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01、適性診断
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「あーあ、入学式とか、ほんとにかったるい。学校行事なんてオワコン、さっさとなくしちゃえばいいのに」
長かった受験シーズンが終わった。
季節は冬から春になって、おれは大学生になる。
一度に全員集められる高校の時と違って、新入生が多い大学の入学式は二部制だ。
午前と午後に分けて、同じ会場で行われるらしいけれど、よく知らない偉い人の話を聞いてるだけなら会場に集まらないで、いっそ配信にでもしてくれたらいいのに、なんて思う。
「新入生の方は、こちらに並んでください。適性ごとに、ご案内する部屋が変わります」
会場の前までくると紫色の腕章をつけた係員が、新入生たちを並ばせていた。
おれも、その列に並んで待機する。
入学式は学部ごとに分かれるものだと思っていたけれど、どうやら『てきせい』っていうのに左右されるらしい。
案内はがきを手にして並び、列が進むのをじっと待つ。
「はい、こちらの案内を持って、大ホールに向かってください。では、次の人」
前に並んでいた人が、小さなパンフレットを手にして右に向かって歩いていくのを横目で見ながら、おれは係員の前に立つ。
書類を見ている係員が身につけている紫色の腕章には、『適性診断』と書かれていた。
「狗井、敦人さんですね」
「はい、そうです。それで、あの、適性診断って、何をすればいいんですか?」
「ああ、そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。特に難しいことではないですから。これから、狗井さんには、この穴から中を覗いてもらいます。合図をしてから、だいたい三十秒ほどの映像が流れてきますので、そちらを最後まで見続けてください。映像を見終わりましたら、一番印象に残ったものをこちらの中から選んでいただきます。選んでもらったら、適性検査は終わりです。あとは、結果を確認して、それぞれのホールに移動してもらう予定になっています」
目の前には、細長いロッカーのようなものがあって、ひとつだけ穴があいている。
とりあえず、その穴を覗いてみたけれど、中は真っ暗で何も見えなかった。
「ん……? なんか、中は、まっくらなんですけど……」
「準備ができたら声をかけてもらえますか? 映像を流しますので」
「あ、そういうことか。もう、準備できてます」
「はい、では映像を流しますね」
ロッカーに手をついたまま、穴の中を見ているとカウントダウンがはじまった。
『5、4、3、2……』
真っ暗な中に白い数字が、パッ、パッと現れては消えていく。
たった五つの数字なのに、やけに長く感じられた。
「よく見ていてくださいね」
『1』
カウントダウンの最後、目の前にパッと現れたのは、数字の1ではなく誰かのちんこだった。
それも、完全に勃起したずるむけのちんこという、何とも生々しい『1』。
「……ぇ……?」
なんで、こんなものを見ないくてはいけないのか、と思うのに、そのちんこから目をそらすことができない。
そのちんこは、ものすごくリアルで、まるで目の前に本物があるみたいに感じられた。
もしかして、これはホログラムってやつなのだろうか。
その後、流れてきた三十秒ほどの映像というのは、ひたすら誰かのちんこを見るだけの時間で、最後に目の前で射精をされて終わった。
もちろん、すべて映像だったから、発射されたと思った精液は、一滴だっておれの顔にはかかっていない。
ただ、あまりにもリアルな映像だったせいか、何となく本当に顔に精液をかけられてしまったような気がしているだけだ。
試しに触れた自分の頬は、どこも濡れていなかった。
長かった受験シーズンが終わった。
季節は冬から春になって、おれは大学生になる。
一度に全員集められる高校の時と違って、新入生が多い大学の入学式は二部制だ。
午前と午後に分けて、同じ会場で行われるらしいけれど、よく知らない偉い人の話を聞いてるだけなら会場に集まらないで、いっそ配信にでもしてくれたらいいのに、なんて思う。
「新入生の方は、こちらに並んでください。適性ごとに、ご案内する部屋が変わります」
会場の前までくると紫色の腕章をつけた係員が、新入生たちを並ばせていた。
おれも、その列に並んで待機する。
入学式は学部ごとに分かれるものだと思っていたけれど、どうやら『てきせい』っていうのに左右されるらしい。
案内はがきを手にして並び、列が進むのをじっと待つ。
「はい、こちらの案内を持って、大ホールに向かってください。では、次の人」
前に並んでいた人が、小さなパンフレットを手にして右に向かって歩いていくのを横目で見ながら、おれは係員の前に立つ。
書類を見ている係員が身につけている紫色の腕章には、『適性診断』と書かれていた。
「狗井、敦人さんですね」
「はい、そうです。それで、あの、適性診断って、何をすればいいんですか?」
「ああ、そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。特に難しいことではないですから。これから、狗井さんには、この穴から中を覗いてもらいます。合図をしてから、だいたい三十秒ほどの映像が流れてきますので、そちらを最後まで見続けてください。映像を見終わりましたら、一番印象に残ったものをこちらの中から選んでいただきます。選んでもらったら、適性検査は終わりです。あとは、結果を確認して、それぞれのホールに移動してもらう予定になっています」
目の前には、細長いロッカーのようなものがあって、ひとつだけ穴があいている。
とりあえず、その穴を覗いてみたけれど、中は真っ暗で何も見えなかった。
「ん……? なんか、中は、まっくらなんですけど……」
「準備ができたら声をかけてもらえますか? 映像を流しますので」
「あ、そういうことか。もう、準備できてます」
「はい、では映像を流しますね」
ロッカーに手をついたまま、穴の中を見ているとカウントダウンがはじまった。
『5、4、3、2……』
真っ暗な中に白い数字が、パッ、パッと現れては消えていく。
たった五つの数字なのに、やけに長く感じられた。
「よく見ていてくださいね」
『1』
カウントダウンの最後、目の前にパッと現れたのは、数字の1ではなく誰かのちんこだった。
それも、完全に勃起したずるむけのちんこという、何とも生々しい『1』。
「……ぇ……?」
なんで、こんなものを見ないくてはいけないのか、と思うのに、そのちんこから目をそらすことができない。
そのちんこは、ものすごくリアルで、まるで目の前に本物があるみたいに感じられた。
もしかして、これはホログラムってやつなのだろうか。
その後、流れてきた三十秒ほどの映像というのは、ひたすら誰かのちんこを見るだけの時間で、最後に目の前で射精をされて終わった。
もちろん、すべて映像だったから、発射されたと思った精液は、一滴だっておれの顔にはかかっていない。
ただ、あまりにもリアルな映像だったせいか、何となく本当に顔に精液をかけられてしまったような気がしているだけだ。
試しに触れた自分の頬は、どこも濡れていなかった。
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