婚約者の彼から彼女の替わりに嫁いでくれと言われた

クロユキ

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しつこい夫婦とブラッド

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「はあ、はあ、やっと会えました!」
年配の男性がブラッドに駆け寄り笑顔を見せていた。
「……俺に用でも?」
ブラッドの目は『誰だ?』と知らない様子で息を整える夫婦を見ていた。
「申し遅れました。以前、旅行中にカバンを盗まれましてその時、あなた様が取り押さえカバンを取り返してくれましたのを覚えていますでしょうか?」
「カバン?」
笑顔でカバンを取り返してくれたと話をする年配の男性にブラッドは思い出そうとしていた。
「盗まれたカバンを取り返した件は多い為顔は覚えていない事が多く、俺とは限らないのでは?」
「いいえ、あなた様でした。わたくし達夫婦は目の前で取り押さえますあなた様をはっきりと覚えています!」
「ええ、ええっ、わたくし好みの顔ですので、忘れますはずはありませんわ」
「何!?」
年配の女性がブラッドの顔が好きだと話、年配の男性は険しい顔を年配の女性に向けていた。
「……あの…」
フォスティヌは自分達がいてはいけないと思いブラッドに声をかけた。
「私…帰ります」
「ああ、そうだな…馬車まで送ろう」
「え、いぇ…お話しがあるようなので私達はここで…」
「ああ……気をつけて帰るように…」
「はい、今日はありがとうございました」
「ああ、彼女を頼む」
「分かりました」
フォスティヌはブラッドに頭を下げお礼を言うと使用人と一緒に馬車まで歩く姿をブラッドは見送っていた。
その様子を見ていた夫婦は『まさか、彼女では?』と心配そうな顔でお互い見ていた。
「あの……今の方とは、お付き合いしています方でしょうか?」
「あなた!」
「あ…申し訳ない少し気になったもので……」
「……お応えする事ではないと思いますが…すみません、任務中なので失礼します」
「えっ!?あの、少しお話しを…」
「お名前だけでも…」
ブラッドの前を塞ぐようにいる夫婦にブラッドは不機嫌な顔をして夫婦を見下ろしていた。
(……なんだ?この夫婦は…身なりは貴族のようだが…)
ブラッドは周りに人がいる為、夫婦を突き放すわけにもいかずため息を吐いて用件を聞く事にした。
「……お話しとは何ですか?」
「あ…先にお礼を言わせてほしい、カバンを取り返してくれてありがとう!助かったよ。君がいなければ旅行が台無しだった」
笑顔でお礼を言う年配の男性はブラッドの手を握りしめていた。
「仕事でしたので…では、これで…」
「あっ、待ってくれ!お礼がしたい屋敷へ来て貰えないだろうか?」
「…礼などいりません」
「食事だけでも招待したいんだ」
「……」
誘いを諦めない年配の男性にブラッドはため息を吐き誘いを引き受ける事にした。










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