捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

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後悔と白い花

ガラガラ…と音を出して走る馬車の中でソフィアは、アレックと目を合わせようとはしなかった。
アレックが自分の方を見ているのが分かっていたが顔を向く事ができずにいた…
(……昔の旦那様とエミリーの話を聞いても自分が虚しくなるだけで、あの頃の私は何も言えず…私がエミリーに何か言えば旦那様がエミリーをいつも庇う姿を見てきた…私の側にはそんな人はいなかったから…)
「ソフィー」
「え、何?アルお兄様…」
「屋敷へ戻ったら、一緒に散歩してみないか?」
「散歩?!」
「ああ、アレック兄さんの屋敷に白い花が咲いているんだ」
「白い花?」
(屋敷に白い花は咲いていたかしら…旦那様の元へ嫁いでから花を見て過ごす事はあまりなかったから…私が知っているのは、エミリーの温室を造る事が出来なかったお詫びに、庭園に続く道のほとんどをエミリーの好きな花になったとエミリーが喜んで話していたのを覚えている…)
「アレック兄さん、僕達花を見て回ってもいいですか?」
「あ、ああ、いいよ…ただ裏の庭園は行かないで欲しい…」
「分かりました。ソフィー良かったね」
「えっ、ええ…」
(…旦那様の視線が…)
「…あ、あの…私に何かお話でも…」
ソフィアはアレックが見ている事が気になり店を出てから初めて顔を向けた。
「あ…いや、アルフォンス様と一緒に花を楽しんでくれ」
「…はい、有り難う御座います…」
ぎこちない会話を終え馬車は屋敷に着き、屋敷に向かう道端には白い花が咲いているのを見たソフィアは驚いていた。
「どうだい、驚いただろう?」
「え…ええ…でもこの道には…」
「…どうかしたのかい?」
「え!?」
ソフィアの後ろにはアレックが立ちソフィアは目を逸らした。
「…い、いえ…白い花が道端にあるのが珍しくて…」
(白い花があった場所はエミリーが好きな花が咲いていたはず…)
「……妻が白い花が好きだと聞いたものですから…」
(え?まさか…私の為に…?でも、私旦那様には白い花が好きだなんて話していないわ…)
「…私は、妻には何もしてあげた事がない駄目な夫でした…妻が亡くなって初めて知る事が多く…生きていた時に何故向き合おうとしなかった自分に後悔するばかりです…」
哀しい目で妻ソフィアを語るアレックを見てグッと息を飲んだ
「…何故、私に奥様の話を…」
「…私も分かりません…先に屋敷の中に戻ります…」
アレックはソフィアに話を終えると屋敷へと向かい、その後ろ姿をソフィアは見続けていた…





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