夫は家族を捨てたのです。

クロユキ

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夫だった人の裏切り

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ガタガタと揺れる馬車の中で私は外の景色を茫然と見ていた。
「……」
『パパ、抱っこ』
『旦那様』
『楽しみだな、女の子か、男の子か』
『わたくしも楽しみよ』
『ハハハハ、馬車には乗せないぞ』
「……」
ポタポタと目頭が熱くなり私は我慢が出来ずに涙を流した。
「何故?」「どうして?」
私は声を出して涙を流した。
「うううっ……あなた…あなた……」
別荘へ着くまで身なりが変わったあの人を…懐かしい声を思い出し私は馬車の中で泣き続けた。
ガタンと馬車が止まり馬番の男性が馬車の扉を開けて驚いていた。
「な!?どうしたんだ?何処か具合いでも悪いのか?」
「……なんでもありません…」
「……いや……そんなに泣いているとなんでもないはずは…」
「…このまま…家に帰りたいです……もう、こちらの家には居たくないのです……」
私は、涙が止まらずあの屋敷を出てから泣き続けていた。
七年分…いいえ八年分の涙を流して私は泣き続けた。
「……分かった。このまま家まで送ろう」
「!で、でも……」
「この先に馬を泊めてくれる宿があるそこで一泊、泊まろう」
「……いいのですか?」
「ああ、あんたの事はメイド達に気分が悪いから泊まらず帰ったと話しをしよう」
「……すみません…」
「いいって事よ」
「あ…これを…メイドの方に渡してください…大奥様に他のお金はお返ししますと渡して欲しいのです」
「…ああ、分かった。暫く待ってな」
私は、馬番の男性に余分に貰ったお金を返す事にした…あの人の家族となった人からは何も受け取りたくはなかった。






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