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釣り合い
③
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メニュー表を開いて縁にオススメを教えてやる。ここで出るメニューは限られているけれど、縁は散々悩んだ末にガッツリは食べないことに決めたいみたいだった。
「僕はフレンチトーストにしようかな」
「おっけー」
テーブルに置かれてる呼び鈴を鳴らすと、音に気がついた小野田さんがこっちを見た。
来てくれるかなって思ったら、バイト君になにか耳打ちをしてまた手元へと視線を戻してしまった。
「ご注文お伺い致します」
「……何言われてたの~?」
注文を取りに来たバイト君に尋ねたら困った顔を向けられて、それで何となく察してしまった。
訳わかんない……。
分かるのは今日の小野田さんは何故か俺の事を避けているってことだけだ。
「……オムライスとマスターのオススメ。それからフレンチトーストをお願い」
「かしこまりました。注文を繰り返しますね」
バイト君が注文を繰り返してくれて、それに合ってるって頷いたらお待ちくださいって言われてバイト君はカウンターの方に戻って行ってしまった。
カウンターでは小野田さんがうさぎさんと何かを話している。
「いつもこんな感じなの?」
「違う……と思う」
縁に聞かれて煮え切らない返事を返した。
小野田さんに視線を向けると目が合った。でもすぐにそらされる。
料理ができたのか小野田さんがトレーに料理を並べ始めた。
でも、やっぱりそれを運んできたのはバイト君だった。
確かにマスター自ら料理を運ぶことなんてあんまりないのかもしれないけれど、小野田さんは俺が注文する時だけは必ず自分で注文を取って料理だって運んできてくれていたのに……。
「お待たせしました」
バイト君が料理をテーブルに並べてくれる。
それにお礼を伝えると、バイト君はお辞儀してから別の席へと注文を取りに向かった。
心配そうに俺のことを見ている縁に大丈夫って言ってからオムライスをスプーンで掬う。
口に入れても味はよく分からなくて、大好きな小野田さんの手作りのはずなのに悲しいとしか思えない。
俺なにかした?
ウザかったのかな……。
もしかしてこうやって俺の事を避けるのは遠回しに告白の返事をされてるってこと?
分からないけどモヤモヤする。
モヤモヤがヘドロみたいに胸の中に溜まっていくんだ。
「縁それ美味しい?」
気分を変えたくて尋ねたら、食べる?って縁がフォークで掬ったフレンチトーストを差し出してきた。
はちみつと甘い牛乳のいい香り。
たまには気分を変えてもいいかなって、そのフレンチトーストにかぶりつくとちゃんと甘味を感じて泣きたくなった。
オムライスもマスターのオススメも俺にとっては特別なメニューだから……。
だから味がしないのかな。
悲しいから、分からなくなるのかな。
せっかく縁を連れてきたのにこれじゃ全然楽しくない。
それからは特に会話らしい会話もなく料理を食べて、もう出ようかってなって会計を済ませて店を出た。
いつも恒例の皿を持っていくのも、ナフキンに書く告白もする気になれなくて小野田さんとは目も合わせないまま外に出る。
「ごめんね~、折角付き合ってくれたのに」
「ううん。それより本当に大丈夫?喧嘩でもしたの??」
「うーん。わかんないや」
そう言って悩ましげに笑った俺に縁は眉を垂れさせて、そっか……って返事を返してくれた。
「僕はフレンチトーストにしようかな」
「おっけー」
テーブルに置かれてる呼び鈴を鳴らすと、音に気がついた小野田さんがこっちを見た。
来てくれるかなって思ったら、バイト君になにか耳打ちをしてまた手元へと視線を戻してしまった。
「ご注文お伺い致します」
「……何言われてたの~?」
注文を取りに来たバイト君に尋ねたら困った顔を向けられて、それで何となく察してしまった。
訳わかんない……。
分かるのは今日の小野田さんは何故か俺の事を避けているってことだけだ。
「……オムライスとマスターのオススメ。それからフレンチトーストをお願い」
「かしこまりました。注文を繰り返しますね」
バイト君が注文を繰り返してくれて、それに合ってるって頷いたらお待ちくださいって言われてバイト君はカウンターの方に戻って行ってしまった。
カウンターでは小野田さんがうさぎさんと何かを話している。
「いつもこんな感じなの?」
「違う……と思う」
縁に聞かれて煮え切らない返事を返した。
小野田さんに視線を向けると目が合った。でもすぐにそらされる。
料理ができたのか小野田さんがトレーに料理を並べ始めた。
でも、やっぱりそれを運んできたのはバイト君だった。
確かにマスター自ら料理を運ぶことなんてあんまりないのかもしれないけれど、小野田さんは俺が注文する時だけは必ず自分で注文を取って料理だって運んできてくれていたのに……。
「お待たせしました」
バイト君が料理をテーブルに並べてくれる。
それにお礼を伝えると、バイト君はお辞儀してから別の席へと注文を取りに向かった。
心配そうに俺のことを見ている縁に大丈夫って言ってからオムライスをスプーンで掬う。
口に入れても味はよく分からなくて、大好きな小野田さんの手作りのはずなのに悲しいとしか思えない。
俺なにかした?
ウザかったのかな……。
もしかしてこうやって俺の事を避けるのは遠回しに告白の返事をされてるってこと?
分からないけどモヤモヤする。
モヤモヤがヘドロみたいに胸の中に溜まっていくんだ。
「縁それ美味しい?」
気分を変えたくて尋ねたら、食べる?って縁がフォークで掬ったフレンチトーストを差し出してきた。
はちみつと甘い牛乳のいい香り。
たまには気分を変えてもいいかなって、そのフレンチトーストにかぶりつくとちゃんと甘味を感じて泣きたくなった。
オムライスもマスターのオススメも俺にとっては特別なメニューだから……。
だから味がしないのかな。
悲しいから、分からなくなるのかな。
せっかく縁を連れてきたのにこれじゃ全然楽しくない。
それからは特に会話らしい会話もなく料理を食べて、もう出ようかってなって会計を済ませて店を出た。
いつも恒例の皿を持っていくのも、ナフキンに書く告白もする気になれなくて小野田さんとは目も合わせないまま外に出る。
「ごめんね~、折角付き合ってくれたのに」
「ううん。それより本当に大丈夫?喧嘩でもしたの??」
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