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釣り合い
④〜由利視点〜
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正直驚いた。
斗真君がものすごく美形なお友達を連れてきたことに何故か物凄く驚いてしまって、それと同時に心がザワついた気がしたんだ。
斗真君自身整った顔立ちをしているからか、お友達と並ぶと絵になる。
同い年だと聞いていたから尚更、斗真君にはああいう子が似合うんだろうなって気がした。
そう思ったら何故か急に彼に自分が近づくことが許されないことのような気がしたんだ。
そんなこと考えすぎだって分かっているし、彼はそんなこと思っていないことは引き出しに仕舞われている大量の告白の言葉も証明してくれている。
それでも、何故かあの二人が話をしている場面を見ると心がザワついてしまって、どうしようもなくて呉君に注文を取りに行ってもらえるように頼んだ。
いつもはあの鈴の音を聞いたら俺が注文を取りに行くのに、そのルーティーンですら自ら壊してしまった。
「珍しいね」
「なにが?」
「いつもあの子の注文は必ず小野田が取りに行くだろ」
うさぎにそう言われて俺は口ごもってしまう。丁度自分でも考えていたことだったから。
「よく見てるなー」
「ここの常連なら誰でも知ってることだよ」
呆れているような揶揄うような口調でうさぎが言うから俺は苦笑いを浮かべることしか出来なかった。
確かに俺は斗真君にだけはとことん甘い気がするんだ。
捨て犬みたいに家の前でうずくまっていた彼が俺に懐いてくれることが嬉しいからかもしれない。
それとももっと他に理由が有るのだろうか。
分からないけれど、分からない方がいいことだってある気もする。
「あの人めちゃくちゃ落ち込んでますよ」
呉君が戻ってきて開口一番そう言ってきたから、斗真君の方に視線を向けるとバッチリ目が合ってしまって何故か慌てて逸らしてしまった。
お友達と楽しそうに話をしている斗真君は年相応で、俺の知らない世界に生きてるんだって思わされる。
やっぱりこんな三十路のおっさんにかまってないで同い年くらいの子と恋愛した方がいいだろう。
余計なお世話だって本人に言われそうなことを考えながら作った料理をトレーに置いていく。
その間、うさぎは熱の篭った瞳で呉君のことを見つめていて、付き合いたての浮かれてる感じが初々しいなって思った。
大事な幼馴染が幸せならいいかって思うけど、浮かれすぎて落下しないようにして欲しいもんだ。
まあ、俺は恋人すらいないけど……。
「よろしくな」
「自分で持っていかなくていいんすか?」
呉君に尋ねられたけど俺はいいんだよって返して呉君に料理を運んでもらった。
2人が俺の作ったものを食べ始めて、しばらくしてお友達の方が斗真君にフレンチトーストを差し出しているのが目に入ってきた。
彼は差し出されたそれを当然のように口に入れて咀嚼する。
所謂あーんと呼ばれるそれを目の前で見せつけられてしまった俺の心境は少しだけ荒れていた。
「変な顔になってるぞ」
うさぎに指摘されて慌てていつもの営業スマイルに切り替える。
ああ、どうしてこんなにも心がザワつくんだ。
斗真君がものすごく美形なお友達を連れてきたことに何故か物凄く驚いてしまって、それと同時に心がザワついた気がしたんだ。
斗真君自身整った顔立ちをしているからか、お友達と並ぶと絵になる。
同い年だと聞いていたから尚更、斗真君にはああいう子が似合うんだろうなって気がした。
そう思ったら何故か急に彼に自分が近づくことが許されないことのような気がしたんだ。
そんなこと考えすぎだって分かっているし、彼はそんなこと思っていないことは引き出しに仕舞われている大量の告白の言葉も証明してくれている。
それでも、何故かあの二人が話をしている場面を見ると心がザワついてしまって、どうしようもなくて呉君に注文を取りに行ってもらえるように頼んだ。
いつもはあの鈴の音を聞いたら俺が注文を取りに行くのに、そのルーティーンですら自ら壊してしまった。
「珍しいね」
「なにが?」
「いつもあの子の注文は必ず小野田が取りに行くだろ」
うさぎにそう言われて俺は口ごもってしまう。丁度自分でも考えていたことだったから。
「よく見てるなー」
「ここの常連なら誰でも知ってることだよ」
呆れているような揶揄うような口調でうさぎが言うから俺は苦笑いを浮かべることしか出来なかった。
確かに俺は斗真君にだけはとことん甘い気がするんだ。
捨て犬みたいに家の前でうずくまっていた彼が俺に懐いてくれることが嬉しいからかもしれない。
それとももっと他に理由が有るのだろうか。
分からないけれど、分からない方がいいことだってある気もする。
「あの人めちゃくちゃ落ち込んでますよ」
呉君が戻ってきて開口一番そう言ってきたから、斗真君の方に視線を向けるとバッチリ目が合ってしまって何故か慌てて逸らしてしまった。
お友達と楽しそうに話をしている斗真君は年相応で、俺の知らない世界に生きてるんだって思わされる。
やっぱりこんな三十路のおっさんにかまってないで同い年くらいの子と恋愛した方がいいだろう。
余計なお世話だって本人に言われそうなことを考えながら作った料理をトレーに置いていく。
その間、うさぎは熱の篭った瞳で呉君のことを見つめていて、付き合いたての浮かれてる感じが初々しいなって思った。
大事な幼馴染が幸せならいいかって思うけど、浮かれすぎて落下しないようにして欲しいもんだ。
まあ、俺は恋人すらいないけど……。
「よろしくな」
「自分で持っていかなくていいんすか?」
呉君に尋ねられたけど俺はいいんだよって返して呉君に料理を運んでもらった。
2人が俺の作ったものを食べ始めて、しばらくしてお友達の方が斗真君にフレンチトーストを差し出しているのが目に入ってきた。
彼は差し出されたそれを当然のように口に入れて咀嚼する。
所謂あーんと呼ばれるそれを目の前で見せつけられてしまった俺の心境は少しだけ荒れていた。
「変な顔になってるぞ」
うさぎに指摘されて慌てていつもの営業スマイルに切り替える。
ああ、どうしてこんなにも心がザワつくんだ。
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