捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

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陛下の末の娘④

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月の光で、薄く照らされた部屋の中では顔が見えない人影にソフィアは「おぎゃーっ」と泣くべきか悩んでいた。
自分が泣けば大勢のメイドが走って来るのは分かっていた…
夜中に、騒いで欲しくないし近所迷惑だからと…普通の赤ちゃんだったら何も考えなくて「おぎゃーっ」と泣けばいいが、意識があり、おまけに前世の記憶があるソフィアには泣くのを躊躇っていた。
「…目が覚めていたのかソフィア」
(え?どうして私の名前を…それに聞き覚えのある声…)
月の光が強くなると、人影の姿が見えはじめ、癖毛のある銀色の髪の毛が月の光で輝き、黄金の瞳がじっと見つめる姿を見て皇女の父親カルロス皇帝陛下だとわかった…
「驚いて泣くのを忘れたか…」
大きな手が皇女の頭を撫で、ソフィアは変な気分だった。
( …頭を撫でてもらうなんて…お父様を思い出すわ…エミリーと一緒に遊んでいた時は、お父様が側に来て頭を撫でてくれた…勉強で初めて良い点数を貰った時もお父様は『がんばったなソフィア』と言ってくれて私の頭を撫でてくれた…)
ソフィアは、二度目の人生として生まれ自分の父親カルロスの大きな手を両手で握りしめ顔を寄せていた。
「きゃっ!きゃっ!!」
「……」
(赤ちゃんて喜ぶ時はこんな感じかしら?甘えるのが下手だから…エミリーのように甘えた事がないから…私もエミリーのように旦那様に甘えていたら変わっていたかしら…)
「……」
スリ…スリ…陛下の指は皇女の頬を撫でたように触っていた。
「……柔らかいな、ケーキのようだ…」
(あの…その言葉お昼に言っていたと思いますが…)
ムニ~ッ!
「!?」
頬をつまんで伸ばす陛下にソフィアは驚き、悪戯っ子の顔で陛下は笑みを見せていた。
ぺちぺちぺち!
「ん?」
(放してください!赤ちゃんの顔で遊ぶなんて…陛下でも怒ります)
「あう!あうっ!!」
怒っているだろうと陛下は気づいてはいたが、何をしているのかを理解している皇女に、陛下は「先が楽しみだ」と頬から手を放し皇女の額にキスをした。
(きゃーっ!?だから、キスは止めてください!心臓に悪いですから…)
「さて、行こうか!」
(え?何処へですか?まだ夜ですけど…)
陛下は皇女を抱き上げ相変わらずソフィアは、陛下のガウンを握りしめていた。









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