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花束
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「皇女様…」
私はいつの間にかベッドの上で寝て、メイドのナディアが側で声をかけていた。
「おやすみの所申し訳御座いません、何度もお呼び致しましたが…お返事がなく勝手に入り申し訳御座いません…」
頭を下げて謝るメイドのナディアの手が震えて見えるのが分かった…
『きゃーっ!奥様!?』
(最初に見つけたのが貴女だったわね…)
ソフィアはベッドの上から体を起こし笑顔を見せていた。
「すみません気がつかなくて…何か用ですか?」
「お食事のご用意ができました」
「有り難う御座います」
ソフィアがベッドから離れるとメイドのナディアが枕元に髪飾りを見つけた。
「皇女様、髪飾りが…」
「あ!」
髪の毛を触り耳に翳した髪飾りが無い事に気づいた。
「皇女様、髪の毛を整えますので化粧台へ宜しいですか?」
「お願いします…」
ソフィアは化粧台の椅子に座り鏡を見ていた…十六年前はアレックの妻としてこの屋敷に住みこの部屋で籠る日々を過ごしていた。鏡の前で座っては暗く沈んだ自分の顔を見るのが嫌だった…
「銀色の綺麗な髪の毛ですね…皇女様は陛下に似ているのですか?」
「そうみたいです…私はお母様に似て欲しかったのですが…」
苦笑いを見せて会話を楽しむソフィアを見てメイドのナディアは、アレックの妻ソフィアとは関係ないと思うようになり髪の毛を整え終えた。
「有り難う御座いました。」
「いえ、ではお食事部屋へご案内致します」
部屋を出た皇女ソフィアとメイドのナディアは階段を下りていた時、外から扉が開きアレックが白い花を持って入る姿をソフィアは歩く足を止めてしまった。
「皇女様?」
「あ…いえ…何でもありません…」
(まだ、外にいたなんて…旦那様に手を振らなければよかったと後悔していたのに…)
「皇女様」
「は、はい?」
階段から下りたソフィアにアレックが側に来て白い花をソフィアに渡した。
「え…あの…」
「先ほど摘んだばかりの花です。お部屋に飾っていただけたらと思って…」
「…あ、有り難う御座います…」
(…旦那様が庭に咲く花を摘むなんて…私には…一度だけ旦那様から庭に咲く花を貰った事があったわ…)
『え?…私にですか?!』
まだ旦那様の部屋で一緒に仕事をしていた時、束になった花を旦那様から貰った…
『ああ、屋敷の庭に咲いていた花だが良かったら部屋に飾ってくれ』
『…有り難う御座います…』
束になった花は見た事がある花ばかりでそれでも私は嬉しかった…
『あの…新しい花でも植えるのですか?』
『ああ、エミリーが君が持っている花が好きではないと言っていたんだ』
『え…』
『今、新しい花を植えている所なんだ。まだ、その花は綺麗で捨てるには勿体ないと思って君にあげたんだ』
『……』
『喜んでくれるとは思わなかった』
笑みを見せるアレックにソフィアは束になった花を握りしめ部屋を出た。
『……素直に喜んだ私が馬鹿みたい…』
『あ!奥様、旦那様から頂いたのですか?』
『貴女にあげるわ…』
『え!?ですが、この花は旦那様が奥様に…』
『私はいらないの…貴女が受け取って…』
『お、奥様!?』
私は束になった花をメイドに渡したのを思い出した…庭には、エミリーの為に植えた新しい花が咲いていた…
私はいつの間にかベッドの上で寝て、メイドのナディアが側で声をかけていた。
「おやすみの所申し訳御座いません、何度もお呼び致しましたが…お返事がなく勝手に入り申し訳御座いません…」
頭を下げて謝るメイドのナディアの手が震えて見えるのが分かった…
『きゃーっ!奥様!?』
(最初に見つけたのが貴女だったわね…)
ソフィアはベッドの上から体を起こし笑顔を見せていた。
「すみません気がつかなくて…何か用ですか?」
「お食事のご用意ができました」
「有り難う御座います」
ソフィアがベッドから離れるとメイドのナディアが枕元に髪飾りを見つけた。
「皇女様、髪飾りが…」
「あ!」
髪の毛を触り耳に翳した髪飾りが無い事に気づいた。
「皇女様、髪の毛を整えますので化粧台へ宜しいですか?」
「お願いします…」
ソフィアは化粧台の椅子に座り鏡を見ていた…十六年前はアレックの妻としてこの屋敷に住みこの部屋で籠る日々を過ごしていた。鏡の前で座っては暗く沈んだ自分の顔を見るのが嫌だった…
「銀色の綺麗な髪の毛ですね…皇女様は陛下に似ているのですか?」
「そうみたいです…私はお母様に似て欲しかったのですが…」
苦笑いを見せて会話を楽しむソフィアを見てメイドのナディアは、アレックの妻ソフィアとは関係ないと思うようになり髪の毛を整え終えた。
「有り難う御座いました。」
「いえ、ではお食事部屋へご案内致します」
部屋を出た皇女ソフィアとメイドのナディアは階段を下りていた時、外から扉が開きアレックが白い花を持って入る姿をソフィアは歩く足を止めてしまった。
「皇女様?」
「あ…いえ…何でもありません…」
(まだ、外にいたなんて…旦那様に手を振らなければよかったと後悔していたのに…)
「皇女様」
「は、はい?」
階段から下りたソフィアにアレックが側に来て白い花をソフィアに渡した。
「え…あの…」
「先ほど摘んだばかりの花です。お部屋に飾っていただけたらと思って…」
「…あ、有り難う御座います…」
(…旦那様が庭に咲く花を摘むなんて…私には…一度だけ旦那様から庭に咲く花を貰った事があったわ…)
『え?…私にですか?!』
まだ旦那様の部屋で一緒に仕事をしていた時、束になった花を旦那様から貰った…
『ああ、屋敷の庭に咲いていた花だが良かったら部屋に飾ってくれ』
『…有り難う御座います…』
束になった花は見た事がある花ばかりでそれでも私は嬉しかった…
『あの…新しい花でも植えるのですか?』
『ああ、エミリーが君が持っている花が好きではないと言っていたんだ』
『え…』
『今、新しい花を植えている所なんだ。まだ、その花は綺麗で捨てるには勿体ないと思って君にあげたんだ』
『……』
『喜んでくれるとは思わなかった』
笑みを見せるアレックにソフィアは束になった花を握りしめ部屋を出た。
『……素直に喜んだ私が馬鹿みたい…』
『あ!奥様、旦那様から頂いたのですか?』
『貴女にあげるわ…』
『え!?ですが、この花は旦那様が奥様に…』
『私はいらないの…貴女が受け取って…』
『お、奥様!?』
私は束になった花をメイドに渡したのを思い出した…庭には、エミリーの為に植えた新しい花が咲いていた…
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