旦那様から彼女が身籠る間の妻でいて欲しいと言われたのでそうします。

クロユキ

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平民の私に戻る⑤

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セリーヌがアルベリックの元へ嫁いで数日が経っていた。
「セリーヌ、花に水はやったの?……あ…」
セリーヌの母親は、まだ慣れていなかった。
「…はぁ…あの子が嫁いで数日になるのに…」
母親は、一人がこんなに寂しいとは思わなかった。
トントン
「ジェニーさんいるかい?」
近所に住むおばさんが野菜を持って来た。
「おはようございます」
「これ、うちで取れた野菜だよ食べてくれ」
「いつもありがとうございます」
野菜を受け取った母親は手作りのおかずを持って来た。
「これ、昨日の残りですが作り過ぎてしまって…」
「いつもありがとう、セリーヌちゃんの分まで作ってしまうんだろう?」
「はい…まだ娘がいるみたいで…慣れないとダメなんですが…」
セリーヌの母親は苦笑いを見せていた。
「子供が出来たら里帰りをするまで我慢するしかないね」
「……」
セリーヌの母親は、セリーヌが貴族に嫁いだ事を話しはしなかった。
「そう言えば最近来ないね」
「誰がですか?」
「ほらっ、身なりが貴族の姿をした男性だよ。セリーヌちゃんに良く話しをしていただろう?」
「え…」
「なんか数人男達を連れてジェニーさんの家に入るのを見たんでね…何かあったのかと心配だったけど」
「あ…花束のお礼に来てくれたんです…」
母親は戸惑いながらおばさんになんでも無いと話しをした。
「でも、セリーヌちゃんがその貴族の男性に結婚の話しでも来たのかと思ったけど違うみたいで安心したよ」
「…安心ですか?」
「いえね、数日前だったと思うんだけどその男性が、派手な服を着た女性と街の宝石店へ入るのを見たんだよ」
「えっ!?」
「昼間からベタベタと体を寄せる女性を連れていたから恋人なんだろうね。男性の顔を知っていたから直ぐにわかったよ」
「……」
母親は何か胸騒ぎを感じていた。




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