18 / 49
第1章 修道院での子供時代
18、修道士ニコラの伝説(2)
しおりを挟む
数日後、私達3人はまたニコラス先生に連れられて図書館の上にある秘密の部屋に行き、同じ部屋で先生と向かい合わせに座って話を聞いた。
「修道士ニコラは30歳から60歳までの30年間をシチリアの修道院で過ごした後、スペインにあるこの修道院に仲間の修道士と一緒にやってきた。もともとあった貴族の古い館を改修して少しずつ修道院らしくしていった」
「それならばこの図書館も・・・」
「前の持ち主の貴族が趣味で作らせたものだろう。最初から修道院付属の図書館にするつもりなら、上にある迷路のようなたくさんの部屋は全く必要ないからね」
ニコラス先生は静かに微笑んだ。
「だが、この場所にたくさんの本を持ち込んだのは間違いなく初代の修道院長となった修道士ニコラだ。彼はシチリアの修道院にいた時に集めた豪華な写本だけでなくアヴィセンナやコーランも含むアラビア語の本やヘブライ語で書かれた書物、シチリアの貴族が書いた料理本や画家のスケッチ、その時持っていたすべての書物を船で運ばせた」
「下の部屋で修道士が写本しているのはその時運んだ本ですか?」
「その時の本もあるし、後の時代に購入したものもある。いずれにせよ価値ある豪華な本はすべて整理されて下の部屋の本棚に並べられ、それ以外の本が上に運ばれた」
「つまり上にある本はあんまり価値がないガラクタというわけだ」
アルバロが大きな声で言った。
「そう、ここにある本はほとんど価値がないと思われ、200年以上の間読む者もほとんどいないままだった。ところが最近、と言っても10年ほど前になるが、ドイツで宗教改革が始まったために教皇庁で禁書目録が作られ、スペインにあるすべての修道院に異端審問所の係員が来て蔵書を調べることになった」
「え、こんな場所にまで異端審問官が来たのですか?」
「そうだ。その噂を聞いたカルロス院長は私を連れて街へ行き、市場でつまらない書物や骨董品を大量に買うように命じた」
「つまらない書物ってどういう本ですか?」
「貴族が毎日の食事を記録していたり、子供の背の高さを記録したようなものだ。それから画家が旅した時にかかった宿代や食費を記録したものとか、無名の画家の下手なスケッチ、それから下手な画家の下手な絵とか派手な置物、なんでもいいから集めて購入するように言われた」
「カルロス院長は何考えている。そんな下手な絵を修道院に飾ったら修道院の品位が下がるだろう?」
またアルバロが大きな声で叫んだ。ニコラス先生はその時の様子を思い出したのか笑いをこらえている。
「もちろんそうした絵を修道院に飾ったわけではない。その時購入した絵や置物、そして大量の書物はすべてここの入り口を入ってすぐの部屋とその次の部屋にごちゃごちゃに置かれた」
「なんのために?」
「そこへ異端審問官がやってきた。彼らは図書館にある豪華な写本を長い時間をかけて丁寧に調べた後、上の部屋にも案内された。彼らはここにある趣味の悪い絵や置物を見てうんざりし、カルロス院長に問いかけた。なぜこのように芸術とはいいがたい絵や置物を大量に集めているのかと。院長は澄ました顔で答えた。これらの作品や書物は今の時代は誰も理解できないから安く売られていた。だが、100年、200年の後、本当の価値が理解され、100倍、200倍の価格で売られるだろうと。カルロス院長は異端審問官に画家の書いた宿代や食費を記した書物を見せ、これもまた数百年後には今の時代の物の値段を示す貴重な資料になるからと説明していたが、彼らはもううんざりしていた。そして異端審問官はそれ以上奥の部屋に入ることもなくそのまま帰っていった」
「つまり、カルロス院長は奥にある本が没収されないよう守るために入り口近くにわざと下手な絵を置いたのですね。素晴らしい」
「そのとおりだ。フェリペ。こうして修道士ニコラが集めた貴重な本は守られた」
ニコラス先生は大きく息を吐き、遠くを見つめた。
「先生、修道士ニコラは自分で何か本を書いてはいないのですか?」
フェリペが質問した。
「それが問題だ。修道士ニコラは修道院長として日々の出来事を書いた日誌や手記は残している。だが彼自身の考えをまとめた本は今のところ見つかっていない。これほど多くの書物を集め、深い思索の日々を送った人だ。きっと何か残しているに違いないが、彼は用心深くそれをどこかに隠したのだろう」
「ではこのたくさんの部屋のどこかに、修道士ニコラの書いた本があるかもしれないのですね」
フェリペが目を輝かせた。
