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家族になろう
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フェリクス様が戻ってくるまでテオに本を読み聞かせながら部屋で待っていると、テオが僕の顔を覗き込みながら顔のことについて聞いてきた。
「その仮面なんでつけてるんだ」
「怪我をしちゃったから隠しているんだよ」
「……痛いのか?」
心配そうに眉を垂れさせるテオの頭を撫でながら、痛くないよって答えた。
とうの昔には痛みは感じ無くなっている。
ただ、引き吊れて違和感があるだけだ。
「……治らないの?」
「そうだよ」
「……あの人にも治せない?」
あの人というのはフェリクス様のことだろうなってすがにわかった。
テオの質問に次は僕が眉を垂れさせて、治せるけれど治さないんだよって答えた。
「なんで治さないんだ?綺麗な方がいいだろう」
「……そうだね。でもね、元々この傷は治らないはずのものだから。それに、誰だって傷を抱えていてその全てを治すことは出来ないんだよ」
「……よくわかんない」
難しすぎたのかつまらなさそうに本へと視線を戻したテオを見つめながら、ふふって小さく笑みを零した。
テオも今心に傷を負っていて、その傷は時が経てば塞がるんだと思う。それでも、悲しかったことも辛かったこともお母さんとの思い出も消すことは出来なくて、かさぶたのまま古傷に変わるだけだ。
僕の傷も同じ。
治してもらえば世間の目は変わるのかもしれない。
けれど、今まで受けて来た傷も、思い出も無くならない。
それに……怖いんだ。
もしもこの傷を治して、また昔の自分に戻ってしまったらって……。
それを考えると治すなんて選択肢を選ぶことなんて出来ない。
「なあ、これはなんて読むんだ?」
「……ぁ、これはね」
考えにふけっているとテオに話しかけられて意識を引き戻した。
しばらくそうしてテオに文字を教えてあげていると、扉が手で打ち付けられる音が聞こえて来て中にフェリクス様が入ってきた。
「ここに居たんだね」
「おかえりなさい。今テオに文字を教えてあげていたんです」
「そうなんだね。テオは勉強熱心で偉いな」
フェリクス様が僕達に近づいてきて、そっとテオの頭を撫でてあげる。
それにテオが一瞬身体を強ばらせたけれど、嫌がる素振りは見せなくて、その事にフェリクス様が微かに驚いているのが分かった。
「……なあ」
「なんだい?」
テオの瞳がフェリクス様へと流れていく。
それをフェリクス様が優しい色を宿した瞳で受け止める。
「……怪我させてごめん……俺……」
「……ねえ、テオ」
「……ん」
「私は怒ってなんていないよ。それに、お母様のことを助けられなかったことを申し訳なかったと思っているんだ。だからという訳ではないけれど、私は君をこれからお母さんの代わりに守っていきたいと思っているんだよ。お母さんの様には出来なくとも、君と家族になりたいと思っている。テオはどうかな?」
フェリクス様は優しい声音で話しかける。
それに対してテオは1度だけギュッと唇を噛み締めてからポロリと涙を零した。
「俺のこと嫌ってないのか?」
「嫌うわけが無いよ」
「……っ、ぅ……ごめ、なさいっ。俺っ、おれ……あんたと家族になるっ……」
フェリクス様の胸に飛び込んで大きな声で涙を流すテオのことを、フェリクス様が抱きしめて背を撫でてあげる。
それを見ながら、なんだか僕まで涙が出てきそうになった。
「その仮面なんでつけてるんだ」
「怪我をしちゃったから隠しているんだよ」
「……痛いのか?」
心配そうに眉を垂れさせるテオの頭を撫でながら、痛くないよって答えた。
とうの昔には痛みは感じ無くなっている。
ただ、引き吊れて違和感があるだけだ。
「……治らないの?」
「そうだよ」
「……あの人にも治せない?」
あの人というのはフェリクス様のことだろうなってすがにわかった。
テオの質問に次は僕が眉を垂れさせて、治せるけれど治さないんだよって答えた。
「なんで治さないんだ?綺麗な方がいいだろう」
「……そうだね。でもね、元々この傷は治らないはずのものだから。それに、誰だって傷を抱えていてその全てを治すことは出来ないんだよ」
「……よくわかんない」
難しすぎたのかつまらなさそうに本へと視線を戻したテオを見つめながら、ふふって小さく笑みを零した。
テオも今心に傷を負っていて、その傷は時が経てば塞がるんだと思う。それでも、悲しかったことも辛かったこともお母さんとの思い出も消すことは出来なくて、かさぶたのまま古傷に変わるだけだ。
僕の傷も同じ。
治してもらえば世間の目は変わるのかもしれない。
けれど、今まで受けて来た傷も、思い出も無くならない。
それに……怖いんだ。
もしもこの傷を治して、また昔の自分に戻ってしまったらって……。
それを考えると治すなんて選択肢を選ぶことなんて出来ない。
「なあ、これはなんて読むんだ?」
「……ぁ、これはね」
考えにふけっているとテオに話しかけられて意識を引き戻した。
しばらくそうしてテオに文字を教えてあげていると、扉が手で打ち付けられる音が聞こえて来て中にフェリクス様が入ってきた。
「ここに居たんだね」
「おかえりなさい。今テオに文字を教えてあげていたんです」
「そうなんだね。テオは勉強熱心で偉いな」
フェリクス様が僕達に近づいてきて、そっとテオの頭を撫でてあげる。
それにテオが一瞬身体を強ばらせたけれど、嫌がる素振りは見せなくて、その事にフェリクス様が微かに驚いているのが分かった。
「……なあ」
「なんだい?」
テオの瞳がフェリクス様へと流れていく。
それをフェリクス様が優しい色を宿した瞳で受け止める。
「……怪我させてごめん……俺……」
「……ねえ、テオ」
「……ん」
「私は怒ってなんていないよ。それに、お母様のことを助けられなかったことを申し訳なかったと思っているんだ。だからという訳ではないけれど、私は君をこれからお母さんの代わりに守っていきたいと思っているんだよ。お母さんの様には出来なくとも、君と家族になりたいと思っている。テオはどうかな?」
フェリクス様は優しい声音で話しかける。
それに対してテオは1度だけギュッと唇を噛み締めてからポロリと涙を零した。
「俺のこと嫌ってないのか?」
「嫌うわけが無いよ」
「……っ、ぅ……ごめ、なさいっ。俺っ、おれ……あんたと家族になるっ……」
フェリクス様の胸に飛び込んで大きな声で涙を流すテオのことを、フェリクス様が抱きしめて背を撫でてあげる。
それを見ながら、なんだか僕まで涙が出てきそうになった。
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