運命の堕とし方

うしお

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蛇足の蛇足の蛇足編

18(蛇足の蛇足の蛇足5)

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子どもたちが、楽しそうに遊んでいた。
ルイは、ただそれを遠くから見ている。
どんなに楽しそうでも、ルイは仲間に入れないから、ただ遠くから見つめていた。
それは惨めな子ども時代。
忘れたと思っていた記憶だった。
物心ついた時から、あいつは『カラス』だと爪弾きにされていたから、ルイにはみんなと遊んだ記憶がまるでない。
膝を抱えたルイのまわりが、記憶の欠片で満たされていく。
どれも惨めで、もの悲しいが、どれもいまさら、どうしようもないものばかり。
そして、夢の終わりに気が付くのだ。
子どもが、ルイに似てしまったら、と。

ルイは、涙を流したまま、目を覚ます。
目を開いても真っ暗なベッドの上で、ルイは涙も拭わず、孕んだ腹をそっと抱えた。

「……私に、似てはいけない。綺麗なユエラに、似るべきだ」

そして、触れてもわからぬ我が子に囁いた。

「それは、無理だよ」

「ユエラ?」

返事など返ってくるはずもなかったところから、思わぬ返事が返ってくる。

「ごめんね。ルイと一緒に寝たくて入ったんだ」

暗闇の中で動いたものが、ルイの体を抱き締めた。

「その子たちは、ユエラとルイの子だからね。ユエラに似た子も、ルイに似た子も生まれてくるよ」

「それは、駄目だ。駄目なんだ。私に似たら、ひとりになる。きっと、可哀想な生まれになる」

ルイは、ずっと考えていた。
口には出さず、どこにも出さず、自分のうちの中だけで。
どうして、自分はひとりだった?
どうして、自分は惨めだった?
それは、きっとルイが『カラス』に生まれたからだ。
黒くて不吉なカラスだから、親もなくひとりで生きねばならなかった。
それならルイのように『黒くカラス』に生まれてしまったら?
考えるだけで涙が止まらない。
ルイは、自分のように可哀想な子など、望まないのに。

「大丈夫だよ。その子は絶対ひとりにならない。兄弟だっていっぱいできるし、ユエラもルイもいるでしょう? それに、アーだってきっと側にいる。かわいそうな子には、絶対ならない」

頭を優しく撫でられている。
抱き寄せられた胸の奥から、とくとくと優しい鼓動が聞こえてきた。
優しいユエラの心のようだ。

「それに、ルイはもうかわいそうな子じゃないでしょう? ユエラがいるよ。ずっと、ずっと、そばにいる。ユエラはね、ルイが大好きなんだ。だからもう、ひとりになんてしてあげないよ」

「……ユエラ、……んっ、ぁあぁ……っ、なにっ、なにぃ……っ」

感動的な場面のはずなのに、ルイの尻が勝手に疼いて止まらなくなる。
思わず、ユエラに抱き付き返せば、硬くなったルイの雄がユエラの腹を僅かに掠めた。

「ぅあッッ」

忘れていた感覚だった。
男として生まれたルイの雄。
儀式ではきつく戒められ、結局、一度も解放してはもらえなかった。
だからだろうか。
やわらかな先端で感じるなめらかな肌の感触が、気持ちよくてたまらない。
腰をゆるやかに振りながら、ぬりゅぬりゅと擦り付けて切なく喘ぐ。

「ぁっ、ぁう、なんで……っ、こんな……っ」

「ふふっ、せっかちなんだね。早くルイとユエラに会いたいみたい」

ユエラの声に反応したみたいに、ルイの中で何かが動きはじめた。
ぐにゅぐにゅ、ぐにゅぐにゅと動かれる度、尻の中が気持ちよくなっていく。
これが、出産?
想像していたような痛みはなく、ただただ快感だけがそこにある。

「子ども、が、生まれる、のか……? こんなに、早く……?」

「そうだよ。ユエラとルイの子は特別だからね」

「待て、いま、触る、な、あぁンッッ」

せっかく快感を堪えていたのに、ユエラに腹を撫でられたら止まらなくなる。
腰が勝手に動いてしまう。
なめらかなユエラの肌が気持ちよくて、ルイは猛った雄を必死にそこへと擦り付けた。

「は、ぁっ、あぁっ、やっ、あぁっ」

「ルイは、ユエラに触ってほしい?」

「ひぁっ、ぁあッッ、やっ、だめっ、つか、ぁあ゛あ゛ぁ゛ッッ」

ルイの雄が小さな手に捕らえられ、そのままぬちゅぬちゅと扱かれる。
久しぶりの感覚だからというだけでなく、何も見えない暗闇が、与えられる快感を増幅させた。
ここしばらく、自分で慰めることすらしていなかったからか、ルイの限界はすぐそこまできている。

「ユエラっ、それは、だめだっ、でるっ、でるからっ、あっ、い゛ぐっ、ぅ゛う゛っ」

快感にひくついた腹の中で、子どもが大きく蠢いた。
ユエラに向かって腰を突き出し、熱い飛沫を撒き散らす。

「ぁ……っ、ぁ゛……っ、あ゛あ゛ぁ゛……っ、ひぃっ、ぃや、ぁ゛っ、あ゛あ゛ぁっ」 

その瞬間、尻の穴がくぱりと開いた。
痛みもなく、内側からこじ開けられる。
大きく開いた穴の中から、ずるりと何かが出てくる感触。

「ユエラ、でる、でてる、ぁ゛っ、あ゛あ゛ぁ゛っ」

「うん、上手に生めたね」

「ぅまれた……?」

「ほら、ルイ。次の子が待ってるよ」

「ぁっ、なんで、そこ……っ」

ユエラの手が、ルイの雄を扱きはじめる。

「だって、ルイが出さないと、子たちが生まれてこないでしょ?」

「…………は?」

「ミルクがほしくて、出てくるんだよ」

そこからは、出して、出して、出し続けた。
ルイが射精をする度に、尻の穴が大きく開いて子どもたちが生まれてくる。
半信半疑もこれだけ続けば、そういうものだと受け入れるしかなかった。
子どもたちは見えないけれど、ルイのミルクを飲んでるらしい。

「ゆぇら、もう、でない……でないからっ、ゆるして、もぅ、やすませて……っ」

「でも、あとひとりだけ、ここにいる」

ユエラがとんと指差したのは、腹の奥の奥の奥。
あまりにも奥過ぎて、ルイにはいるかもわからない。

「ねえ、ルイ。外に出してあげよう。ひとりぼっちはかわいそうだよ」

そのお願いへの返事はひとつ。
断る理由は、なくなった。
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