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城の騎士学校⑤

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コッコッコッ、ウィル王子を医務室へ預け一人学校の廊下を懐かしさで歩きメイドのマリアを連れて来るため足を急がせた。
「リアム先生はまだ生徒達に捕まって居るのかな…」
(先生が私の事を思い出してくれたのは嬉しいけど、足が遅いで名前を覚えていたのは止めて欲しかったな……ウィル王子は気にしないと言って下さったのですが……私の恥ずかしい所を知られたくは無かったな……はあ…)
レオン騎士は肩を落として廊下を歩いていた……
「……ぁ…」
ピタッと廊下を歩く足を止めたレオン騎士は、渡り廊下に近付く付近から声が聞こえ、小さく聞こえる声が何度も聞こえる為レオン騎士は声がする方へ足を向けた。
渡り廊下から少し離れた壁の奥から聞こえる為レオン騎士はチラッと壁の方へ顔を覗かせた……
「あ……ダメだよこんな所で……先生に見つかったら…んんっ」
「んっ……誰も来ないよこんな所、皆運動場を走って居るだろう俺達が抜けたの皆知らないさ……それとも俺と一緒に居るのは嫌なのか?」
「嫌なんて言って居ないよ、あっ、ダメだよ首に痕を残さないで……ふふっ、擽ったいよ」
「じゃあ口なら良いか!?」
壁の奥で、男子生徒二人が口付けを何度も交わしている場面を見てしまったレオン騎士は、ドクン……と心臓の音と変な汗と顔が熱くなるのが分かり止めていた足を急ぎ渡り廊下を目指してかけるように歩いた。
(……っ、い、今のは……男子生徒だったそれも抱き…つ……私は彼等を見て何故か身体が火照るような……忘れて居ました、私達の在学中の時も何人かの男子生徒が彼等と同じ事をしている場面を何度か見た事が……ウィル王子……)
レオン騎士は生徒二人が隠れてその場面を見て何故かウィル王子の顔が浮かび顔が真っ赤に成りながら渡り廊下を走っていた。
運動場でまだ生徒達から質問責めのリアム先生が渡り廊下を走るレオン騎士を見掛け声を掛けた。
「あっ、こらっクライム、廊下は走るな!」
レオン騎士はリアム先生の声を無視して夢中で廊下を走っていた。
「今の騎士の人先生の知り合い?!俺達に紹介して先生!」
「走る姿カッコ良いな~っ、黒いマントが宙に浮いてたもんな」
「先生ーっ、騎士の人と一緒にいた男子何処ですか?」
生徒達の質問が続く為体育の時間が騎士と男の子の話しと成り、ワイワイと騒ぐ生徒達の中で、二人の生徒がこの場に居ない事を皆知らずにいた。
「……先生に注意を受けてしまいました……早くマリア様を連れてウィル王子の元へ急がないと、医師様に医務先生も居ます。何も心配する事は無いのですが……」
レオン騎士はモヤモヤが消えず今はメイドのマリアを早く騎士学校に連れて行く事に集中していた。
レオン騎士がモヤモヤとしている頃医務室では三人和む姿があった。
「先生これはお茶ですか?」
「良く分かりましたね、茶葉を煎じたお茶です。私の実家が毎日飲んでいるんですよ」
「美味しいです。以前飲んでいた飲み物に似ています」
「喜んでくれて嬉しいよ」
俺はまさかこの世界でお茶が飲めるとは思って居なくて懐かしく嬉しかった。
「ほっ、ほっ、ほっ、私はお邪魔ですかな?」
医師じぃさんは一人お茶をズズズ……とすすり、俺と医務先生がワイワイとお茶で盛り上がっていた。







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