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えっ?

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話しは変わり広い廊下を重い足で歩く騎士と軽い足で歩く王様の姿があった。
「早朝に出歩くのも良いな、なあポール騎士」
「……そうで御座いますね王様」
「何だ朝から暗いぞジル王子から何か言われたのか?」
「いえ、何も……」
ポール騎士はジル王子の今の状態を王様に言わない事にしていたもし王様にジル王子がお怒りですと言えば王様は部屋へは来てくれないと思ったからだ。
「御早う御座います王様」
「御早う御座います王様」
「ああっ、御早うこの姿で悪いな」
「いえ王様……」
王様は廊下ですれ違う騎士にメイド達に声を掛け、朝の挨拶を交わしていた。
そして王様はジル王子達の部屋に続く廊下とは違う別の廊下を見てポール騎士に声を掛けていた。
「ジル王子の部屋へ向かう前に側室達に挨拶をしたいのだが」
王様が見ていた別の廊下は側室達のいる部屋へと続く廊下だった。
「王様ジル様が御待ちなのです、ジル様の御用が終りましたら側室方へお通い下さい」
「そう急がなくてもよいではないか挨拶だけだ」
「王様!」
ポール騎士は真っ青な顔に成りながらも引き止める事が出来ない力の無さに呟いた。
(友よもう暫く辛抱してくれ)
王様とポール騎士は側室達の部屋へと続く廊下を歩き王様は真っ先にロラ嬢の部屋へと向かった。
「王様?!」
ロラ嬢は早朝から部屋を訪ねる王様に驚きまだ寝服姿にも驚いていた。
(昨日王様の誘いを断りどなたの元へ行かれたのかしら…)
「早朝から驚かせて済まなかった部屋へ向かう途中そなたに会いたくてな挨拶だけでもと寄ったのだ」
「そうですか……」
ロラ嬢は今の王様の寝服姿を見て他の女達の元へ通っていたと思うと嫌だと思い、ジル王子も気になる王子だが今は王様に愛して貰いたいと思い、ロラ嬢は目で自分付きのメイドに合図をするようにメイドはロラ嬢に頷きポール騎士に声を掛けた。
「騎士様こちらで御待ち下さい」
「えっ?」
ポール騎士はメイドに連れられ廊下へとメイドと一緒に部屋を出た。
「王様、わたくしの元へ来て頂き嬉しく思います」
ロラ嬢は王様の側へ寄り顔を胸に埋め誘うように身体を寄せていた。
「そなたは私の側室だからな来るのは当然だろう」
「嬉しく思います王様」
ロラ嬢は自分から王様に唇を重ね誘うように熱い口付けをしていた。
「ロラ嬢から誘うとは珍しいな」
「ふふっ、わたくしは王様の妻ですもの王様が御部屋に通われましたら御誘いはしなくてはと思いましたの」
ロラ嬢はまた王様に口付けをと顔を近付けた時王様が身体を放しロラ嬢はえっ?と声を出した。
「ああっ、済まないロラ嬢今は挨拶だけで伺ったのだ他の側室達の元へも行かなくては成らないからな朝食の部屋で待っている」
ロラ嬢の額に口付けをした王様はロラ嬢の部屋を出た。
ロラ嬢は「えっ?えっ?」といった顔で王様が出た扉を見るだけだった。










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