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異世界食材で親子丼!③
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アリゾール龍。
この店の看板料理だそうだ。サイコロ状のステーキらしい。そもそも、俺のいた現代日本にはそもそも龍という生物は存在していなかった。あったとしても、ファンタジー小説の本の中程度。
そんなファンタジー小説よろしい「龍」がこんなに身近なもので、しかも食べられるなどとは露程も思っていなかった。
「……南無三っ!」
この世界で飯を食うのはこれが初めてだ。俺は、串に刺していたアリゾール龍の尻尾に齧りついた。
ふむ……外はガリガリ、中はぐちゅぐちゅ。歯に絡みついてくる悪質な脂分、喉を通るぐちゃぐちゃの肉。胃に落ちた後に残る肉特有の臭み……。
「くっそ不味いなこれ」
何だろうこれは。何なんだこの歯応え。何なんだろう……いや、何なんだろう。
本当にそんな謎めいた感想しか出てこなかった。
ふと周りを見てみると、旨そうに串で肉を刺して看板メニューのアリゾール龍の尻尾にかぶりつく人々がほとんどだ。
本当に、皆美味そうだ。もしかしたら、俺が口に含んだものが特別に不味い部位だったのかもしれない。そんなことはなくはないが、完全にない訳ではないのだ。
意を決してもう一度サイコロステーキに串を差し込み、口に含む。
――あ、やっぱ不味いじゃん。
ダメだ、不味い。
劇物的な不味さではなく、何となく、それとなく、だが確実に不味いという所が実に質が悪い。
やはり周りを見てみれば、酒の肴にと、美味そうにこの肉を頬張る人々の数々。
なるほど……もしかしてこれがこの世界の平常の味なのか。
だとすれば、ルーナがチルドラーメンであそこまで大喜びしていたのにも合点がいく。
ただ単に腹を空かしていて美味かったのではなく、この世界の食事情があまり高くないということか。
ふと厨房を見てみると……。
肉を小分けにし、火属性の魔法で炙り、皿に乗せる。
あぁ、味付けなしか。いや、それでもいいのだ。味付けをしなくても美味しいものは美味しいからな。
ただ……全体的に物足りないのだ。
「あ、タツヤ様、ここにいらっしゃいましたか!」
ふと、店の外から中に入ってきたのはルーナだった。
「って、なるほど。タツヤ様も御目が高いですねぇ。ここに来て早速アリゾール龍の尻尾を召し上がるとは。おひとつ頂いてもよろしいでしょうか?」
「……あ、あぁ……」
すると、串を使ってさいころステーキ二つを突き刺したルーナは一気にそれを口に運んだ。
美味そうにもきゅもきゅと咀嚼する彼女を見ていると、俺の味覚がおかしいのかと思ってしまうほどだ。
「ところでそのアリゾール龍の尻尾ってのは、この世界では……その、どんな位置づけなんだ?」
「そうですねーファストフード的な扱いでしょうか」
「要するにこの世界のマ○クってとこか」
「何です? それ」
「俺の世界でのファストフードだ」
「へぇ」……と言いながら、ルーナは残りのさいころステーキを一気に平らげた。
この店の看板料理だそうだ。サイコロ状のステーキらしい。そもそも、俺のいた現代日本にはそもそも龍という生物は存在していなかった。あったとしても、ファンタジー小説の本の中程度。
そんなファンタジー小説よろしい「龍」がこんなに身近なもので、しかも食べられるなどとは露程も思っていなかった。
「……南無三っ!」
この世界で飯を食うのはこれが初めてだ。俺は、串に刺していたアリゾール龍の尻尾に齧りついた。
ふむ……外はガリガリ、中はぐちゅぐちゅ。歯に絡みついてくる悪質な脂分、喉を通るぐちゃぐちゃの肉。胃に落ちた後に残る肉特有の臭み……。
「くっそ不味いなこれ」
何だろうこれは。何なんだこの歯応え。何なんだろう……いや、何なんだろう。
本当にそんな謎めいた感想しか出てこなかった。
ふと周りを見てみると、旨そうに串で肉を刺して看板メニューのアリゾール龍の尻尾にかぶりつく人々がほとんどだ。
本当に、皆美味そうだ。もしかしたら、俺が口に含んだものが特別に不味い部位だったのかもしれない。そんなことはなくはないが、完全にない訳ではないのだ。
意を決してもう一度サイコロステーキに串を差し込み、口に含む。
――あ、やっぱ不味いじゃん。
ダメだ、不味い。
劇物的な不味さではなく、何となく、それとなく、だが確実に不味いという所が実に質が悪い。
やはり周りを見てみれば、酒の肴にと、美味そうにこの肉を頬張る人々の数々。
なるほど……もしかしてこれがこの世界の平常の味なのか。
だとすれば、ルーナがチルドラーメンであそこまで大喜びしていたのにも合点がいく。
ただ単に腹を空かしていて美味かったのではなく、この世界の食事情があまり高くないということか。
ふと厨房を見てみると……。
肉を小分けにし、火属性の魔法で炙り、皿に乗せる。
あぁ、味付けなしか。いや、それでもいいのだ。味付けをしなくても美味しいものは美味しいからな。
ただ……全体的に物足りないのだ。
「あ、タツヤ様、ここにいらっしゃいましたか!」
ふと、店の外から中に入ってきたのはルーナだった。
「って、なるほど。タツヤ様も御目が高いですねぇ。ここに来て早速アリゾール龍の尻尾を召し上がるとは。おひとつ頂いてもよろしいでしょうか?」
「……あ、あぁ……」
すると、串を使ってさいころステーキ二つを突き刺したルーナは一気にそれを口に運んだ。
美味そうにもきゅもきゅと咀嚼する彼女を見ていると、俺の味覚がおかしいのかと思ってしまうほどだ。
「ところでそのアリゾール龍の尻尾ってのは、この世界では……その、どんな位置づけなんだ?」
「そうですねーファストフード的な扱いでしょうか」
「要するにこの世界のマ○クってとこか」
「何です? それ」
「俺の世界でのファストフードだ」
「へぇ」……と言いながら、ルーナは残りのさいころステーキを一気に平らげた。
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