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ルーベンス家の婚約披露宴⑧
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フランシスの話を聞いていたフォスティヌは、自分と別れてからの親子の関係がよくないと聞いてショックを受けていた。
(…あんなに仲が良かったのに…私が知らないところで兄様も辛い思いもしていたんだ…でも、これから先は兄様とシャロンさんと二人でおじ様とおば様に向き合って行かないと…私はもう…)
「フォスティヌ?」
「え?」
「黙ったままだったから、気分でも悪いの?」
「…兄様がおじ様と会話をする事が減ってしまったと聞いて…ちょっと驚いて…」
「……僕の事を心配してくれるの?」
「えっ…それは…おじ様とおば様には可愛がってもらってくれたのもあるから…私には家族のようだったから…」
じっと自分の方を見るフランシスにフォスティヌは戸惑っていた
「フォスティヌがまた、屋敷へ来たら良いんだ」
「え!?」
「言っていなかったけど、騎士寮から通うのをやめ屋敷から通う事になったんだ」
「え…でも、寮から学校が近いと言っていたのに?」
「……色々あって、寮から通うより屋敷から通った方がいいと思ったんだ」
「……」
笑顔を見せるフランシスにフォスティヌはじっと見ていた。
(私と別れて寮から通う事が必要なくなったからなんだ…全部シャロンさんの為に……私は、兄様の何処が好きだったの?顔?性格?一緒に遊んでくれたから?優しく声をかけて抱きしめてキスをしてくれたから?……)
フォスティヌは、フランシスと別れても今までの事を思い出しどうしてフランシスを好きになったのかも思い出せずにいた。
(……でも、不思議…涙が出ないなんて、泣きすぎて渇れたのかな…)
フォスティヌは自分の左手を見て指輪を触っていた。
「兄様、おじ様とおば様は気になるけど…私は屋敷へは行けない…」
「!?どうしてなんだ?フォスティヌ…シャロンの事を気にしているのかい?大丈夫だよ父さんがいるとシャロンは屋敷へ来ないと思うから…」
「…私は、ブラッドさんの婚約者だよ」
「!」
「それを知って私に屋敷へ来てと言っているの?」
笑顔を見せないフォスティヌにフランシスは茫然としていた。
「兄様が私を捨てたのに、別れてから私に求めて来るなんておかしいよ」
「…フォスティヌ……」
悔しい思いが込み上げてくるフォスティヌは、グッと手を握りしめ座っていた腰を上げた。
「兄様の傍にいるのは私ではないから、シャロンさんなんだから…私、戻るね」
「……」
フォスティヌがフランシスの傍を離れようとした時、フランシスは立ち上がりフォスティヌを抱きしめた。
「あ、兄様!?」
「会える時でいいんだ…僕を頼って欲しいんだ…」
「…兄様…」
フォスティヌはフランシスの胸の中で花の香水に気がついた。
「……兄様、香水代えたの?」
「え?香水!?」
フォスティヌは、フランシスが傍にいた時にいつも付けている香水を知っていた。
「いや、代えていないよ」
「…でも、兄様から花の香水がするから…」
「花の香水?……ああ、さっきまでシャロンと一緒だったからきっとその匂いだよ」
フランシスはフォスティヌが話してくれているのが嬉しく、つい、シャロンとさっきまで一緒にいた話しをしてしまった。
「…兄様、苦しいから放して…」
「え!?あ、ごめん。久しぶりにフォスティヌを抱きしめたから甘い香りが懐かしいよ」
フランシスはフォスティヌに笑顔を向けていた。
「……ブラッドさんは、爽やかな緑の匂いがするの」
「え!?」
フランシスは、笑顔でブラッドの話をするフォスティヌに驚いて体が固まっていた。
「フォスティヌ!!」
ブラッドが走りながらフランシスとフォスティヌの所へ来た。
(…あんなに仲が良かったのに…私が知らないところで兄様も辛い思いもしていたんだ…でも、これから先は兄様とシャロンさんと二人でおじ様とおば様に向き合って行かないと…私はもう…)
「フォスティヌ?」
「え?」
「黙ったままだったから、気分でも悪いの?」
「…兄様がおじ様と会話をする事が減ってしまったと聞いて…ちょっと驚いて…」
「……僕の事を心配してくれるの?」
「えっ…それは…おじ様とおば様には可愛がってもらってくれたのもあるから…私には家族のようだったから…」
じっと自分の方を見るフランシスにフォスティヌは戸惑っていた
「フォスティヌがまた、屋敷へ来たら良いんだ」
「え!?」
「言っていなかったけど、騎士寮から通うのをやめ屋敷から通う事になったんだ」
「え…でも、寮から学校が近いと言っていたのに?」
「……色々あって、寮から通うより屋敷から通った方がいいと思ったんだ」
「……」
笑顔を見せるフランシスにフォスティヌはじっと見ていた。
(私と別れて寮から通う事が必要なくなったからなんだ…全部シャロンさんの為に……私は、兄様の何処が好きだったの?顔?性格?一緒に遊んでくれたから?優しく声をかけて抱きしめてキスをしてくれたから?……)
フォスティヌは、フランシスと別れても今までの事を思い出しどうしてフランシスを好きになったのかも思い出せずにいた。
(……でも、不思議…涙が出ないなんて、泣きすぎて渇れたのかな…)
フォスティヌは自分の左手を見て指輪を触っていた。
「兄様、おじ様とおば様は気になるけど…私は屋敷へは行けない…」
「!?どうしてなんだ?フォスティヌ…シャロンの事を気にしているのかい?大丈夫だよ父さんがいるとシャロンは屋敷へ来ないと思うから…」
「…私は、ブラッドさんの婚約者だよ」
「!」
「それを知って私に屋敷へ来てと言っているの?」
笑顔を見せないフォスティヌにフランシスは茫然としていた。
「兄様が私を捨てたのに、別れてから私に求めて来るなんておかしいよ」
「…フォスティヌ……」
悔しい思いが込み上げてくるフォスティヌは、グッと手を握りしめ座っていた腰を上げた。
「兄様の傍にいるのは私ではないから、シャロンさんなんだから…私、戻るね」
「……」
フォスティヌがフランシスの傍を離れようとした時、フランシスは立ち上がりフォスティヌを抱きしめた。
「あ、兄様!?」
「会える時でいいんだ…僕を頼って欲しいんだ…」
「…兄様…」
フォスティヌはフランシスの胸の中で花の香水に気がついた。
「……兄様、香水代えたの?」
「え?香水!?」
フォスティヌは、フランシスが傍にいた時にいつも付けている香水を知っていた。
「いや、代えていないよ」
「…でも、兄様から花の香水がするから…」
「花の香水?……ああ、さっきまでシャロンと一緒だったからきっとその匂いだよ」
フランシスはフォスティヌが話してくれているのが嬉しく、つい、シャロンとさっきまで一緒にいた話しをしてしまった。
「…兄様、苦しいから放して…」
「え!?あ、ごめん。久しぶりにフォスティヌを抱きしめたから甘い香りが懐かしいよ」
フランシスはフォスティヌに笑顔を向けていた。
「……ブラッドさんは、爽やかな緑の匂いがするの」
「え!?」
フランシスは、笑顔でブラッドの話をするフォスティヌに驚いて体が固まっていた。
「フォスティヌ!!」
ブラッドが走りながらフランシスとフォスティヌの所へ来た。
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