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02、診断結果
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「お疲れ様でした。映像診断はこれで終わりです。では、この中から一番印象に残ったものを選んでください」
おれは、係員が差し出してきたメニュー表のようなものの中から、『1』と書かれたマスを選んだ。
たぶん、数字自体はカウントダウンの時に流れていた映像と同じものだと思う。
だけど、おれにはこの1だけが、違うものに見えてしまった。
全部、真っ黒なパネルに白字で数字が書かれているだけの同じようなマスだったけれど、やっぱりちんこにしか見えなかったあの『1』以上に印象に残るものなんてあるわけがない。
ただ、最後まで見ていたはずなのに、おれには『0』を見た記憶がなかった。
選択肢には、5から0までしっかり用意されているというのに。
それだけが少し不思議だった。
「はい。では、貴方はあちらですね。こちらの案内を持って、そちらで待っていてください。いま、担当の案内人を呼びましたので、彼がきたらついていくだけでいいです」
おれは、係員が差し出したものを手にして、待機スペースと書かれたパーテーションの向こうに入る。
中には、大きなソファーとサイドテーブルがあり、サイドテーブルの上にはちょっとしたお菓子とペットボトルのお茶が用意されていた。
「なんか、よくわからないけど、特別待遇ってやつ? ただの一般入試で受かっただけなのに……?」
とりあえず、ソファーに座ってお菓子を食べながらお茶を飲みはじめた。
なんだか、ものすごくお腹が空いていて、目の前のお菓子を食べずにはいられなかったのだ。
ちゃんとご飯を食べてからきたはずなのに、絶対にこれを食べなきゃいけない気がしていた。
なんだか変な感じがしたけれど、お菓子をつまむ手が止まらない。
結局、お菓子を全部食べても足りないくらいで、ペットボトルのお茶も全部飲んでしまった。
「そういえば、案内人がくるって言ってたけど、まだこないのかな……?」
空になったペットボトルのふたをして、ソファーに深く座りなおした。
満腹でないとはいえ、お腹がそれなりに満たされたからなのか、ちょっと眠くなってきている。
これから入学式なのに、このままだと眠くて倒れてしまいそうだな。
そんなことを思っていると、パーテーションの向こうからノックをする音が聞こえた。
「あ、はい、います」
「失礼いたします。大変お待たせいたしました。特別ホールの準備ができましたので、ご案内させていただきます」
パーテーションの向こうから入ってきたのは、黒いスーツを着た男の人で、やっぱり腕には紫色の腕章をしていた。
『案内人』としか書かれていないが、学校側の人間であることに変わりはないだろう。
「特別、ホール……?」
「はい。適性診断の結果、入学式は特別ホールで受けていただくことになりました。今年度の適性者は、ひとりだけとうかがっております」
「……え、おれだけなの?」
「ええ。これは、誰でもというわけには、まいりませんので、適性のある方だけのご案内になります」
「へ、へー、そうなんだ」
なんだか、おれの存在自体が特別だと言われたみたいで気分がいい。
おれは、案内人に誘われるまま立ち上がり、待機スペースを後にした。
おれは、係員が差し出してきたメニュー表のようなものの中から、『1』と書かれたマスを選んだ。
たぶん、数字自体はカウントダウンの時に流れていた映像と同じものだと思う。
だけど、おれにはこの1だけが、違うものに見えてしまった。
全部、真っ黒なパネルに白字で数字が書かれているだけの同じようなマスだったけれど、やっぱりちんこにしか見えなかったあの『1』以上に印象に残るものなんてあるわけがない。
ただ、最後まで見ていたはずなのに、おれには『0』を見た記憶がなかった。
選択肢には、5から0までしっかり用意されているというのに。
それだけが少し不思議だった。
「はい。では、貴方はあちらですね。こちらの案内を持って、そちらで待っていてください。いま、担当の案内人を呼びましたので、彼がきたらついていくだけでいいです」
おれは、係員が差し出したものを手にして、待機スペースと書かれたパーテーションの向こうに入る。
中には、大きなソファーとサイドテーブルがあり、サイドテーブルの上にはちょっとしたお菓子とペットボトルのお茶が用意されていた。
「なんか、よくわからないけど、特別待遇ってやつ? ただの一般入試で受かっただけなのに……?」
とりあえず、ソファーに座ってお菓子を食べながらお茶を飲みはじめた。
なんだか、ものすごくお腹が空いていて、目の前のお菓子を食べずにはいられなかったのだ。
ちゃんとご飯を食べてからきたはずなのに、絶対にこれを食べなきゃいけない気がしていた。
なんだか変な感じがしたけれど、お菓子をつまむ手が止まらない。
結局、お菓子を全部食べても足りないくらいで、ペットボトルのお茶も全部飲んでしまった。
「そういえば、案内人がくるって言ってたけど、まだこないのかな……?」
空になったペットボトルのふたをして、ソファーに深く座りなおした。
満腹でないとはいえ、お腹がそれなりに満たされたからなのか、ちょっと眠くなってきている。
これから入学式なのに、このままだと眠くて倒れてしまいそうだな。
そんなことを思っていると、パーテーションの向こうからノックをする音が聞こえた。
「あ、はい、います」
「失礼いたします。大変お待たせいたしました。特別ホールの準備ができましたので、ご案内させていただきます」
パーテーションの向こうから入ってきたのは、黒いスーツを着た男の人で、やっぱり腕には紫色の腕章をしていた。
『案内人』としか書かれていないが、学校側の人間であることに変わりはないだろう。
「特別、ホール……?」
「はい。適性診断の結果、入学式は特別ホールで受けていただくことになりました。今年度の適性者は、ひとりだけとうかがっております」
「……え、おれだけなの?」
「ええ。これは、誰でもというわけには、まいりませんので、適性のある方だけのご案内になります」
「へ、へー、そうなんだ」
なんだか、おれの存在自体が特別だと言われたみたいで気分がいい。
おれは、案内人に誘われるまま立ち上がり、待機スペースを後にした。
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