《完結》私が知らないと思ったの?

クロユキ

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食事会へ

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馬車の中で夫は、私の顔を見ては言いかける仕草を何度も見せていたが思うように言葉に出来ず戸惑う姿を私に見せ馬車は私の実家へ着いた。
「着いたわよルーク」
「えっ!?ル……」
夫は私が旦那様と言わず名前を言った事に驚いていた。
「帰りは分からないと思うから二人でいる時に貴方の名前を言ったの、もう名前で呼ぶ事はないと思うから」
「クラリス、帰りも俺は屋敷へ帰るんだ。別れていないのにそんな事を言わないでくれ」
「…降りましょう彼女が待っているわよ」
「クラリス!」
夫の声を無視して私は先に馬車から降り彼女と両親は私の方を見ていた。
「夫は、もうすぐ降りますので暫く待って下さい」
「分かりました。この屋敷はクラリス様のご実家ですか?」
「はい、古い屋敷ですが私は好きなんです」
「分かります…とても立派な屋敷です…」
「ありがとうございます。」
彼女の父親は屋敷を見るのが好きだと思った。
「ルーク様」
彼女が夫が馬車から降りるのを見て駆け寄る姿は、誰が見ても夫に気があるのだと分かりやすく見える。
「顔色が悪いわ大丈夫?」
彼女が夫の顔に手を当てる姿を私が見ているのに戸惑い夫は彼女から顔を逸らしていた。
「えっ……」
「妻がいるんだ…」
「あ…ごめんなさい…」
ボソッと話しをしたつもりでも私に聞こえている距離にいるのが分からないのかしら?
「屋敷の中へどうぞ」
私は笑顔で屋敷の中へ案内をした。
「お帰りなさいませクラリス様、皆様お待ちで御座います」
「ありがとう、急で悪いけれどこちらの家族の食事もお願い出来るかしら?」
「分かりました。」
私は彼女と両親の食事の用意を執事に頼んだ。
「食事会ではなかったの?」
「急でしたのでご家族が来られるのか分かりませんでしたから」
私は彼女の両親に説明をして笑顔を見せて食事の部屋へ案内をした。
チラッと後ろから二人で一緒に歩く姿を見ていた私は、彼女がチラッチラッと夫の顔を見ながら歩き夫は暗く沈んだ顔をして歩くのを見た。
すれ違いでメイド達が夫を見てヒソヒソ話をしているのを夫は気付いていないようだった。





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