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命賭け
6〜端皇子視点〜
~端皇子視点~
華嬪の使用人に紛れさせていた間者に、華嬪が美答応に呼ばれて会いに行ったと報告を受けて、陛下への最後の恩返しのつもりで、すぐに百黄殿へと向かった。
途中、華嬪の使用人の月鈴とすれ違ったが敢えて話しかけることはしなかった。
衛兵の姿に成りすまし誰もいない百黄殿へと潜り込むと、一部屋ずつ確認しながら奥へと向かう。
1番奥の部屋に辿り着くと、微かに開いている扉の隙間から誰かが倒れているのが確認できて急いで中へと入った。
扉の近くに華嬪が倒れており、その奥に微かに身動きしている美答応の姿も確認できた。
華嬪の呼吸を確認すると、微かに息はあるもののこのままでは危ないことが分かる。
「……ふっ、貴方が来るとは……」
その時、虫の息ながらも美答応が話しかけてきた。
「待ち人は来ぬ」
「……何故……なぜ最後まで私の邪魔をするの……っごほっ……はぁ……陛下…………」
「来たとてそなたをあの方が助けるとでも?」
「……ふっ、陛下に殺されるのなら、本望よ」
そう言って弱々しく微笑む美答応を見つめる。そう言いながらも美答応の胸元に解毒薬が隠されていることには気がついていた。
何処までもしぶとい女だ。
「端皇子!」
その時、部屋の中に静が入ってきて驚いて彼の方を見た。
「なぜ……」
「最後のご挨拶をと思い貴方の元へ向かう途中ここに向かっている衛兵の姿をした貴方を見つけ追いかけてきました」
「……静、最後の挨拶など不要だよ。それよりも華嬪を頼んだ。これを華嬪に飲ませるといい。私は彼女とまだ話があるから」
動けない美答応の胸元から解毒薬を抜き取ると静へと渡してやる。
それを受け取った静が悲しそうな顔で私のことを見つめてきた。
「……皇子」
「行け」
愛おしい静が追いかけてくれたことは嬉しい。だが、今は一刻を争う。悠長に別れの挨拶をしている暇は無いのだ。
私の気持ちを汲んでくれた静は華嬪を抱き抱えると駆け足でその場を去っていった。
その足音を聞きながら、心の中で別れを告げる。
「さて、私達を邪魔する者は居なくなった」
「……っ、ひゅっ……」
「さあ、まだ飲めるだろう?」
長く苦しむ毒なのだろう。卓に置かれていた茶の入った椀を手に取ると、血を吐き出しながらもまだ息のある彼女の前に屈む。
「……っ、はは……貴方が私を殺せる?っ……親を殺せなかった貴方がっ……」
嘲るように笑みを漏らす彼女の口内へと容赦なく茶を流し込んだ。
流し込まれる茶のせいで噎せる美答応を冷たく見据えてやる。
彼女が生き残ればまた同じことが起きるやもしれぬ。だから、彼女はここで始末せねば。
これは私の役目だ。
兄上が私の代わりに父上と母上を葬った様に、私も形上彼の側室である彼女を代わりに葬る。
大量の毒を流し込まれた美答応はいっそう激しく血を吐くと、ゆっくりと目を閉じていく。
「……怨むわ」
最後に聞こえた彼女の微かな呟きに私は何も返すことはしなかった。
華嬪の使用人に紛れさせていた間者に、華嬪が美答応に呼ばれて会いに行ったと報告を受けて、陛下への最後の恩返しのつもりで、すぐに百黄殿へと向かった。
途中、華嬪の使用人の月鈴とすれ違ったが敢えて話しかけることはしなかった。
衛兵の姿に成りすまし誰もいない百黄殿へと潜り込むと、一部屋ずつ確認しながら奥へと向かう。
1番奥の部屋に辿り着くと、微かに開いている扉の隙間から誰かが倒れているのが確認できて急いで中へと入った。
扉の近くに華嬪が倒れており、その奥に微かに身動きしている美答応の姿も確認できた。
華嬪の呼吸を確認すると、微かに息はあるもののこのままでは危ないことが分かる。
「……ふっ、貴方が来るとは……」
その時、虫の息ながらも美答応が話しかけてきた。
「待ち人は来ぬ」
「……何故……なぜ最後まで私の邪魔をするの……っごほっ……はぁ……陛下…………」
「来たとてそなたをあの方が助けるとでも?」
「……ふっ、陛下に殺されるのなら、本望よ」
そう言って弱々しく微笑む美答応を見つめる。そう言いながらも美答応の胸元に解毒薬が隠されていることには気がついていた。
何処までもしぶとい女だ。
「端皇子!」
その時、部屋の中に静が入ってきて驚いて彼の方を見た。
「なぜ……」
「最後のご挨拶をと思い貴方の元へ向かう途中ここに向かっている衛兵の姿をした貴方を見つけ追いかけてきました」
「……静、最後の挨拶など不要だよ。それよりも華嬪を頼んだ。これを華嬪に飲ませるといい。私は彼女とまだ話があるから」
動けない美答応の胸元から解毒薬を抜き取ると静へと渡してやる。
それを受け取った静が悲しそうな顔で私のことを見つめてきた。
「……皇子」
「行け」
愛おしい静が追いかけてくれたことは嬉しい。だが、今は一刻を争う。悠長に別れの挨拶をしている暇は無いのだ。
私の気持ちを汲んでくれた静は華嬪を抱き抱えると駆け足でその場を去っていった。
その足音を聞きながら、心の中で別れを告げる。
「さて、私達を邪魔する者は居なくなった」
「……っ、ひゅっ……」
「さあ、まだ飲めるだろう?」
長く苦しむ毒なのだろう。卓に置かれていた茶の入った椀を手に取ると、血を吐き出しながらもまだ息のある彼女の前に屈む。
「……っ、はは……貴方が私を殺せる?っ……親を殺せなかった貴方がっ……」
嘲るように笑みを漏らす彼女の口内へと容赦なく茶を流し込んだ。
流し込まれる茶のせいで噎せる美答応を冷たく見据えてやる。
彼女が生き残ればまた同じことが起きるやもしれぬ。だから、彼女はここで始末せねば。
これは私の役目だ。
兄上が私の代わりに父上と母上を葬った様に、私も形上彼の側室である彼女を代わりに葬る。
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「……怨むわ」
最後に聞こえた彼女の微かな呟きに私は何も返すことはしなかった。
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