兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ

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城の騎士学校⑧

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城内に戻ったレオン騎士はウィル王子の部屋へと向かっていた。
(まさかあんな所を見てしまうとは思わなかった…騎士学校は男子が多い場所で、だからと言って初めて騎士学校に訪れたウィル王子に私は心配をするのだろう……医務室には先生に医師様も居ますから何も心配する事が無いのに……)
モヤモヤが取れないレオン騎士は今はメイドのマリアを早く連れて行く事に集中していた。
その頃メイドのマリアはウィル王子のベッドのシーツを取り替えていた。
ベッドの側には小さな置き棚があり、その棚の上には小さな花瓶に五本白い咲く花が飾られていた。
「……今度はどなたがウィル様に近付いて居るのかしら」
メイドのマリアは花瓶の花を見てシーツを持ち上げ部屋を出る事に、(客室へウィル様を迎えに行きましょう)部屋の扉を開け廊下には今日から護衛騎士に成ったトーマス騎士が立っていた。
「……」
メイドのマリアは彼が少し苦手だった。
今までメイドの仕事をして、手伝って貰った騎士はウィル王子の側にいるシェル王子とカイザック王子達が部屋に居たときは持ち運び等手伝ってくれた。普通王子はメイドの仕事の手伝いは行わないもので、ベルスタ王国の王子達はお節介やきが多いようだ。
「マリア様部屋の掃除が終わったのですか?」
「……はい、今からウィル様を御迎えに行きます。トーマス様護衛御苦労様です……」
ペコッと頭を下げ両手にはシーツとウィル王子の着替えの汚れ物を持ちメイドのマリアは廊下を歩き出そうとした。
ひょいっと両手が軽くなり、手には何もなくパッと見上げればトーマス騎士がシーツと汚れ物を持っ姿に目を丸くした。
「ト、トーマス様!?」
メイドのマリアの隣に立っていた。
「私が手伝います。以前行きました場所へ行けば良いのですね」
「……こ、困りますトーマス様これはメイドのわたくしの仕事です。トーマス様も護衛の仕事をしてください」
スタスタと歩き出しているトーマス騎士に慌てて後ろから駆け寄るメイドのマリアは困っていた。
(もう、この人はまた同じ事を……)
パサッとメイドのマリアの方にタオル類を渡しニコッと笑顔を見せるトーマス騎士に見上げ熱く成る顔に首を振った。
「マリア様はこれをお持ち下さい、私は此方をお持ちします。マリア様はウィル様のメイドです私が手伝う事は当然です。汚れ物を置きましたら戻りますので、気にしないで下さい」
「……」
笑顔を見せるトーマス騎士にメイドのマリアは思った。
(ウィル様……彼に余計な事を言わないで下さい、今まで笑顔を見せる事が無い彼が笑顔を見せ始めて困っておりますわ~)
隣でニコニコと笑顔を見せるトーマス騎士にメイドのマリアはため息を吐き二人シーツや汚れ物を持ち廊下を歩いていた。

トーマス騎士にウィル王子が笑顔が素敵ですと言ったばかりに迷惑……悩むメイドのマリアを知らない当のウィル王子は医務室で焼き菓子を食していた。
「ウィル王子医務室の匂いは嫌では無いのですか?」
医務室のベッドの上で座るウィル王子の側で立ち、手には取っ手が付いたカップを持ち薬品の匂いがする医務室の事をアンドレ先生が尋ねていた。
「いえ、大丈夫ですアンドレ先生」
ニコッと笑顔を見せるウィル王子にアンドレ先生もフッと笑みを見せ医師の先生は「ほっ、ほっ、ほっ」と声を出し椅子に腰を上げウィル王子の側へと寄った。
「ウィル様私は少し側を離れます、直ぐに戻りますので、アンドレ先生と御待ちください」
「はい、分かりました」
「アンドレ先生、直ぐに戻りますのでウィル様を御願いしても宜しいですかな?!」
「はい、分かりました」
医師のベルナール先生が軽く頭を下げた時扉を叩く音が聞こえた
コンコン!
「失礼します、アンドレ先生クラスメイトが体調を悪くしましたので見て貰って良いですか」
二人の男子生徒が医務室の中へ入り、俺がベッドの上に座る姿を見てズズッ……と音を立てて茶を啜る俺を見て、二人の男子は固まっているかのように扉の側から動こうとはしなかった。














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