私が死んで後悔した人達へ~捨てられた侯爵夫人の一年間…振り向いてくれるのを待ち続けた~

クロユキ

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遅すぎた夫婦④

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アレックは一人食事の部屋にいた。
執事から言われ戸惑っていた…
「…俺は妻に酷い事を…俺がいない間屋敷を支え、体調が悪いのに仕事を…俺は妻の仕事もわざと残して…それなのに…俺は」
アレックは仕入れ先に行く前までエミリーと過ごし、妻のソフィアの事を考えてもいなかった…病になり一人でいる辛さはアレックは知っていたが、その事までも忘れてしまっていた…
このときアレックは、ソフィアが嫁いでから一緒に過ごした事がなかった事に気がついた。
「…俺は…今頃になって…一年もの間妻に何も……」
アレックは、食卓の席を離れ部屋を出ると階段を上がり妻のソフィアの部屋の前に立っていた。
「……ぁ…っ……」
扉の前に手を向けては下ろし、アレックはソフィアと会う事を躊躇っていた…
(…会って何を話せばいいんだ?…会話もまともにした事もない……体調が悪いのに仕事をした事を話すのか?出迎えに来ていたのにいないと勘違いをして怒っていたと謝るのか?一年もの間一緒に過ごせなかったと謝るのか?…エミリーと関係を持ち後戻りができなくなったと謝罪するのか…)
アレックは手を握りしめ苦痛な表情で声に出した。
「……すまない……すまない……」
ソフィアは部屋の前で何度も謝るアレックにベッドの上に座り涙を流していた…アレックが自分に何を伝えたかったのか、ソフィアはわかってしまった…アレックと一生共に過ごす事はないとソフィアはわかってしまった……
アレックが部屋を離れて暫くたった時メイドが手紙を持って来た。
「…お父様の字だわ…」
その手紙は実家の父からだった。ソフィアが涙を流して書いた時に実家に出した手紙の返事だった。
『帰ってもいいですか?』
ソフィアは、この言葉だけが今でも残っていた…アレックとエミリーの姿を見てから、両親のいる屋敷にすぐにでも帰りたくて書いた短い手紙だった…父の手紙を読んでいたソフィアは驚いていたが、アレックに話しをしたくても何もかも遅すぎていた…
「……これは…旦那様とエミリーが決める事…私にはどうする事もできないの…私の話しを聞いてはくれないの……その時が来たら大変だと思うけれど…ごめんなさい…」
ソフィアは父親の手紙を見て泣いて謝っていた。
アレックは、ソフィアと会う事もできず一人部屋の中で何もする事もなくぼんやりとしていた。
執事から言われる前は、ソフィアの事を酷い事を言っていた自分がいつの間にか人を傷つけるのが当然のように思っていた。
「……いつから俺は…」
何もしないまま時間が過ぎ、夕食の知らせが来たがいらないと執事に話したが「夕食をとるように」と強く言われ、断る事ができず食事の部屋に行った。
「お久しぶりです。旦那様」
食卓にはソフィアがいた事にアレックは驚いていた。






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