……」
エリスの目から涙が流れ落ちた。
「……私の……誕生日だからと…ジョエルが…会いに……」
「……最後に…エリスに会いに来たんだ……ジョエルは…ずっとエリスに会いたいと言っていた…」
「わああああああーーーーっ……!!!」
エリスはアランの胸の中で泣いた…自分を裏切った人だけどエリスにとってジョエルは初めて好きになった初恋の人でもあった。
最後に話しをしたいとジョエルは会いに来てくれた…昔と変わらない笑顔をいつも向けてくれた…ごめんと何度も謝っているジョエルの涙が今でも覚えている…
「……ジョエルは…私に形見として持って欲しいと…この髪飾りを…私…ジョエルの物を全部捨ててしまったから…」
エリスは、髪飾りを両手で握り締め涙を流した。
「……ジョエルも…酷い奴だ…エリスの誕生日に来る事ないだろう…最後までエリスを想って逝くなんて……」
アランは涙を流した…悪口を言っても子供の頃からジョエルが羨ましかった。
ジョエルの墓は両親が一緒にいたいと申し出がありバリーが屋敷の側で墓を建てた。
妻のアニエスは一年前から浮気をしていた為ジョエルと離婚となった。ジョエルの持ち物から離婚届けの書類が見つかりジョエル本人のサインが書いていた…ジョエルもアニエスとの離婚を考えていたがバリーの借金で言えずにいた。
アニエスの浮気でジョエルは、離婚する事が決まり慰謝料はバリーの借金を支払うことに成立した。
ジョエルが亡くなって一年が経ちエリスの誕生日が来た。
エリスはいつものベンチで居眠りをしていた。
ギッとエリスの横に座る気配がしたがエリスは気付かず眠っていた。

『こんな所で寝たら風邪をひくよエリス…また、君と一緒に座る事が出来て嬉しいよ』

「エリス、ここに居たのか風邪退くぞ」
「あ…アラン…アロンも迎えに来たの?」
「マン、マン…」
「ふふっ、おうちへ帰りましょう」
ギッとエリスはベンチを立った時隣に誰かいた気がしてじっと見ていた。
「どうした?」
「え…ううん、なんでもない行きましょう」

昔、誕生日に結婚の約束をした男の子と女の子がいました。



おわり

最後まで読んでくださいましてありがとうございました。






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