立体工作

うしお

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26、おさんぽしよう 2

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開いた口から上がる悲鳴は、そのまま空気に溶けて消えていく。
俺にはもう、悲鳴を音にするような力は残っていない。
前後の穴から捩じ込まれる快楽は、津波のようにあとからあとから押し寄せ、俺を激しく無慈悲な絶頂地獄へ突き落とした。
俺にできることは、突き上げた腰を小さく跳ねさせながら、全身を駆けめぐる絶頂の波に身を委ね、無様なイき顔をさらすことだけだ。
もう、絶頂し続けること以外に、なにかをする余裕なんてなかった。
むしろ、絶頂し続けていることだけでもすごい、と褒めてもらいたいくらい俺はイくことに全力だった。
正直、イかされ過ぎて、何回か気絶しそうになっていたと思う。
けれど、そんな楽になるような選択肢は、最初から許されていなかった。
意識が飛びそうになる度、志島さんは俺の乳首にはめたままの吸引器を左右同時に動かしてみたり、舌が引っこ抜けてしまいそうなくらい強く吸い上げてみたりと、穴以外での絶頂を上乗せにすることで、俺の意識を引き留め続けた。
感覚としては、気絶しそうになる度に、横からぶん殴られているような感じだ。
気絶する余裕がなかった。
おかげで、いまの俺は乳首を同時につねられたり、少しきつめに吸われるだけで簡単にチクイキしてしまう。
これが、いまだけのことならいいけれど、もしかしたら。
吸引器が外されても、ぷっくりと膨れたままの勃起乳首を、優しく頭を撫でるようにいじめる指先で責められながら、恐ろしい未来を思い浮かべる。
頭を振り続けている前立腺バイブと、乳首を押し込む指先のリズムが、シンクロしているように感じられるのは、果たしてただの偶然なのだろうか。

「……まだ考え事をする余裕があるのか? 元気なことだな」

ほんの少し、そうほんの少し、考えるだけの余裕ができたのだとすれば、それはやはり慣れなのだろうと思うけれど、とても鬼畜な俺のご主人様が、そんなことを許してくれるわけがなかった。
志島さんは、俺の乳首をくりくりと押し潰しながら、開きっぱなしの俺の口の中に舌を差し込んでくる。
それから、下あごの内側にぴったりとはりつくように隠れていた俺の舌を、ほじくり返して引きずり出した。
巧みに動く舌に持ち上げられ、前歯に挟まれて捕らえられた俺の舌は、そのまま志島さんの口の中に吸い込まれて犯される。
吸い上げられて身動きが取れなくなった俺の舌に、志島さんの舌が絡みついた。
絡みついた舌は、ぐにゅりぬりゅりと押したり揉んだり舐めたりを繰り返し、俺の舌に犯され、キスイキする快感を思い出させる。
それほど遠い昔の記憶ではない。
すぐに、俺の舌はキスイキする快感に飲み込まれて絶頂する。

「さて、次は何をしてあげようか……」

よくできましたと言わんばかりに頭を撫でられた俺の体は、ゆるみかけていた穴を、ご主人様のためにきゅうっと強く締めあげる。
褒めて、褒めて、とばかりにゆれる尻尾が、俺の体の淫乱さを際立たせていた。
体の前後に開いた排泄穴を、淫乱なメス穴へと作り変えた志島さんは、今度は絶頂し続けている俺の腹を優しく撫でる。
そこは、尿道ブジーによって押し返され、ぽこりと膨らんでしまった膀胱だ。
妊婦というにはささやか過ぎるが、明らかに膨れたそこを、志島さんの大きな手は慈しむように撫でている。
くるりくるりと膨らんだ膀胱を撫でられる度、体はぞくぞくと震えて、ただでさえ近い絶頂の頂へと駆け上がっていく。
志島さんに、触れられているというだけで、気持ちよかった。
絶頂とは、こんなにも簡単にできるものではなかったはずなのに。
このまま俺は、イかされ過ぎて死んでしまうのではないかと思ってしまう。
ばちばちと弾ける火花が、俺を飲み込もうとしていた。

「ああ、もうそんな時間か」

志島さんが小さな声で呟くのと、小鳥の鳴き声のような電子音が響くのが重なる。
ぴぴぴ、ぴぴぴ、と繰り返されるそれを、志島さんはベッドから離れて止めにいった。

「沢樫、休憩だ」

戻ってきた志島さんは、そう宣言すると俺の前立腺を壊さんばかりに暴れていたオモチャたちをすべて止めた。
ブリッジのように高く上がっていた腰が、ベッドの上にぼすりと落ちる。

「よくがんばったな」

「……ぁ゛んっ」

優しく褒められながら頭を撫でられ、思わずきゅんとなった尻の穴が、前立腺バイブを締めつけて絶頂した。
びくんと大きく跳ねた腰が、絶頂の余韻で痙攣している。
志島さんに、ただ触られただけだったのに、俺はイってしまったのだ。
オモチャは、ぴくりとも動いてなかったのに、撫でられただけで。
お互いに、びっくりした顔で見つめあってしまう。

「ふふ。休憩中は、犬にならなくていいぞ」

すぐに普段の顔を取り戻した志島さんが、ベッドの横にあったなにかからタオルを取り出す。
ほかほかと湯気をたてるそれは、飲食店で渡されるあたたかいおしぼりのようだった。
ぐちゃぐちゃになった顔を、濡れたタオルで丁寧に拭われる。

「ぞ、ん゛な゛の゛」

少ししゃべろうとしたが、がさがさとした声が出た。
あれだけ叫び続けていれば、喉がやられてしまっても仕方がない。

「ああ、少し待っていろ。いま、楽にしてやるから」

志島さんは、顔を綺麗にしてくれたあと、手足の拘束を解いてくれた。
しかも、ずっと折り曲げられていた手足を、顔と同じようにあたたかいおしぼりのようなタオルで包み、あたためながらゆっくりとマッサージまでしてくれる。

「あまり長く拘束するのは、体によくないからな。タイマーをかけておいたんだ。どうだ? 手足に違和感はあるか?」

途中で俺が意識を失ってしまったときも、こうしてマッサージをしてから拘束しなおしたのだと、志島さんが教えてくれる。
俺は、特に違和感はないと首を横に振って答えた。

「そうか、それはよかった」

手足のマッサージを終えると、志島さんはベッドの横へと手をのばし、今度はよく冷えたスポーツドリンクを取り出した。
ベッドの上ばかりに目がいってしまって気がつかなかったのだが、どうやらそのあたりにいろいろと便利なものが設置されているようだ。
小型の冷蔵庫やタオル用の保温器のようなものが、置いてあるのかもしれない。
志島さんは、ペットボトルのふたを開けると、少し悩んでからそれを口に含んだ。
だから、ああ、志島さんも喉が渇いていたんだな、と思った。

「ん……っ?」

だが、志島さんは、そのまま自分の喉を潤すのではなく、俺の唇に唇を重ねてきた。
少しだけ開いた唇から、ゆっくりとスポーツドリンクが流し込まれてくる。
渇いた体が歓喜に満ちて、ようやく俺は、スポーツドリンクを口移しで飲まされているのだと気がついた。
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