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27、おさんぽしよう 3
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「ん……っ、しじま、さん、おれ……」
ペットボトルを持った志島さんの手に手を添え、自分でペットボトルを持てることをアピールする。
志島さんは、俺のささやかすぎるアピールにもすぐに気がついてくれた。
だが、すでに口の中にスポーツドリンクが含まれていたのか、もう一度唇を塞がれ、少しぬるくなったそれがゆっくりと俺の中に注ぎ込まれてくる。
最後の口移しだからなのか、やけにゆっくり送り込まれてくるそれを、少しずつゆっくりと飲み込んでいく。
なんだか、焦らされているようだった。
あまりのもどかしさに、ペットボトルを持つはずだった俺の手が、志島さんにすがりつこうとする。
着ているシャツを掴もうとのばした指先に、志島さんの指が絡みついてきた。
指と指の間に、俺のものではない指が差し込まれ、深く深く入り込んでくる。
ごつごつと節くれ立った男らしい指だ。
深く絡みついた指が、手の甲をきゅうっと締めつけた。
口移しされているほんの少しの時間が、どこまでも長いもののように感じる。
手を繋いだだけなのに、ぞわりと震えた俺の首筋を、少しひやりとする手がぐっと掴んで引き寄せる。
いつの間にか、飲まされていたスポーツドリンクは終わっていて、口移しは口付けにすり変わっていた。
スポーツドリンクで冷えた俺の舌に、絡みついてくる志島さんの舌は、火傷してしまいそうなほど熱く感じる。
同じものに触れていたはずなのに。
「……持てるな?」
たっぷりと絡んだ舌がほどけると、境目を無くすほど深く重なっていたはずの唇が、当たり前のようにふたつに別れる。
初めからふたつのものだとわかっているのに、どうしてだろう、と思ってしまう。
すぐには、その現実を受け入れることができなかった。
だから、どこか艶かしく濡れた唇が、俺の意識を確かめるかのように問いかけてくるのを見ているのに、なんだかふわふわとしてしまって頷くこともできない。
それでも、少し経てば自分の置かれている状況にも、対応できるようになってくる。
あらためて、志島さんから差し出されたペットボトルを手に取ると、指の先までしっかりと力がつたわるようになっていることに気がついた。
拘束を解かれてすぐは、さすがに少し痺れていたような気がしたのだが、それももう全く感じられないほどに回復している。
俺は、渡されたペットボトルを両手でしっかりと掴んで、よく冷えたそれを渇いた体に流し込む。
喉を通りすぎるスポーツドリンクの冷たさは、どうしてもぬるくなってしまう口移しでは味わえない爽快感だ。
一口ずつでは癒されなかった喉の渇きも、一瞬で癒される。
「そんなに慌てなくても、取ったりしないぞ?」
「す、すいません」
体を抱き起こしてくれている志島さんに、からかうような声で言われて、少しだけ恥ずかしくなる。
すっかり潤った喉は、もうがさがさとはしていなかった。
ほんの少しだけ残っていたスポーツドリンクが、ここにいるぞと言わんばかりに、ペットボトルの中でちゃぽりと鳴いた。
「……ずいぶん飲んだんだな」
「あっ、ご、ごめんなさい。も、もしかして、俺、志島さんの分まで飲んじゃいましたか?」
手にしたペットボトルの残りを見てから、慌てて志島さんの顔を確認すると、とてもびっくりしたような顔をして、それからとてもとても楽しそうな笑顔になる。
俺は、どうして笑われているのかわからなくて、ペットボトルを握りしめたまま首を傾げた。
なにか、おかしなことをしてしまっただろうか?
「いや、沢樫が平気ならいい。それより、そろそろ休憩は終わりにして、続きをしようか。まだ、躾の途中だったよな」
手にしていたペットボトルを奪い取られ、呆けていた俺の唇に志島さんの唇がするりと重なる。
それから、そうするのが当たり前であるかのように、入り込んできた舌がぬるりと絡みついてきた。
絡みついてくる舌が、ぴちゃぴちゃくちゅくちゅといやらしい水音をたてる。
冷えていたはずの舌も、もうすっかり熱を取り戻していて、蕩けてしまいそうな快感にぞくぞくと震えた。
志島さんの手からもペットボトルが消えると、代わりにあごが掬いあげられる。
それほど強い力ではない。
けれど、それはご主人様からのプレイ開始の合図だ。
それならば、と快感に震えながら、俺は自ら舌を差し出した。
「ん、ふぅ……っ」
あごから頭へ、志島さんの手が移動して、優しく撫でてくれる。
よくできました、と褒めてもらえたみたいで嬉しい。
自分から差し出した舌で、志島さんの舌をくすぐってみた。
口の中で起きていることが見えているわけではないので、見よう見まねというのもおかしいが、されたことを思い出して真似ている。
もちろん、ちょっと真似しただけの付け焼き刃な愛撫で、キスが上手い志島さんに勝てるなんて思っていない。
ただただ、教えてもらった気持ちいいことを、志島さんにも味わってもらいたかっただけだった。
絡みあう舌から高められていく快感に、絶頂が近づいているのを感じる。