「では、ここの修道院に来てからの修道士ニコラについて語ろう。と言ってもここに60歳で来て90歳で亡くなるまでの間、特別な事件があったわけではない。祈りと瞑想、そして読書と労働の日々であった。修道士ニコラは年を取ってもその情熱が衰えることはなかった。死の直前まで熱心に後進の指導にあたっていた。彼の深く広い知識は評判で、その知恵を求めて遠くから学者が訪ねてくることもあった。その中にはイスラム教徒、ユダヤ教徒の学者もいた」
「キリスト教の修道院にイスラム教やユダヤ教の学者が訪ねてきたのですか」
「当時のスペインにはまだまだたくさんのアラブ人、ユダヤ人が住んでいた。もっともシチリアに比べればその数はぐっと少ないが、それでもシチリアで30年暮らした修道士ニコラは、異教徒の学者の話にも熱心に耳を傾け、彼らと会うのを楽しみにしていた。特にキリストが生まれた降誕祭の前夜にはたくさんのごちそうが用意され、多くの者が訪れた。修道士ニコラは降誕祭の前夜、家畜小屋近くの広場で説教を行い、そこには生きている人間だけでなく、死者も集まったと言われている。修道士ニコラは広場に来たすべての者を1人ずつ抱きしめ、言葉をかけ、1人1人に神の光を渡していた。彼はそこに来る全ての者を愛した。身分や職業には関係なく、異教徒や死者ですら彼は分け隔てなく愛した」
「・・・・・」
私達は何も言えなかった。異教徒や死者ですら愛したということがよくわからない。
「修道士ニコラは90歳という高齢まで生きたが、それでも寿命が尽きる日が来た。その日、彼は朝の祈りを捧げた後、体の変化を感じて自分の部屋のベッドに横になった。その時いた30人ほどの修道士すべてが呼び集められ、1人ずつ別れの言葉を交わした。最後に修道士アントニオが別れを告げた。部屋に入りきれない修道士は廊下に並び、偉大な修道院長のために祈り続けた。修道士ニコラは静かに目を閉じた。だがその時思いがけないことが起きた。静かな祈りの中で突然修道士アントニオが泣き崩れた。彼は師の体に顔を埋め、子供のように号泣した。他の修道士は驚いたが、彼らは目で合図をして部屋を出て行き、静かにドアを閉めた。修道士ニコラは目を開けて、修道士アントニオに対して何かささやいた。そしてまた目を閉じた。部屋の中からは修道士アントニオの泣き声だけが長い間聞こえた」
「・・・・・」
また長い間沈黙が続いた。
「俺、こんなこと聞いたら失礼だとわかっているけど、その時修道士アントニオは何歳ぐらいだったのかな」
「彼は15歳年下だったから、75歳くらいだろう」
「75歳のじーさんが90歳のじーさんが亡くなったからといってそんなに泣くのかな」
「アルバロ、じーさんなんて言い方は失礼だぞ」
フェリペが慌ててアルバロをたしなめたが、ニコラス先生は微笑んでいる。
「確かに修道士ニコラは90歳という高齢で亡くなっている。普通に考えれば大往生だろう。だが2人の心はその時初めて出会った時に戻っていた。25歳の修道士と修道院に預けられた10歳の子供、10歳の子供なら親代わりと思った師が亡くなって号泣するのも無理はないだろう」
「・・・・・」
「それから修道士アントニオは修道士ニコラの後を継いで2代目の修道院長となった。修道院長になって初めて迎える降誕祭の前、彼は祈りを捧げた。修道士ニコラよ、私はあなたのような説教はできません。どうか私を助けてください」
「・・・・・」
「降誕祭の前夜、去年と同じように広場にはたくさんの生きた人間と死者が集まっていた。そこに修道士ニコラが現れ、説教を行った後、同じように1人1人を抱きしめて光を渡していった。最後の死者が光を受け取った時、修道士ニコラは空を指さして静かに消えていった」
「つ、つまり、90歳のじーさんが幽霊になって出て来たというわけか」
「アルバロ、じーさんとか幽霊という言い方は失礼だよ」
「確かに失礼だが幽霊という言い方は間違ってはいない」
ニコラス先生は静かに微笑んでいる。
「その後10年間、2代目の修道院長のアントニオが亡くなるまで、修道士ニコラは毎年降誕祭の前夜には広場に姿を現して説教をし、死者に光を与えて導いたと言われている」
「弟子が心配で幽霊になって出てきて代わりに説教をしたというわけか。随分と面倒見のいいじーさんだな」
「アルバロ、さっきから何度も言っているけど、君のその言い方は本当に失礼だよ」
「まあよい。アルバロの理解で間違ってはいない。いろいろ話過ぎて予定よりだいぶ時間が過ぎてしまった。もう昼食の時間だ。すぐにもどって用意をしなさい」
「はーい」
私達は迷路のような通路を通って入り口のすぐそばにある部屋まで戻った。そこはよく見ると確かに他の部屋よりもさらに本が無造作に積まれていて、下手な絵が飾られ、趣味の悪い置物が置かれていた。
