夫は家族を捨てたのです。

クロユキ

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何もかも話しをして…

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私は、馬番の男性に夫だった人の話しをする事にした。
「昨日迎えに来た時は、普通に家族に笑顔で馬車に乗ったのを覚えている」
「……」
「息子さんだったか?旦那に良く似て幸せな家庭なんだとあんた達親子を見ていた…両親とも仲が良いと思って見ていた」
「……」
「うちの屋敷へ来て帰りにあんたの様子がおかしいのに驚いたんだ……何かあの家族から言われたのか?もしかしたらあの娘や息子が悪戯をしたのを叱り何か言われたのか?」
「…いいえ…何も……最初にお話しをします……昨日、私の息子を抱いていたのは…夫ではないのです……」
「……は!?」
「息子を抱いていたのは…夫の兄なんです…」
「あ…そ、そうか、旦那は留守だったのか」
「……夫は…七年前から帰っていないんです…」
私の話しを聞いて馬番の男性は目を大きく見開いて私を見ていた。
「……帰っていない?七年前から?それは…」
私は、両手を重ねた手を握り締めて話しを続けた。
「……当時…息子は産まれたばかりでした…夫は、私達家族に楽をしてあげたいと出稼ぎに行ったのです…私は、今のままでも良かったのです。私も働いていますからそんなに生活は苦しいとは思いませんでした……」
「そ、それで旦那は……」
「家を出て毎月お金と手紙が送られていました…でも一年が過ぎ夫から連絡が途絶えてしまったのです…私達家族は半年になっても一年が過ぎても夫からの連絡はなく…私達は捜すようになりました…夫が働いていた店にも行きました。住んでいた場所にも行きました…それでも夫は見つける事が出来ず……七年も過ぎてしまいました…」
「七年……それは辛い年月だ…」
「…そして私は今日夫に会ったのです…」
「えっ!?今日?今日はどこも出ていないはずだが……」
私はポタポタとまた涙がこぼれ落ち重い口を開けた。
「……夫は…あなた方使用人の主人として生活をしていました…」
馬番の男性は目を大きく見開き空いた口が塞がらないほど驚いて私の方を見ていた。







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