捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

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パイ料理

「おはようございます。皇女様」
「おはよう…」
パルリスの屋敷から帰ってから、昔の夢をあまり見る事がなくなったソフィアは目覚めが良かった。
「最近顔色が良くなりました」
「そう?」
「はい」
身仕度に来たメイドがソフィアの顔色が良いと話をしていた。
鏡を見ていたソフィアも顔色が良いと思っていた。
(…旦那様に今までの事を話をしたからかしら…魘される事も泣く事も少なくなってきたみたい…)
ソフィアはアレックの屋敷から城に戻り一週間たった。
アレックの店に行こうと陛下は言っていたが「忙しいので外出は出来ません」と大臣達から言われ、アレックの店と本人に会う日は未定と言われた。
(屋敷を離れてから次の日に陛下と一緒に来ました…は、旦那様も驚くと思ったから…私も焦ってしまったわ…)
「皇女様、夕食はパイ料理だそうです」
「本当!?」
「はい、陛下のお許しが出たそうです」
私は、パルリス家のメイド長からパイ料理を貰った。
夜の食卓に私だけ味が違うパイ料理を出されたから…出されたパイ料理で私ソフィア・ルモアだと旦那様が分かった。
持ち帰ったパイは、陛下と家族で一口サイズだったけれど食べてくれて、美味しいと言ってくれた時は嬉しかった。
『素朴な味だが旨いな』
『アレック様の亡くなった奥様が、生前の頃に作っていたみたいで…そのレシピが残って今でも食卓に出されていると聞きました』
『…そうか、侯爵の奥方が…』
『料理好きだった方で料理人と一緒に厨房に立つ事もあったようです』
『そうか!?侯爵も幸せ者だったようだな』
(…私が旦那様に料理を出したのはパイ料理だけだったわ…)
『お父様、私このパイ料理が好きになりました…ここで食する事はできますか?』
『…うむ…しかし、作り方が分からなくては…侯爵家の料理人を城に呼ぶわけにはいかないからな…』
『…あの…好きな料理だったのでレシピを書き写した紙がありますけど…』
『おおっ、そうか。後程料理長に話をしてみよう』
(その後、慌ててパイ料理の作り方を書いたのを覚えている…何回料理長から味見を呼ばれたのか…そして完成をしたパイ料理を陛下に出して…食卓へ出してもいいと許しが出たんだわ…良かった…私が厨房に立つわけにはいかないから…)
ソフィアは笑みを見せていた…ルモア家の家族が、食卓に出されたパイ料理を両親が食べる姿を思い出していた。








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