兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ

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ウィルの護衛騎士選び

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俺とシェル王子が部屋の近くまで来るとザック兄が廊下で護衛騎士担当の二人と話をしている姿があった。
「おーっ、やっと戻ったかシェル兄と……ウィルか?」
「はい、僕ですザック兄様」
俺が名前を呼ぶとザック兄は「おお、ウィルだ!」と、笑顔で出迎えてくれた。騎士担当二人も朝出掛けた時同じ騎士で俺がウィルだと分かると「やはりウィル王子だった」「はぁ、驚いた」と、何故か騎士二人は胸を撫で下ろしていた。
俺達三人は部屋に入り部屋の中にはマリアが掃除をしていた。
「お帰りなさいませウィル様」
メイドのマリアが笑顔で迎えてくれて、部屋に戻って来たと安心感でホッと息をはいた。
シェル王子は俺をベッドの上に座らせ、マリアに声を掛けていた
「ウィルの化粧落としをお願いしても良いですか?」
「はい、分かりました。シェル様」
「衣装の着替えは俺とマリア二人で大丈夫だろう」
ザック兄が俺の着替えを手伝ってくれる事になり、シェル王子は廊下で護衛をしている騎士二人に話し掛けて居るようだった。
「貴殿方二人は、今すぐ騎士全員闘技場に集まる様に知らせてください、私も闘技場へ向かいますので」
「まだ、ニック騎士がお見えに成られておりませんが…」
「今夜からニック騎士は護衛には来ません、ニック騎士の代わりに一週間の間ウィルの護衛騎士を選びます。」
「「!?」」
騎士二人は驚いていたが、二人とも笑顔でシェル王子に礼をして二人の騎士は歩く足が早歩きに代わり騎士達の元へ向かった。
「……一週間のウィルの護衛騎士は慎重に選ぶ必要が有りそうですね…」
シェル王子は騎士二人が見えなくなると部屋に戻りザック兄にニックの代わりの騎士を選ぶ話をしていた。
「カイ、今から私は闘技場へ向かいますので、暫くウィルの側に居てください」
「別に構わないが、闘技場で何するんだ?」
「ニック・ライナス護衛騎士の代わりに一週間ウィルの護衛騎士を選びに行きます。」
「…ニック騎士に何か合ったのか?」
「これから長年ウィルの騎士をやって行くのです。城内だけではなく城下町で、巡回騎士の仕事を知って貰うため、一週間ウィルの護衛を離れ巡回の仕事を御願いしました。彼の様に剣の腕に自信があり、一気に護衛騎士まで上がったニック・ライナスに巡回騎士の仕事を覚えた方が良いと思い一週間ウィルの護衛を離れる事にしました。」
ザック兄は突然ニックをウィルの護衛から離し、巡回騎士に回す事に違和感があったものの、また二人でウィルの事で何か合ったなとは思いはしていた。
だが、今のシェル王子を見ていっものシェル王子だと分かると何も聞く事は無いと思いシェル王子に従う事にした。





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