捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

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店を手離し…【アレックの回想】

「お話が好きな店員さんだったですね」
「…お恥ずかしい…昔の事とはいえ店員の彼女がいろいろと覚えているとは…」
アレックはアルフォンス皇子に頭を下げ皇女ソフィアに顔を向けたが、馬車の窓を見て自分の方を見ようとはしなかった。
(……昔に…あの頃に戻った気分だ…)
アレックはエミリーの買い物に良く付き合わされていた。
仕事の途中でも妻に任せエミリーと買い物を楽しんでいた…遠出をした時は、アレックとエミリーを見て夫婦のようだと言われてからは、エミリーが店の店員に『夫』だと紹介された時は、悪い気分はしなかった…エミリーとの外出が増え仕事はほとんどという程妻に任せ、いつしか、妻の存在を忘れる事が多くなった…
妻のソフィアが亡くなり、エミリーとの関係も終わり体調を崩す日が続いた。
そんな時に嫌がらせの手紙が届くようになった。
『奥さんがいるのに、違う女と一緒に旅行して最低』
『侯爵は良いよな~っ、浮気しほうだいじゃん!あんたの奥さん知ってたか?』
『店の店員に奥さんでない人を奥さんと紹介しているのを見てしまって驚いた。どういう事ですか?』
手紙を読み妻を知っている者が多い事に驚いた。
店を任せていたのだから知るものがいて当然だった…その噂はやがて親族の耳にも入り、仕事に影響している親族もいた…アレックは親族に迷惑をかけた代償に父の代から続いていた店の権利書を渡す事にした…妻ソフィアが一年近く夫の替わりに続けた店を手離した。
アレックは建物だけでも手元に残したいと願い、新しく事業を始めたのが書店だった。
亡き妻の部屋にあった本を見て販売と貸し借りを始めた…






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