夫は家族を捨てたのです。

クロユキ

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アランと父親②

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私達は、アランがエリックの事を本当の父親だとずっと思っていてくれた事が嬉しく私とエリックは涙を拭っていた。
「……二人共泣くほど嬉しいの?」
「ああ、お父さんは嬉しい……」
「お母さんもよ…ありがとうアラン…お父さんの事を思ってくれて……」
「…その…聞いても良い?」
「なんだ?お前のお父さんの事か?」
「あ……うん…どんな人だったのか…」
アランは、少し戸惑うようにエリックにアルバートの事を聞いていた。
「…そうだな…何処から話そうか……アラン、私達の話しを聞いて会いたいと思うかもしれない…だが、今のお父さん達はお前の父親が何処に居るのかも分からないんだ…それでいいのなら話しをしよう…」
「うん…分かった…」
エリックと私は、アランの父親の話しをした…アルバートと結婚をしてアランが産まれて、その日まで一緒に生活をしていた話しを聞かせた…出稼ぎに行きどんな生活をしているのか私達はその先の話しはアランに話しをする事はなかった。
アランに父親の話しをしてから数日の事だった…私は、いつものように店で服を直す仕事をしていた。
「えっ!?オムライスのお店ですか?」
「田舎の町なんだけどオムライスのお店があるの、ここから三十分で馬車で行ける所なんだけど子供達に一度食べに連れて行ったらどうだい?私も食べに行ったけれど家庭の味で美味しかったよ」
常連のおばさんからオムライスの話しを聞いて夫と子供達に話しをした。
「行く!行きたいオムライス食べに」
「僕も食べたい」
「オムライスだけの店なんだ」
「へえ、オムライスだけの料理なんて珍しいな」
夫と子供達は、オムライスが食べたいと言って喜ぶ顔を見て私達は学校が休みの日に田舎町のオムライスの店へ行く事にした。







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