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愛の裏返し
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震える指先から全身の体温が抜け落ちてしまいそうな錯覚を覚える程に僕は緊張していた。
「お前は俺の番なのだから床に這い蹲る必要などない」
「っ、でも……」
「俺は気が短いんだ。ああいう場合は自分から俺の方に来て口付けの1つでもしてみせろ」
彼がからかうみたいに口元に笑みを浮かべながらそう言ってきた。
僕はその言葉を飲み込むように1度深呼吸すると、分かりましたって答える。
そうして、目の前にある彼の唇に自身の唇を押し付けた。
その瞬間ライル様の動きが止まる。
「……なにをしている?」
唇を離すとライル様が僕にそう問いかけて来たから、僕は真剣な顔をして、口付けです、と答えた。
そんな僕の顔をライル様の切れ長の瞳が映し出して、スっと細められる。
その細められた瞳を見て、僕はまた間違えてしまったかもしれないと身構えた。
「それはわざとなのか?」
「わざと?……僕はただライル様に怒りを静めて欲しいだけなのです。……その……こうしたらいいとライル様が教えてくださったのでしてみたのですが……」
駄目でしたか?という言葉は口からは出てこなかった。
なぜなら、ライル様が僕を腕から降ろして近くの壁に押し付けながら口付けをしてきたから。
「んっ……ライル、様……」
「お前のそれは天然か?あまり煽ると身がもたないぞ」
「……へ、?……ぁ……」
「はっ、アズハルの唇は甘いな」
唇を甘噛みされて、微かに開いた隙間から容赦なく彼の舌が侵入してくる。絡めとるように僕の舌に吸い付く彼に縋りながら自分からも舌を絡めた。
「……ライル様っ……」
酸欠か、それとも彼の強い香りに酔っているのか、頭がクラクラとしてくる。
「その顔を他人に見せるなよ」
「……んぁ……ライル様……」
その顔と言われても自分がどんな顔をしているのかなんて分からない。きっとだらしなくて間抜けな顔をしているんだろう。
「無理をさせたくない。故に今日は見逃してやるが、次同じことがあればお前が泣いて懇願しても止めてやれないと思え」
そんな僕の耳元でライル様が甘く囁いた。
その言葉の意味を僕はあまり上手く理解出来ない。
けれど、今日は許してもらえるというのなら良かったと安堵する。
「アズハルお前は俺のものだ」
「……っ、はい……」
唇が離れたと思ったら、彼が僕の首元に歯を立てて甘噛みをしてきた。
プツリと犬歯が肌を破る感覚がして微かに眉を寄せる。
ライル様の顔を見れば、彼の頭には狼の耳が生えていた。
「お前は俺の番なのだから床に這い蹲る必要などない」
「っ、でも……」
「俺は気が短いんだ。ああいう場合は自分から俺の方に来て口付けの1つでもしてみせろ」
彼がからかうみたいに口元に笑みを浮かべながらそう言ってきた。
僕はその言葉を飲み込むように1度深呼吸すると、分かりましたって答える。
そうして、目の前にある彼の唇に自身の唇を押し付けた。
その瞬間ライル様の動きが止まる。
「……なにをしている?」
唇を離すとライル様が僕にそう問いかけて来たから、僕は真剣な顔をして、口付けです、と答えた。
そんな僕の顔をライル様の切れ長の瞳が映し出して、スっと細められる。
その細められた瞳を見て、僕はまた間違えてしまったかもしれないと身構えた。
「それはわざとなのか?」
「わざと?……僕はただライル様に怒りを静めて欲しいだけなのです。……その……こうしたらいいとライル様が教えてくださったのでしてみたのですが……」
駄目でしたか?という言葉は口からは出てこなかった。
なぜなら、ライル様が僕を腕から降ろして近くの壁に押し付けながら口付けをしてきたから。
「んっ……ライル、様……」
「お前のそれは天然か?あまり煽ると身がもたないぞ」
「……へ、?……ぁ……」
「はっ、アズハルの唇は甘いな」
唇を甘噛みされて、微かに開いた隙間から容赦なく彼の舌が侵入してくる。絡めとるように僕の舌に吸い付く彼に縋りながら自分からも舌を絡めた。
「……ライル様っ……」
酸欠か、それとも彼の強い香りに酔っているのか、頭がクラクラとしてくる。
「その顔を他人に見せるなよ」
「……んぁ……ライル様……」
その顔と言われても自分がどんな顔をしているのかなんて分からない。きっとだらしなくて間抜けな顔をしているんだろう。
「無理をさせたくない。故に今日は見逃してやるが、次同じことがあればお前が泣いて懇願しても止めてやれないと思え」
そんな僕の耳元でライル様が甘く囁いた。
その言葉の意味を僕はあまり上手く理解出来ない。
けれど、今日は許してもらえるというのなら良かったと安堵する。
「アズハルお前は俺のものだ」
「……っ、はい……」
唇が離れたと思ったら、彼が僕の首元に歯を立てて甘噛みをしてきた。
プツリと犬歯が肌を破る感覚がして微かに眉を寄せる。
ライル様の顔を見れば、彼の頭には狼の耳が生えていた。
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