兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ

文字の大きさ
457 / 484

ヤスミン嬢の苦手な王子

しおりを挟む
「はぁ…」
メイド二人を連れ廊下を歩くヤスミン嬢の姿があった。
(シェル王子と顔を会わせますのが気まずいわ…昨夜は勢いに任せシェル王子の部屋へ行きましたのに、まさか追い帰されてしまうなんて思いもしなかったわ…本当でしたらシェル王子と親密な関係を持つはずでしたのに……)
朝食をとる為食事の部屋に向かうヤスミン嬢は、ふと昨夜の事を思い出し歩く足が重く感じていた。
(もし、シェル王子が王様にわたくしの事を話しましたら…でもわたくしは何も悪い事はしていないわ!義弟と一緒にお話しとお酒を飲みます事が悪いとは思わないわ…そうよ、いつものようにすれば良いのよ)
ヤスミン嬢は何事も無いような顔で食事部屋へ向かっていた。
「あ…!」
「ん?よう、ヤスミン嬢」
「お、お早う御座います…カイザック王子…」
反対側の廊下からカイザック王子が歩きヤスミン嬢とばったりと会った。
「……」
(カイザック王子と廊下で会うなんて…わたくしこの方が少し苦手ですわ…顔に長身に体格は申し分のない王子ですが、あの大きな声と性格がわたくしには合いませんわ…)
前を歩くカイザック王子を見るヤスミン嬢は、挨拶を交わした後何も話さないカイザック王子が気になっていた。
「…あ、あの…カイザック王子?」
「ん?!呼んだか?」
「あ…はい、あの…昨日は申し訳ございません…」
「昨日?」
「…シェル王子の部屋に伺いました事で…」
歩く足を止め後ろを振り向きヤスミン嬢をじっと見るカイザック王子に、頬が少し赤くなるのに気付き目を逸らしたヤスミン嬢は心臓がドキドキと鼓動が煩く鳴っていた。
(わ、わたくし何故頬が熱いのでしょう……)
「…ああ、兄上の部屋に行くのは控えた方が良いな。得に、母上達の逆鱗に触れたくないなら大人しくしていた方が良い」
「……逆鱗…ですか…」
「兄上は女に優しいからな~、父上にはまだ話していないようだからな。どうしても兄上とお茶がしたいのなら護衛騎士を交えてなら良いかもな!」
「……」
カイザック王子の話しを聞き終えたヤスミン嬢は、スタスタと前を歩くカイザック王子の後ろ姿を見て声を出した。
「…苦手な王子だわ…」



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

龍は精霊の愛し子を愛でる

林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。 その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。 王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~

なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。 一つは男であること。 そして、ある一定の未来を知っていること。 エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。 意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…? 魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。 なんと目覚めたのは断罪される2か月前!? 引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。 でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉ まぁどうせ出ていくからいっか! 北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)

異世界で孵化したので全力で推しを守ります

のぶしげ
BL
ある日、聞いていたシチュエーションCDの世界に転生してしまった主人公。推しの幼少期に出会い、魔王化へのルートを回避して健やかな成長をサポートしよう!と奮闘していく異世界転生BL 執着最強×人外美人BL

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精 ※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。

処理中です...