夫は家族を捨てたのです。

クロユキ

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変わってしまった

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「ふぅ…」
廊下を一緒に歩くメイドが小さなため息を吐いていた。
「……大変ですね……」
「えっ!?あ…すみません…お客様の前で……」
「…子供の世話はあなた方がするのですか?」
「お嬢様と坊っちゃまが機嫌が良い時は奥様や若奥様に若旦那様が見まして…今日のように我が儘で泣いてどうする事も出来ない時はメイドの私達が見ているんです…ほとんどのメイド達はお嬢様の相手をしたくなくて…でもメイド長から言われると従うしかないんです……」
「……」
ため息を吐くメイドの姿を見て貴族の子育ては人任せなんだと思った……跡継ぎを産んだらそれで終わり…
「…あの…部屋に入って来た方は…」
「アルバートさんですか?」
「えっ!?」
私は、メイドから夫の名前を聞いてドキッとして…やっぱりあの人は夫なんだと涙が出るのを我慢していた。
「今は若奥様の旦那様ですけど…五、六年頃にこの屋敷の料理人だったんですよ」
「…そ…そうですか……」
「出稼ぎで遠い所から来たと話していました。結婚はしていないと言ってました」
「えっ!?……結婚はしていないと……」
私は動揺が隠せず今にも倒れてしまいそうでショックを受けた。
「本当かどうかは分かりませんよ、料理人でこの屋敷へ雇われて一ヵ月頃に若奥様に誘われて仕事を抜け出した事が何度もあって…それで私達に『お嬢様と婚約する事になった』と大喜びで私達に話しをしていたのを覚えています。なんでも若奥様が一目惚れをしたと言っていました」
「……」
「それから、私達使用人とは関わらなくなったんです…今では贅沢に暮らして私達を見れば『掃除がなっていない』『おもちゃを片付けろ』とか命令口調になって皆彼を毛嫌いするようになったんです…あんな人ではありませんでしたけど……」
「……」
私はメイドの話しを聞いて夫は変わってしまったと…私は、用意された馬車に乗って夫だった男性に何も言わず屋敷を離れた。



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