夫は家族を捨てたのです。

クロユキ

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アランと父親

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元夫のアルバートが、離婚をして一人で屋敷を出た話しをモリスさんから聞き私達に会いに来ると思っていたけれど…実家のお義父さんやお義母さんの家にも私の店にもあの人を見た話しはなかった。
私は、アランとエレナそしてイアンの子供達に恵まれ夫のエリックと幸せな毎日を過ごしている…十年が過ぎアランは十八歳になった。
あの人に似て来たアランを見ていた夫のエリックは私に話しをした。
「…アランに父親の話しをしたいと思っている…」
「えっ!?……アランに…あの人の事を…」
「いつかは話さなくてはならないと思っていたんだ…アランを見ていると弟を見ている気がして…俺と似ている所もあるが父親の方がそっくりだ…アランも十八になった…いつこの話しが出来るのか分からない…このまま話さなくても良いのではと思った事もあった」
「あなた…」
「君が、このまま話さなくてもいいと言うなら話しはしない」
「……」
私も考えてはいた…アランが大きくなるたびに顔があの人に似て…声も時々ドキッとするくらいあの人の話し声に聞こえる時が何度もあった…あの人を忘れる事はないくらいにアランはアルバートに似ていた。
夜になりエレナとイアンが眠った頃、私達はテーブルの椅子に座りアランに話しをする事にした。
「話しって何?」
「ああ…お前に知らせたい事があるんだ……」
夫はテーブルに置いた両手を重ね力が入っているのが見えていた。
「……実は…お父さんはお前の本当の父親ではないんだ……」
「……」
「お前の本当のお父さんは、私の弟なんだ…弟は、お前が生まれてお前とお母さんを残して家を出て行った…私は、お母さんと一緒になってお前を育てて来た…」
夫のエリックは、声が震えアランに自分は本当の父親ではないと話しをしてアランが、どんな事を言って来るのか戸惑う姿を私と夫はアランを見ていた。
「……僕の本当の父親は、僕に会いに来たの?」
「……それは……」
「僕の父親は…今でもずっと側にいてくれたお父さんだよ」
「アラン……」
エリックは、アランの話しを聞いて目頭を指で押さえる姿を見て私までも泣いてしまいそうになっていた。







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