旦那様から彼女が身籠る間の妻でいて欲しいと言われたのでそうします。

クロユキ

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家族③

「さて、そろそろ帰らなくては…二、三日後に一緒に書類を貰いに行こう」
「お父様…いろいろありがとう…」
セリーヌの母親は父親の前で今日の事をお礼を言った。
「孫が大変な目に合っていたんだ…祖父として当然の事をしたまでだ」
「お父様…」
「おじ様…ありがとうございました…おじ様が私の祖父だったなんて驚いてまだ信じられないの」
「ハハハハ、私もだよ。いつも花を売っているお嬢さんが私の孫だとは思わなかったよ」
「おじ様…」
セリーヌは、嬉しくて涙を流した。
「いつか落ち着いたらお前のおばあ様にも会って欲しい、叔父とその家族にお前達を紹介したい」
「はい…」
「今夜はぐっすりと眠れるだろう」
セリーヌの祖父は数日後に会う約束をして名残惜しそうに帰って行った。
その夜セリーヌは母親と一緒にテーブルの椅子に座り会話を始めた。
「彼からの贈り物は全部返しなさい」
「うん、わかってる…」
「…こんな事を聞かれて嫌かもしれないけれどアルベリックさんと初夜は何もなかったの?」
「うん…お母さんが言うよに待っていたのそれからメイドが部屋に来て旦那様は今夜はおみえになりませんって言ってそのまま私は一人で眠ったの…時々目が覚めて声を聞いたの」
「声?」
「…多分エリザさんの声だと思う…甘い声が恥ずかしくて…毛布を被って寝たと思うの」
「……」
セリーヌの母親は苦痛な顔をしてセリーヌの手を握り締めた。
夫になったアルベリックが、セリーヌと一緒に過ごす事をせずにエリザと一緒に過ごしていたのをどんな思いで過ごしていたのか…母親はセリーヌの手を何も言わず握り締めた。
「…エリザさんの事を知ったのは…」
「…結婚式が終わって…アルベリック様とは数日会わなかったの…夜に呼び出されてアルベリック様の隣にはエリザさんがいたの…そして、彼からエリザさんが身籠る間妻でいてくれと言われて…頭の中が真っ白になったの…エリザさんに妊娠が分かったら離縁するからと彼から言われてその時気付いたの…私の事なんて何も思っていなかったんだって…」
「…なんて男なの…平民を馬鹿にしてるわ」
「お母さん…もうアルベリック様の事はいいの…今は、早く離婚の手続きが終わってくれたらそれでいいの…」
「セリーヌ…」
母親は、一度に辛い思いをした娘に今は側にいてあげようと今夜は娘と一緒に寝る約束をした。



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