夫は家族を捨てたのです。

クロユキ

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孫の為に

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私は、夫の兄エリックさんの返事が出来ないまま数日が経っていた。
カランカラン♪
「いらっしゃいませ」
「こちらでお洋服を直して頂けますと聞きましたが…」
綺麗な服を着た年配の女性が若い女性を連れて店に入って来た。
「はい、服にもよりますけど…どのようなお洋服をお持ちでしょうか?」
「渡してあげて」
「はい」
若い女性が子供のドレスを机に置いた。
「このドレスを直して欲しいのです…」
私は、ピンク色のドレスを広げて見た。
「孫の誕生日が来週あるのです…試着をして外に出ました時に転んで…破れてしまったのです。他のドレスをと孫に言いましたがこのドレスが良いと泣いてしまって……同じドレスがどのお店もなくて仕立てから作りましても誕生日までは間に合わないと言われたのです。それで、メイド達が服を直してくれますお店がありますと聞きまして此方へ伺ったのです」
私はドレスの破れている所を触って見ていた。
「これくらいでしたら大丈夫です」
「本当ですか?」
「はい、今週中にはお渡し出来ます。もし宜しかったらお孫様がドレスを試着しましたのを見たいのですが、問題ありませんでしたらお知らせて下さい」
「ええ、馬車はこちらで用意をしますわ」
「こちらにお名前をお願いします」
名前は若い女性には書かせず年配の女性が名前と住んでいる場所を書いて貰った。
「…あの…失礼ですが…馬車で一日掛けてこちらへ……」
私は、隣の国から来たと思って年配の女性に聞いてみた。
「はい…わたくし達が住んでいますお店には洋服を直せます店はありますが、子供の服を直して貰えます店がないのです…それでこちらの店を知りましたの」
「遠い所からありがとうございます。成るべく早くお直しをいたします」
「ありがとうございます。では、宜しくお願いします」
年配の女性と若い女性は店を出て私は暫く茫然としていた。
「……孫の為にここまで来るなんて…きっと幸せな家庭なんでしょうね……」
私は、小さなドレスを触り羨ましいと少し思ってしまった。




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