私が死んで後悔した人達へ~捨てられた侯爵夫人の一年間…振り向いてくれるのを待ち続けた~

クロユキ

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エミリーの婚約者③

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「あの…エミリーさんから聞いたのですが…お姉さんがお亡くなりになったと…」
「ああ…優しい娘だった…」
「まだ…信じられないの…」
両親の悲しむ姿を見ていたポールは頭を下げた。
「お悔やみ申し上げます…お姉さんにお会いする事が出来ませんでした…一度もお会いする事がなかったので残念です…」
「ポールはお姉様に会った事はないの?」
「ないよ、君からお姉さんが体調がよくないと聞いてお姉さんが君を離したくない理由がわかった気がしたんだ…お姉さんも君が側にいてくれて喜んでいると思う」
「ポール…」
ポールはエミリーに姉思いで優しいと声をかけ両親の方へ顔を向けた。
「すみませんでした…」
「急にどうしたんだ?ポール君」
「お姉さんが…ソフィアさんが体調が悪い事をエミリーさんから聞いていました…エミリーさんと一緒にいたいと言われていましたお姉さんに僕は嫉妬していました」
「えっ?お姉様に嫉妬?」
「うん、体調が悪いからどうしてエミリーがお姉さんが嫁いだ屋敷へ何ヵ月も泊まらなくてはならないんだろうって、エミリーを離さないお姉さんに嫉妬していた自分が恥ずかしいよ」
「ポール…」
自分の事を想ってくれているポールに喜んでいた。
「……エミリー…ポール君にそんな話しをしていたのか?…姉を口実に…」
父親はエミリーに険しい顔を向けていた。
「え…だって、お姉様が気分が悪いのは本当だったから」
「エミリー!」
「きゃっ!?どうして怒るの?お姉様が気分が悪いのは本当だったもの…どうして私ばかりを責めるの?お父様が怒ると赤ちゃんが驚くわ」
エミリーは父親に怒るのを止めるようにとお腹に手をあてた。
「…お、お前は…何かある度に子を…」
「…赤ちゃん?」
ポールは驚いた顔でエミリーを見た。
「あ…」
エミリーは、ポールにはまだ身籠っている事を話してはいなかった。
「…エミリー…赤ちゃんて…もしかして…」
「あ…」
エミリーは、ポールに妊娠している事を話してはいなかった。
アレックの屋敷へ帰る前にポールの屋敷にいた時ムカムカと胸焼けをしていたが、妊娠していたとは知らなかったエミリーは、アレックの屋敷へ帰りソフィアから言われて初めてエミリーも知った。
「どうして言ってくれなかったんだ?」
「え…喜んでくれるの?」
「当たり前じゃないか、僕達の子供が出来たんだ」
「ポール…」
エミリーの両手を握りしめたポールは笑みを見せ、両親の方へ体を向けると頭を下げるポールに両親は驚いた。
「ポ…ポール君?」
「申し訳御座いません…お義父さん、お義母さん…お姉さんの葬儀でこの場でお話しをするのはおかしいと思います…」
「ポール君どうしたの?急に…」
ポールは、顔を上げると頬を赤く染め手を頭の後ろにやり恥ずかしそうに笑顔で告白をした。
「今更ですが、僕も父親になりました」
「「!」」
「本当は、結婚してから子供を持つつもりでいましたが…両親も喜んでくれます」
「…ポール君…」
父親は、何も知らずにエミリーに子供が出来た事を喜ぶポールの姿を見て、娘のエミリーに悔やんでも話さなければならないと重い口を開いた。
「…ポール君…実は…」
「ああ~っ、僕とした事が子供の名前をまだ決めていなかったんだ~っ、でも、男の子なのか女の子なのか…わからないよね?エミリー」
「ふふふ」
「どうしたんだい?」
「え~っ、だって~っ、ポールったら…ふふふっ」
喜ぶ二人の姿を見ていた父親は、声に出すのを途中で止めてしまい苦痛の表情を見せていた…




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