「修道士ニコラは30歳から60歳までの30年間をシチリアの修道院で過ごした後、スペインにあるこの修道院に仲間の修道士と一緒にやってきた。もともとあった貴族の古い館を改修して少しずつ修道院らしくしていった」
「それならばこの図書館も・・・」
「前の持ち主の貴族が趣味で作らせたものだろう。最初から修道院付属の図書館にするつもりなら、上にある迷路のようなたくさんの部屋は全く必要ないからね」
ニコラス先生は静かに微笑んだ。
「だが、この場所にたくさんの本を持ち込んだのは間違いなく初代の修道院長となった修道士ニコラだ。彼はシチリアの修道院にいた時に集めた豪華な写本だけでなくアヴィセンナやコーランも含むアラビア語の本やヘブライ語で書かれた書物、シチリアの貴族が書いた料理本や画家のスケッチ、その時持っていたすべての書物を船で運ばせた」
「下の部屋で修道士が写本しているのはその時運んだ本ですか?」
「その時の本もあるし、後の時代に購入したものもある。いずれにせよ価値ある豪華な本はすべて整理されて下の部屋の本棚に並べられ、それ以外の本が上に運ばれた」
「つまり上にある本はあんまり価値がないガラクタというわけだ」
アルバロが大きな声で言った。
「そう、ここにある本はほとんど価値がないと思われ、200年以上の間読む者もほとんどいないままだった。ところが最近、と言っても10年ほど前になるが、ドイツで宗教改革が始まったために教皇庁で禁書目録が作られ、スペインにあるすべての修道院に異端審問所の係員が来て蔵書を調べることになった」
「え、こんな場所にまで異端審問官が来たのですか?」
「そうだ。その噂を聞いたカルロス院長は私を連れて街へ行き、市場でつまらない書物や骨董品を大量に買うように命じた」
「つまらない書物ってどういう本ですか?」
「貴族が毎日の食事を記録していたり、子供の背の高さを記録したようなものだ。それから画家が旅した時にかかった宿代や食費を記録したものとか、無名の画家の下手なスケッチ、それから下手な画家の下手な絵とか派手な置物、なんでもいいから集めて購入するように言われた」
「カルロス院長は何考えている。そんな下手な絵を修道院に飾ったら修道院の品位が下がるだろう?」
またアルバロが大きな声で叫んだ。ニコラス先生はその時の様子を思い出したのか笑いをこらえている。
「もちろんそうした絵を修道院に飾ったわけではない。その時購入した絵や置物、そして大量の書物はすべてここの入り口を入ってすぐの部屋とその次の部屋にごちゃごちゃに置かれた」
「なんのために?」
「そこへ異端審問官がやってきた。彼らは図書館にある豪華な写本を長い時間をかけて丁寧に調べた後、上の部屋にも案内された。彼らはここにある趣味の悪い絵や置物を見てうんざりし、カルロス院長に問いかけた。なぜこのように芸術とはいいがたい絵や置物を大量に集めているのかと。院長は澄ました顔で答えた。これらの作品や書物は今の時代は誰も理解できないから安く売られていた。だが、100年、200年の後、本当の価値が理解され、100倍、200倍の価格で売られるだろうと。カルロス院長は異端審問官に画家の書いた宿代や食費を記した書物を見せ、これもまた数百年後には今の時代の物の値段を示す貴重な資料になるからと説明していたが、彼らはもううんざりしていた。そして異端審問官はそれ以上奥の部屋に入ることもなくそのまま帰っていった」
「つまり、カルロス院長は奥にある本が没収されないよう守るために入り口近くにわざと下手な絵を置いたのですね。素晴らしい」
「そのとおりだ。フェリペ。こうして修道士ニコラが集めた貴重な本は守られた」
ニコラス先生は大きく息を吐き、遠くを見つめた。
「先生、修道士ニコラは自分で何か本を書いてはいないのですか?」
フェリペが質問した。
「それが問題だ。修道士ニコラは修道院長として日々の出来事を書いた日誌や手記は残している。だが彼自身の考えをまとめた本は今のところ見つかっていない。これほど多くの書物を集め、深い思索の日々を送った人だ。きっと何か残しているに違いないが、彼は用心深くそれをどこかに隠したのだろう」
「ではこのたくさんの部屋のどこかに、修道士ニコラの書いた本があるかもしれないのですね」
フェリペが目を輝かせた。
「では、ここの修道院に来てからの修道士ニコラについて語ろう。と言ってもここに60歳で来て90歳で亡くなるまでの間、特別な事件があったわけではない。祈りと瞑想、そして読書と労働の日々であった。修道士ニコラは年を取ってもその情熱が衰えることはなかった。死の直前まで熱心に後進の指導にあたっていた。彼の深く広い知識は評判で、その知恵を求めて遠くから学者が訪ねてくることもあった。その中にはイスラム教徒、ユダヤ教徒の学者もいた」
