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悩みと提案

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身体を揺さぶられながらライル様の首元に顔を埋めて、何度も好きってつぶやく。

そうしたらライル様が僕を抱き抱えたままベッドへと移動して、そのまま押し倒されてしまった。

「お前は俺を煽るのが上手いな」

「ひ、やっ、同時はやだっ……」

突かれながら、前を扱かれて、ぐずぐずになりながら涙を流して、彼と繋がっていることに愛おしさを感じる。

何度も何度もそれを繰り返して、ライル様が、意地悪でそれでいて甘い言葉を囁いてくれるのを全身で受け止めた。

「アズハル、俺のことを愛せ」

首筋、鎖骨、胸にお腹、色んなところに赤い花を咲かせながらライル様が切望するようにそう呟く。

その言葉を受け止めた僕の鼓動が更に激しく脈打って、それを共有するかのようにお腹の奥が締め付けられる。

「っ、締めすぎだ」

「わ、わかんな、い」

律動が早まって、ライル様が僕の最奥へと腰を押し付けると、ドクリと中に欲が吐き出された。

「ふぁ~……お腹あったかい……」

何も考えずに、口元を緩めながら言えばライル様のものがまた硬さを取り戻して、僕の中で律動を再開し始めた。

「ひゃ、な、なんでっ、あ、あ」

「今夜は寝れないと思え」

縦長の瞳孔が僕を射抜く。

狼の特徴が現れたライル様を見ていると、それが彼が僕を求めてくれている証のように思えて嬉しくなるんだ。

もっと僕を欲してほしいと願ってしまう。そうして、僕自身もライル様のことをもっと求めてしまう。

「っ、ライル様は僕のこと、好き、ですか?」

だから、普段は言えないことを今なら言葉に出来る。

彼が僕に執着する理由も、僕を抱くことも、番にしたことも、色んなことに疑問が浮かぶけれど、やっぱり1番知りたいのはライル様の僕への気持ちなんだ。

僕の質問にライル様が驚いたように目を見開いて狼耳を立てる。

「アズハル」

その表情がみるみるうちに愛おしいものを見るような顔に変わって、その表情の変化を目に焼き付けていると、ライル様が僕のことを強く抱きしめてくれた。

「自分でも驚く程に、お前のことを愛している。だから、もう手放してやれないんだ」

温かい体温と、再び重なる唇に翻弄されながら、彼の言葉を何度も頭の中で繰り返す。

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