最強テイマーの姉が行方不明になりました〜最弱テイマーの僕が必ず見つけます〜

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第二章 空中編

第二十六話 スカイ王国国王主催トーナメント 二

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「さあ、次の試合は、コトリー対ウィングウィングだ! 果たして両者は、どんな戦いを見せてくれるのでしょうか!」
「なっ、ウィングウィングはたったの三人しかいないのか」
「コトリーのメンバー、全員小さいな。攻撃が当てにくそうだ」
「ウィングウィングの翼は大きいわね。あまり翼がもがれるのを見るのは嫌だけど、ウィングウィングの方が相手しやすそうね」
「おっほん。では……試合開始!」

 試合開始と同時に、コトリーは小さい身体を加速させた。しかし、ウィングウィングのリーダーが羽ばたくと、コトリーは壁に押しつけられた。

「おぉっと、コトリーチーム、奇襲を失敗してしまったか」
「お前たち、今だ。奴らにトドメを刺してやれ」
「もう終わらせるんですか?」
「こんなちびに構ってる暇ないだろう。さっさと殺っちまえ」

 他の二人がコトリーに近づく。コトリーは、風に完全に押され、身動きがとれない。二人は一人一人と殺していく。そのバイオレンスぶりに会場はとても盛り上がる。

「さあ、あとはお前だけだ。痛くないように殺してやるからな」
「くくっ。押してるつもりか? 俺にはこんなことが出来るんだぜ?」

 コトリーのリーダーは、他のメンバーの遺体を吸収し、どんどん大きくなる。最終的に、ニキスはどの大きさになった。大きくなったことで、自分を押す風を無効化した。

「なんと! コトリーチーム、意外な合体だー!」
「ちっ。お前ら、翼を狙うぞ」
「翼? こんなもの、必要ないね!」

 コトリーは自ら翼をちぎった。大量に出血しながら、笑っている。

「はっはっは! これでもう何も怖くない。一匹づつ殺してやるよ」
「な、お前たち、今度は目を狙え」
「目? それも要らない!」

 コトリーは目をも潰した。目から血の涙を流す。

「こ、こいつは化け物か……?」
「うらぁぁ!」
「ぎゃああ!」

 コトリーによってウィングウィングのメンバー一人は握り潰された。魔の手が、他のメンバーにも伸びる。

「ひぃぃ! リーダー、なんとかしてください!」
「はは! あとは雑魚二人、潰すだけだな」
「とにかく空へ逃げよう。ここにいては危ない」
「逃さんぞぉー」

 コトリーは空へ手を伸ばす。ウィングウィングはリーダーのみを残し全滅した。

「あと一匹ぃ」
「くっ……化け物、これでも食らえ!」

 ウィングウィングは翼から毒のついた羽を飛ばした。全て命中する。

「んー? これはなんだぁ」
「毒つきの羽さ。お前はあと数秒で動けなくなる」
「へっ、俺に毒か……くくっ、ふははは! 効くわけねぇだろ、バーカ!」

 コトリーは手を伸ばし、蚊を潰すかのようにウィングウィングのリーダーを潰した。コトリーが手を開けると、そこには鮮血だけが残っていた。血は手を伝い、たらたらと床に増えていく。

「試合終了! 勝者、コトリー!」

 これまでにないほどのバイオレンスぶりに、観客の盛り上がりは最高潮に達していた。一方、試合を見ていたラルドたちは、次の対戦相手があの化け物であることに恐怖を感じていた。

「ひぃ……ら、ラルド、無理は言わないから、白旗上げといた方が良いぞ……」
「いいや。お前にも戦ってもらうぞ。弱点さえわかってしまえば、こっちのもんさ」
「でもあいつ、弱点になりうる物を全て捨てているじゃないか。きっとあいつを倒す方法なんかないんだよ……」
「ニキスにあいつの弱点を知らないか聞いてくる。弱点の存在しない生物なんていないはずだ」

 ラルドは席を立つと、急いで控え室に向かった。
 控え室では、ニキスがぐっすり眠っていた。ラルドは身体を揺すり、ニキスを起こす。

「んー、ラルド、まだ早くないか?」
「とんでもない奴が現れたんだ。次の対戦相手なんだが、こういうことがあったんだよ」
「なんと……それは確かにとんでもないな」
「何か対処方法はないかなーって思って起こしにきた」
「うーん、まるまるを狙おうって言ったら、その部位を破壊したんだろう? 全身一つ一つ狙おうって言えば良いんじゃないか」
「でも、そこまでバカには見えないんだ。奴は化け物のくせして知能がある」
「それならば、私たち自らバラすのみよ。うまく風の呪文を利用して、少しずつバラしていけば良い」
「そうか……。悪かったな、睡眠邪魔しちゃって」
「しょうがないさ。そんなもの見て正気でいる方がおかしい」