「キリスト教の修道院にイスラム教やユダヤ教の学者が訪ねてきたのですか」
「当時のスペインにはまだまだたくさんのアラブ人、ユダヤ人が住んでいた。もっともシチリアに比べればその数はぐっと少ないが、それでもシチリアで30年暮らした修道士ニコラは、異教徒の学者の話にも熱心に耳を傾け、彼らと会うのを楽しみにしていた。特にキリストが生まれた降誕祭の前夜にはたくさんのごちそうが用意され、多くの者が訪れた。修道士ニコラは降誕祭の前夜、家畜小屋近くの広場で説教を行い、そこには生きている人間だけでなく、死者も集まったと言われている。修道士ニコラは広場に来たすべての者を1人ずつ抱きしめ、言葉をかけ、1人1人に神の光を渡していた。彼はそこに来る全ての者を愛した。身分や職業には関係なく、異教徒や死者ですら彼は分け隔てなく愛した」
「・・・・・」
私達は何も言えなかった。異教徒や死者ですら愛したということがよくわからない。
「修道士ニコラは90歳という高齢まで生きたが、それでも寿命が尽きる日が来た。その日、彼は朝の祈りを捧げた後、体の変化を感じて自分の部屋のベッドに横になった。その時いた30人ほどの修道士すべてが呼び集められ、1人ずつ別れの言葉を交わした。最後に修道士アントニオが別れを告げた。部屋に入りきれない修道士は廊下に並び、偉大な修道院長のために祈り続けた。修道士ニコラは静かに目を閉じた。だがその時思いがけないことが起きた。静かな祈りの中で突然修道士アントニオが泣き崩れた。彼は師の体に顔を埋め、子供のように号泣した。他の修道士は驚いたが、彼らは目で合図をして部屋を出て行き、静かにドアを閉めた。修道士ニコラは目を開けて、修道士アントニオに対して何かささやいた。そしてまた目を閉じた。部屋の中からは修道士アントニオの泣き声だけが長い間聞こえた」
「・・・・・」
また長い間沈黙が続いた。
「俺、こんなこと聞いたら失礼だとわかっているけど、その時修道士アントニオは何歳ぐらいだったのかな」
「彼は15歳年下だったから、75歳くらいだろう」
「75歳のじーさんが90歳のじーさんが亡くなったからといってそんなに泣くのかな」
「アルバロ、じーさんなんて言い方は失礼だぞ」
フェリペが慌ててアルバロをたしなめたが、ニコラス先生は微笑んでいる。
「確かに修道士ニコラは90歳という高齢で亡くなっている。普通に考えれば大往生だろう。だが2人の心はその時初めて出会った時に戻っていた。25歳の修道士と修道院に預けられた10歳の子供、10歳の子供なら親代わりと思った師が亡くなって号泣するのも無理はないだろう」
「・・・・・」
「それから修道士アントニオは修道士ニコラの後を継いで2代目の修道院長となった。修道院長になって初めて迎える降誕祭の前、彼は祈りを捧げた。修道士ニコラよ、私はあなたのような説教はできません。どうか私を助けてください」
「・・・・・」
「降誕祭の前夜、去年と同じように広場にはたくさんの生きた人間と死者が集まっていた。そこに修道士ニコラが現れ、説教を行った後、同じように1人1人を抱きしめて光を渡していった。最後の死者が光を受け取った時、修道士ニコラは空を指さして静かに消えていった」
「つ、つまり、90歳のじーさんが幽霊になって出て来たというわけか」
「アルバロ、じーさんとか幽霊という言い方は失礼だよ」
「確かに失礼だが幽霊という言い方は間違ってはいない」
ニコラス先生は静かに微笑んでいる。
「その後10年間、2代目の修道院長のアントニオが亡くなるまで、修道士ニコラは毎年降誕祭の前夜には広場に姿を現して説教をし、死者に光を与えて導いたと言われている」
「弟子が心配で幽霊になって出てきて代わりに説教をしたというわけか。随分と面倒見のいいじーさんだな」
「アルバロ、さっきから何度も言っているけど、君のその言い方は本当に失礼だよ」
「まあよい。アルバロの理解で間違ってはいない。いろいろ話過ぎて予定よりだいぶ時間が過ぎてしまった。もう昼食の時間だ。すぐにもどって用意をしなさい」
「はーい」
私達は迷路のような通路を通って入り口のすぐそばにある部屋まで戻った。そこはよく見ると確かに他の部屋よりもさらに本が無造作に積まれていて、下手な絵が飾られ、趣味の悪い置物が置かれていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる