旦那様から彼女が身籠る間の妻でいて欲しいと言われたのでそうします。

クロユキ

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家族

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ガラガラと馬車はアルベリックの屋敷を離れた。
「……」
セリーヌは結婚生活に不安はあったがアルベリックが支えてくれるのを信じていた。
「外を見ているが気になる場所でもあるのか?」
「ううん、屋敷に居てばかりだったから…外の景色が珍しくて…でも、こんなに早く離婚をするなんて思っていなかった…」
「そうね、私も今日あなたを連れ戻す事が出来たなんて思わなかった…これもお父様に感謝しなくては…」
「花を買いに来た店がまさか娘のお前の店だとは思いもしなかった…お前達の父親が私に助けを呼んでいたのかもしれないな…」
「…お父さん…」
セリーヌはこんな時に父がいてくれたらと天国で見守っている父に祈りを捧げた。
「さて、このままお前達を屋敷へ連れて帰りたいのだが…」
「え…でも…まだ、心の準備が…」
セリーヌの母親は屋敷に居る母親と弟に会うのを戸惑っていた。
「そうだな…日を改めて会う事にしょう…この喜びを独り占めするのも良い」
「お父様…」
「ぐうう~~~っ……あ」
「ははは、緊張が解れお腹が鳴ったようだな何処かで食事でもしょう」
セリーヌはお腹を触り母親の方を見た。
「私、お母さんのご飯が食べたい」
「え!?……お母さんのご飯でいいの?」
「うん、あの屋敷に住んで豪華な食事だったけど美味しいと思って食べた事がなかった…ずっとお母さんのご飯が欲しかった」
「セリーヌ…」
母親は、指で目に溜まった涙を拭い笑顔を娘に向けた。
「家へ帰りましょう、お母さんのご飯を沢山食べなさい」
「うん」
「料理も作っているのか?」
「もう今更何を言っているの?自分で作らないと誰も作ってくれないでしょう」
「そ、そうだな…お前に会って驚くばかりだからな…私が知っているお前は泣き虫で我が儘な所しか知らないからな…」
「お、お父様!?」
「え?お母さん、我が儘で泣き虫だったの?」
「ああ、弟から叩かれたと泣いては転んだ時も泣いて…料理に嫌いな食べ物があると別の食べ物にしてくれと我が儘を言い、髪飾りが同じクラスの女の子と一緒だから違うのを買って欲しいと我が儘を良く言っていたものだ…」
侯爵は懐かしい娘の昔を思い出し笑顔でセリーヌに話しをしていた。
「…お母さんにそんな過去が…」
信じられないとセリーヌは母親の顔を見ていた。
「お父様、セリーヌが驚いているじゃない」
「はははは、私は、今のお前に驚いているよ」
セリーヌは嬉しかった…母に家族がいた事にそして自分にも家族が出来た事に喜びを感じた。






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