捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

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お願い

(まさか、アルフォンス皇子様から髪留めを貰うなんて思わなかった…お店に入ったのが女性がほとんど買い物をする雑貨店だったから、妹の私に何か買わなくてはと思ったかしら…それでも嬉しい…誕生日にお披露目と贈り物は貰ったけれど、兄妹でも嬉しいわ…)
「ふふ…」
「何?」
「え、なんでもないの…ありがとうアルお兄様」
「さっき、お礼聞いたよ」
「そうだった?」
笑顔を見せてお礼を言うソフィアを見ていたアルフォンス皇子は
(…こんなに喜んでくれるなんて…)と笑みをソフィアに向けてお願いをした。
「ソフィー、髪留めのお礼を貰ってもいい?」
「え、お礼?!」
「僕の頬に挨拶をして欲しいんだ」
「え!?」
歩く足が止まったソフィアは体が固まり真っ赤な顔を見せていた。
(ア、アルフォンス皇子様の頬に挨拶!?私、自分からした事がないのよ…)
「ほらっ、早くしないと人が増えるよ」
「う…」
顔をソフィアの側に向け「ここだよ」と頬に指で知らせるアルフォンス皇子にソフィアは腕を掴み、軽く頬に触れると真っ赤になった顔で「アルお兄様の意地悪」と声に出しスタスタと先を歩いた。
「クスッ、怒らせてしまったかな」
ソフィアの唇が触れた頬を触るアルフォンス皇子は微笑み先を歩く妹の後を追った。
二人の皇子と皇女の姿を後ろから離れて歩く護衛騎士三人は茫然とした顔で見ていた。
「い、今の見たか?皇女様がアルフォンス様にキスをしたぞ」
「見たが…皇女様の動きが固まっていたが…」
「お二人の様子を見ていたが…兄妹とは思えないほど寄り添っていないか?」
「いや、あれはアルフォンス様が皇女様に寄り添っているように見えるが…アルフレッドお前は皇女様の護衛だろうどんな方なんだ?」
護衛騎士三人の側を歩くアルフレッドにソフィアの事を尋ねていた。
「…普通の少女…」
「……それだけ?」
「ああ…」
「もっと他にあるだろう?我が儘とか、命令が多いとか、人任せにするとか皇女様はこんな感じではないのか?」
「…いや、なんでもご自分でする方なんだ…私の気遣いもされる方だ…」
アルフレッドは前を歩く皇女ソフィアの後ろ姿をじっと見ていた。




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