「別れない」と言われても「私はあなたと別れます」

クロユキ

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これが最後の涙

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「何を考えているの?仕事を手伝いもした事がないメロディ様を店に連れて行くなんて…」
ルイーゼはフェリクスに呆れ苦笑いをした。
「……私が店にいてもいなくても……」
ルイーゼは、少しずつフェリクスとの離婚を考えるようになった。
薄暗くなり始めてもフェリクスとメロディはまだ屋敷には帰っては来なかった。
「…先に食事をするわ」
夕食ルイーゼは一人で食卓で食事をしていた。
ルイーゼを見ていた執事とメイド達は気まずくなりまだ帰っては来ない二人に戸惑っていた。
「…フェリクス様もメロディ様もいない今だからあなた達に聞きたい事があるの」
「聞きたい事で御座いますか…」
執事はルイーゼを見て何を聞かれるのかと冷や汗が流れ落ちた。
「……屋敷の中でフェリクス様とメロディ様は毎日何をしているの?」
「あ…あのそれは…」
「フェリクス様には言わない事を約束するから話しをして欲しいの」
真剣な顔で執事にフェリクスとメロディの屋敷での生活を聞くルイーゼに執事は話しをする事にした。
「……フェリクス様は、午前中は書斎で書類に目を通されましてお仕事をしています…メロディ様は…毎日が日課としています庭園の散歩をしましてその後お茶を楽しまれて…フェリクス様もメロディ様とご一緒に……」
「……午後は、二人は何をしているの?」
「……」
執事は側にいるメイド達を見ては…メイド達も執事の困った顔を見て自分達もどう話せばいいのか戸惑っていた。
「…どうしたの?言えない事なの?」
「……それが……夕方まで私達はフェリクス様とメロディ様の所へは……」
「…夫婦の時間だから?」
「!何故それを……」
「やっぱりそうなのね……」
「あ……も、申し訳御座いません……フェリクス様からルイーゼ様には内緒にするようにと……」
「……私だけ夫婦じゃないみたい…」
「ルイーゼ様…」
「……ありがとう…教えてくれて…フェリクス様が帰って来たら私は休んでいると言って」
ルイーゼは自分の部屋に戻り声を殺して泣いた…これが最後の涙だと泣き続けた。







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