婚約者の彼から彼女の替わりに嫁いでくれと言われた

クロユキ

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花の香り

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「お一人ですか?」
「…連れがいますので…」
エリアを待っていたフランシスに数人の女性から声をかけられ断っていた。
「…はぁ…声をかけてくれるのは嬉しいけど今は相手をする気分にはなれない…」
一人になるとブラッドとフォスティヌの事を考えてしまうフランシスはため息を吐いていた。
「あの…気分でも悪いのですか?」
俯いていたフランシスに一人の女性が声をかけてきた。
「……いえ、大丈夫です…」
「それなら良かったです。下を向いたままだったので気分でも悪いのかと思って…」
「……」
笑顔を見せる女性は、ベンチから離れる気配がなくフランシスからの声かけを待っているようだった。
(…エリアはまだ来ないようだから話し相手でもいいかな…)
「…隣、座りますか?」
「あ…良いんですか?」
「はい…彼女が来るまででよければ…」
「彼女がいるんですね…いいのですか?私が座っても…」
「どうぞ」
フランシスは座っているベンチの隣に女性を座らせた。
「お一人ですか?」
「さっき、友達と別れたばかりです。」
「そうですか…」
「良い香りですね」
「え?」
「隣に座って気づいたんです…花の香りがしましたので彼女の香水かなって…」
「……花の香り…」
フランシスは、ふと婚約披露宴でフォスティヌが『花の香水』と言った事を思い出していた。
「……すみませんが、彼女が来ますので…」
「え!?……あっ、すみません…わ、私はこれで…」
女性はフランシスから言われ慌てて側を離れた。
「……僕の体から、シャロンの香水の匂いがして…だからフォスティヌは僕に放れてと言ったんだ……違うんだフォスティヌ…シャロンを宥めていただけなんだ…そんな悲しそうな顔をしないでくれ……」
フランシスは、ブッブッと一人言を言っていると足音が聞こえフランシスが座るベンチにエリアが立っていた。
「お待たせしました。両親に言ってきました…フランシスさん?具合いが悪いのですか?」
「……ああ、エリア…お帰り」
笑顔を見せるフランシスにエリアは頬を染め、自分を待ってくれていた事が嬉しかった。
「…エリア……」
フランシスはエリアの手を掴み隣へ座らせ唇を重ねた。
「…ん……ふ…」
「…はぁ…宿へ行こうか…」
「……はい…」
フランシスはエリアを連れていつもの宿へ向かった。






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