頭を撫でていた手は、いつの間にか、俺の耳をなぞるように降りてきていた。
ペットボトルを持った志島さんの手に手を添え、自分でペットボトルを持てることをアピールする。
志島さんは、俺のささやかすぎるアピールにもすぐに気がついてくれた。
だが、すでに口の中にスポーツドリンクが含まれていたのか、もう一度唇を塞がれ、少しぬるくなったそれがゆっくりと俺の中に注ぎ込まれてくる。
最後の口移しだからなのか、やけにゆっくり送り込まれてくるそれを、少しずつゆっくりと飲み込んでいく。
なんだか、焦らされているようだった。
あまりのもどかしさに、ペットボトルを持つはずだった俺の手が、志島さんにすがりつこうとする。
着ているシャツを掴もうとのばした指先に、志島さんの指が絡みついてきた。
指と指の間に、俺のものではない指が差し込まれ、深く深く入り込んでくる。
ごつごつと節くれ立った男らしい指だ。
深く絡みついた指が、手の甲をきゅうっと締めつけた。
口移しされているほんの少しの時間が、どこまでも長いもののように感じる。
手を繋いだだけなのに、ぞわりと震えた俺の首筋を、少しひやりとする手がぐっと掴んで引き寄せる。
いつの間にか、飲まされていたスポーツドリンクは終わっていて、口移しは口付けにすり変わっていた。
スポーツドリンクで冷えた俺の舌に、絡みついてくる志島さんの舌は、火傷してしまいそうなほど熱く感じる。
同じものに触れていたはずなのに。
「……持てるな?」
たっぷりと絡んだ舌がほどけると、境目を無くすほど深く重なっていたはずの唇が、当たり前のようにふたつに別れる。
初めからふたつのものだとわかっているのに、どうしてだろう、と思ってしまう。
すぐには、その現実を受け入れることができなかった。
だから、どこか艶かしく濡れた唇が、俺の意識を確かめるかのように問いかけてくるのを見ているのに、なんだかふわふわとしてしまって頷くこともできない。
それでも、少し経てば自分の置かれている状況にも、対応できるようになってくる。
あらためて、志島さんから差し出されたペットボトルを手に取ると、指の先までしっかりと力がつたわるようになっていることに気がついた。
拘束を解かれてすぐは、さすがに少し痺れていたような気がしたのだが、それももう全く感じられないほどに回復している。
俺は、渡されたペットボトルを両手でしっかりと掴んで、よく冷えたそれを渇いた体に流し込む。
喉を通りすぎるスポーツドリンクの冷たさは、どうしてもぬるくなってしまう口移しでは味わえない爽快感だ。
一口ずつでは癒されなかった喉の渇きも、一瞬で癒される。
「そんなに慌てなくても、取ったりしないぞ?」
「す、すいません」
体を抱き起こしてくれている志島さんに、からかうような声で言われて、少しだけ恥ずかしくなる。
すっかり潤った喉は、もうがさがさとはしていなかった。
ほんの少しだけ残っていたスポーツドリンクが、ここにいるぞと言わんばかりに、ペットボトルの中でちゃぽりと鳴いた。
「……ずいぶん飲んだんだな」
「あっ、ご、ごめんなさい。も、もしかして、俺、志島さんの分まで飲んじゃいましたか?」
手にしたペットボトルの残りを見てから、慌てて志島さんの顔を確認すると、とてもびっくりしたような顔をして、それからとてもとても楽しそうな笑顔になる。
俺は、どうして笑われているのかわからなくて、ペットボトルを握りしめたまま首を傾げた。
なにか、おかしなことをしてしまっただろうか?
「いや、沢樫が平気ならいい。それより、そろそろ休憩は終わりにして、続きをしようか。まだ、躾の途中だったよな」
手にしていたペットボトルを奪い取られ、呆けていた俺の唇に志島さんの唇がするりと重なる。
それから、そうするのが当たり前であるかのように、入り込んできた舌がぬるりと絡みついてきた。
絡みついてくる舌が、ぴちゃぴちゃくちゅくちゅといやらしい水音をたてる。
冷えていたはずの舌も、もうすっかり熱を取り戻していて、蕩けてしまいそうな快感にぞくぞくと震えた。
志島さんの手からもペットボトルが消えると、代わりにあごが掬いあげられる。
それほど強い力ではない。
けれど、それはご主人様からのプレイ開始の合図だ。
それならば、と快感に震えながら、俺は自ら舌を差し出した。
「ん、ふぅ……っ」
あごから頭へ、志島さんの手が移動して、優しく撫でてくれる。
よくできました、と褒めてもらえたみたいで嬉しい。
自分から差し出した舌で、志島さんの舌をくすぐってみた。
口の中で起きていることが見えているわけではないので、見よう見まねというのもおかしいが、されたことを思い出して真似ている。
もちろん、ちょっと真似しただけの付け焼き刃な愛撫で、キスが上手い志島さんに勝てるなんて思っていない。
ただただ、教えてもらった気持ちいいことを、志島さんにも味わってもらいたかっただけだった。
絡みあう舌から高められていく快感に、絶頂が近づいているのを感じる。
頭を撫でていた手は、いつの間にか、俺の耳をなぞるように降りてきていた。
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