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03、案内人
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前を歩く案内人は、すいすいと進んで廊下の端まで行き、地下へと続く階段を降りはじめた。
おれは、それを少し不思議に思いながらも案内人に続いて階段を降りていく。
周りには誰もいない。
おれは、案内人に置いていかれないよう少しばかり早歩きになりながら、その背中を追って歩いた。
地下は、とても静かだ。
おれたち以外、ここには誰もいいないのではないかと思うほどに。
だが、案内人は止まらない。
迷うようなそぶりもなく、ただひたすらに歩いている。
案内人は、おれを連れたまま、地下に降りてからもかなり歩いた。
やがて、おれたちは廊下の一番端にある『特別ホール』と書かれたプレートがついたドアの前にたどり着く。
どうやらここが、おれたちのゴールらしい。
「あの……本当に、こんなところで、入学式をするんですか?」
思わず不安になりながら、あたりをきょろきょろと見回してみる。
やっぱりここには、おれたち以外、誰もいない。
目の前には、たしかにドアがあるのに、そこからも物音ひとつ聞こえてこなかった。
本当に、おれはこの人についてきてしまってよかったのだろうか。
もしかして――
「はい。そうです。ここでします」
「……え、あ」
にこやかな案内人に、肩をぽんっと叩かれて我にかえる。
何かを考えようとしたはずなのに、何を考えていたのか覚えていない。
おれはいま、何を考えていたんだっけ?
「とても特別な入学式ですので、他の方には秘密なんです。こちらの入学式は、そもそも参加される人数が少ないので、あまり大きな部屋でのご用意ができないのですが、その分、おもてなしには力を入れております。貴方はあの適性診断で選ばれた特別な方ですので、きっと気に入ってくださると思いますよ」
「そ、そうなんですか」
にこやかな案内人に誘われるまま、おれは部屋の中に足を踏み入れた。
部屋の中は何故だか少し薄暗く、人の気配をいくつか感じられるものの姿まではよく見えない。
「入学式は、あのステージの上で執り行います。どうぞ、こちらへ」
差し出された手に、おそるおそる手を重ねると、案内人はおれの手を優しく掴んで、そのままステージに向かって歩き出した。
大きなステージを前にして、心臓がどくどくと鼓動を加速させていく。
いきなりあんなステージの上に行くだなんて、といまさらながらに緊張してきた。
「そんなに緊張しなくていいですよ。ここにいるみなさまは、貴方のように特別な方がきてくれるのをずっと待っていた人たちですからね。とても優しく歓迎してくれると思いますよ」
おれは、それを少し不思議に思いながらも案内人に続いて階段を降りていく。
周りには誰もいない。
おれは、案内人に置いていかれないよう少しばかり早歩きになりながら、その背中を追って歩いた。
地下は、とても静かだ。
おれたち以外、ここには誰もいいないのではないかと思うほどに。
だが、案内人は止まらない。
迷うようなそぶりもなく、ただひたすらに歩いている。
案内人は、おれを連れたまま、地下に降りてからもかなり歩いた。
やがて、おれたちは廊下の一番端にある『特別ホール』と書かれたプレートがついたドアの前にたどり着く。
どうやらここが、おれたちのゴールらしい。
「あの……本当に、こんなところで、入学式をするんですか?」
思わず不安になりながら、あたりをきょろきょろと見回してみる。
やっぱりここには、おれたち以外、誰もいない。
目の前には、たしかにドアがあるのに、そこからも物音ひとつ聞こえてこなかった。
本当に、おれはこの人についてきてしまってよかったのだろうか。
もしかして――
「はい。そうです。ここでします」
「……え、あ」
にこやかな案内人に、肩をぽんっと叩かれて我にかえる。
何かを考えようとしたはずなのに、何を考えていたのか覚えていない。
おれはいま、何を考えていたんだっけ?
「とても特別な入学式ですので、他の方には秘密なんです。こちらの入学式は、そもそも参加される人数が少ないので、あまり大きな部屋でのご用意ができないのですが、その分、おもてなしには力を入れております。貴方はあの適性診断で選ばれた特別な方ですので、きっと気に入ってくださると思いますよ」
「そ、そうなんですか」
にこやかな案内人に誘われるまま、おれは部屋の中に足を踏み入れた。
部屋の中は何故だか少し薄暗く、人の気配をいくつか感じられるものの姿まではよく見えない。
「入学式は、あのステージの上で執り行います。どうぞ、こちらへ」
差し出された手に、おそるおそる手を重ねると、案内人はおれの手を優しく掴んで、そのままステージに向かって歩き出した。
大きなステージを前にして、心臓がどくどくと鼓動を加速させていく。
いきなりあんなステージの上に行くだなんて、といまさらながらに緊張してきた。
「そんなに緊張しなくていいですよ。ここにいるみなさまは、貴方のように特別な方がきてくれるのをずっと待っていた人たちですからね。とても優しく歓迎してくれると思いますよ」
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