夫は家族を捨てたのです。

行方が分からない元夫

「……ア、アルバートが…屋敷を出た？」
お義父さんは、驚いた顔で声に出しお義母さんも動揺する姿を見せていた。
「…話しを続けてもいいでしょうか？」
「……」
「お父さん、屋敷を出たのでしたらアルバートは帰って来るのでは？」
「…彼が屋敷を出たのは一年前になります…」
「な！？一年前？」
私達はただ驚くばかりでこの一年アルバートを家族は見ていなかった。
「……弟に何があったのですか…？」
モリスさんは、小さな息を吐いて私達に元夫のアルバートの話しをしてくれた。
「……あの日…ご家族が帰った後に擦れ違うように大旦那様が帰って来たのです…三年程仕事で屋敷へ帰っていませんでした大旦那様は、仕事が落ち着いたと言われ屋敷へ帰られ若奥様が泣いている事に驚かれその理由をアルバートが結婚をして子供がいた事に激怒されアルバートは若奥様と離婚する事になりました」
！！
「離婚……」
「……そうですか…」
「驚かれると思っていました…」
「…これでも驚いています…あの人が結婚をして子供が居ても彼女は自分を選んでくれたあの人を手離さないと思っていましたから……」
「大旦那様が離婚の手続きをされたのです…お二人の意思に関係なく…若奥様は、アルバートと別れたくはないと何度も大旦那様に言っていましたが…願いは聞いて貰えませんでした…」
「それでアルバートは何処へ行くと……」
お義母さんが、モリスさんに行方を聞いていたけれどモリスさんは首を横に振ってあの人が何処へ行ったのか分からなかった。