 ラルドは控え室から観戦席へ戻っていった。
 観戦席に戻ると、サフィア捜索隊が戦っていた。

「おうラルド、あいつらが戦ってるぜ。さっきからこっちをチラチラ見てやがる」
「そうか。あいつらとも戦うことになるだろうから、しっかり見ておかないとな」

 サフィア捜索隊の対戦相手はウルトラひよこ。コトリーのように、小さな者たちが集まったチームだ。

「ひぃ、小さい奴らの集団ってだけで嫌な予感がする……」
「まさか、全員が全員あんな化け物なはずがないだろう」
「おぉーっと、カタラ選手、ウルフとワイバーンを巧みに操っている! ウルトラひよこ、なかなか反撃が出来ない!」
(いや、違う。ウルトラひよこが苦しんでいるのは、サトリだ。心を読まれてることに早く気づいて、心の声を閉ざさなければ……)

 ラルドがそう考えていると、ウルトラひよこたちがウルフとワイバーンに反撃した。結構ダメージが入ったようで、ウルフとワイバーンはすっかり怯えきってしまった。

「お前ら、しっかりしろ! こんなところで負ける俺たちじゃないだろう?」

 端で怯える二匹を、カタラは元気づける。その間、ハッチたちがウルトラひよこと戦う。サトリがいる影響は大きく、形勢は再びサフィア捜索隊有利に傾いた。二匹もすっかり自信を取り戻し、仲間たちに加勢した。

「よーし、よーし。それでこそ俺の仲間だ」

 カタラも前線に行き、戦い始めた。徐々に押されていくウルトラひよこ。壁が近づいてきたため、空へ飛び上がった。カタラはワイバーンに乗り、それを追いかける。

「ワイバーン、あいつらにブレスを放つんだ。避けたところに急いで飛んでくれ。俺が斬る」

 ワイバーンはうなずいた。

「カタラ選手、空へ逃げたウルトラひよこを追いワイバーンに乗ったぁ! 果たして、一人と一匹でどこまで出来るのでしょうか!」

 ワイバーンはブレスを放った。それを避けるウルトラひよこ。その隙にワイバーンは相手に奇襲する。

「もらった!」
「ぎゃあ!」

 相手のメンバーのうちの一人が両翼を一気に斬られた。他のメンバーたちは、カタラとワイバーンに斬りかかる。しかし、ワイバーンのブレスにより怯み、また一人やられてしまった。残るは一人だけである。

「ふふふ。俺たちウルトラひよこをここまで追い詰めるとはな」
「何がおかしいんだ」
「いや、新たな戦士の誕生が嬉しくてついな。だが、仲間を殺された恨みも混じっている。複雑だ」
「どっちだって良いからいい加減ケリをつけようぜ」
「良かろう。どっからでもかかってこい」

 戦いは終わりを迎えようとしている。少しづつお互いが近づき、剣を振るうタイミングを伺っている。

「これは……どちらが先手をとるかによって運命が大きく変わりそうです! 勝つのはサフィア捜索隊か、ウルトラひよこか!」
「カタラ、ワイバーンの扱いが上手いな。本無しであそこまで出来ると思うと、僕はこの本に甘えてばっかりだな」
「俺はそれでも良いと思うぞ、ラルド君。君が自由に使って良い本なんだから」
「レイフ様……」

 ついにあと少しのところまで近づいてきた二人。しまっていた剣を引き抜き、お互い構える。次の瞬間、両者はすれ違った。先に倒れたのは、ウルトラひよこだった。両翼を失い、そのまま闘技場の床に落ちた。

「試合終了! 勝者、サフィア捜索隊!」
(どうだラルド。今の俺たちには勝てそうか?)

 カタラはラルドのいる方を向きながらニヤリと笑う。それを見ていたラルドは、頭に?が思い浮かぶ。

「なんだあいつ。急ににっこりしちゃって」
「さあ、第五試合はこの後すぐだ。サフィア捜索会とコトリーは扉の前に来たまえ」
「はぁ……いよいよあの化け物と戦わなくちゃいけないのか」
「死にそうになったらなんとかしてやるから安心しろ」
「本当に大丈夫なんだろうな?」
「ああ。きっと大丈夫さ」

 一行はニキスを起こすと、扉の前に待機し始めた。
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