夫は家族を捨てたのです。

クロユキ

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親子喧嘩②

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バタバタとメイド達が廊下を走り壁の隙間から覗いていた。
「ちょっと押さないでよ」
「ねえねえ、あの人達がアルバートさんの家族よね?見てよ若旦那、尻餅着いているんだけど…ぷぷぷ…」
「あの人、アルバートさんに似てるけど兄弟かしら?案外良い顔じゃない」
「ええっ?アルバートさんが好きだったの?」
「好きじゃないわよ、ダラダラとした男なんて」
「言えてる~っ」
メイド達は、見たこともない若旦那の姿に楽しんでいた。
真っ青な顔をして元夫のアルバートは私や夫のエリックそしてお義父さんを見て床に這いつくばるような姿で私達を見ていた。
「……あ……と、父さん……」
「お前に父さんと言われたくない!この恥知らずの馬鹿者が!!」
「ひいっ!」
バシッ、バシッと叩かれるアルバートを私はじっと見ていた。
「どれだけお前を捜したと思っているんだ。七年、七年もお前を捜していた!母さんは、お前が行方が分からないと体を壊した事もあったんだ。そんな事もお前は知らないだろう」
「ごめ……」
アルバートの体の上に股がるようにお義父さんは何度も頭や顔を叩き涙を流しているのが辛かった。
「…ど、どうしたらいいのか……」
「…このまま気が済むまで俺達は手を出せないだろう…こいつが悪いんだ…」
執事さんとモリスさんの話し声を聞いて夫のエリックが私の側を離れお義父さんの肩に手を当てお義父さんは、アルバートを叩くのを止めた。
「……父さん…余り叩くと手が動かなくなると困るだろう…まだ店を続けるんだ……」
「うっ……ううう……」
お義父さんは涙を流し叩く手を止めアルバートの体から離れた。
「……か…母さ……」
茫然とした顔で震える体に赤くなったアルバートの顔を見ていた私は腰が抜けたように動けない元夫の側に立った。
私に気付いたアルバートは髪が乱れ傷だらけの顔で私を見上げていた。





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