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4.お花畑
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『そんなあなたにお願いがあるの。これは精霊術師のあなただけじゃなくて、私たち精霊にとっても相当な危機よ』
「危機?」
俺が問うと、シーファは手の平に金色の石を広げた。
それは先ほど筋肉狼の体内から排出されたものだった。
『私たち精霊がここ数百年間もの間、そこらの精霊術師とさえ契約出来なくなってしまった要因でもあるわ。かつて私たちは精霊術師と呼ばれる生業の者に力を貸す対価に、魔獣を倒した際に手に入る魔石をもらっていたの』
シーファは続ける。
『そしてここで得た魔石の魔力は全て私たちの故郷である「ユグドラシル」へと収集されていた』
「ユグドラシル? っていうと、伝説の樹木の名前だったか。世界中の魔力の礎で……精霊と生命的に繋がっているっていう。ユグドラシルは安定的な魔力供給が必要で、精霊とユグドラシルは一蓮托生。どちらかが消えればどちらとも生き残ることは出来ない、世界七大不思議の一つでもあったな。本当に実在したんのか……」
『えぇ、あなたの言うとおりそこはこの世の全精霊の故郷。そしてユグドラシルの存在無くして、私たちの存続も有り得ない。そんな中でここ数百年。ユグドラシルの存在が行方不明になっているの』
ふっと、後頭部の感覚が消える。
「……な!?」
シーファはそこにいる。なのに触れられない。
意識を失いかけてきたあの時の感覚と同じだった。
『精霊でさえ、消えたユグドラシルの位置を掴めない。そしてその私たちが魔力を供給できないがために、今こうして私たちの存在さえも消えかかっているのが現状よ。あなたと私が先ほどまで触れられていたのも全て、魔石の微弱な効果によるもの。長続きはしないわ』
「ってことは、放っておけば……触れないどころか、精霊は存在自体も消えてしまう……ってことか?」
『えぇ。現に私たち超常精霊ですらこれなのだから既にこの世から消えている精霊もいるわ。魔石さえあれば私たちの存在も現世に濃く繋がれる。だから有能な精霊術師に私たちは力を貸して、対価として魔石を――そして魔力を欲する力を手立てに早急にユグドラシルを見つけ出す必要があるの。協力してくれないかしら?』
「……それって、つまり――」
俺の頭の中に、一つの驚愕的な推測が思い浮かぶ。
「シーファレベルの超絶可愛い精霊たちが、今にも存在すら消えているってことかよ……ッ!?」
『え、えぇ、まぁ……そう……なのかしら?』
「シーファ。教えてくれ。俺は精霊術師としての器がかなり深いって言ってくれたよな。俺はあとどれくらいならシーファレベルの精霊と契約できるッ!?」
『ざっと……20人くらいなら……?』
――そんなに!? いやよく分からんが、それならそれで好都合!
俺のやることは決まった。
難しいことはよく分からんが……!
「そうと分かれば協力しようじゃないか! そのユグドラシルってやつを見つけるために、魔獣は軒並み倒して魔石を手に入れる! そんでもって、消えそうな精霊はじゃんじゃか契約してウチに引き入れる! 俺の周りはおっぱいでいっぱい! 完璧だッ!!」
『か、完璧なのかしら、それは……』
小難しい話から一転!
非常に分かりやすい!
バカでも分かる!
俺にはそういうのが一番性に合ってるらしい!
「精霊たちとイチャイチャスローライフ! 願ってもない! 協力するぜ、シーファ!」
『な、何にせよ、やる気になってくれたのなら何よりよ。今度こそ本当の契約、成立ね』
こうして俺とシーファは、真なる精霊契約を結ぶことになったのだ。
目指すは精霊たちとのイチャイチャハーレムライフだッ!!
ダンジョンの奥底にて。
血生臭い香り漂うなかで、俺の頭の中はこれまでになく、お花畑だった――。
「危機?」
俺が問うと、シーファは手の平に金色の石を広げた。
それは先ほど筋肉狼の体内から排出されたものだった。
『私たち精霊がここ数百年間もの間、そこらの精霊術師とさえ契約出来なくなってしまった要因でもあるわ。かつて私たちは精霊術師と呼ばれる生業の者に力を貸す対価に、魔獣を倒した際に手に入る魔石をもらっていたの』
シーファは続ける。
『そしてここで得た魔石の魔力は全て私たちの故郷である「ユグドラシル」へと収集されていた』
「ユグドラシル? っていうと、伝説の樹木の名前だったか。世界中の魔力の礎で……精霊と生命的に繋がっているっていう。ユグドラシルは安定的な魔力供給が必要で、精霊とユグドラシルは一蓮托生。どちらかが消えればどちらとも生き残ることは出来ない、世界七大不思議の一つでもあったな。本当に実在したんのか……」
『えぇ、あなたの言うとおりそこはこの世の全精霊の故郷。そしてユグドラシルの存在無くして、私たちの存続も有り得ない。そんな中でここ数百年。ユグドラシルの存在が行方不明になっているの』
ふっと、後頭部の感覚が消える。
「……な!?」
シーファはそこにいる。なのに触れられない。
意識を失いかけてきたあの時の感覚と同じだった。
『精霊でさえ、消えたユグドラシルの位置を掴めない。そしてその私たちが魔力を供給できないがために、今こうして私たちの存在さえも消えかかっているのが現状よ。あなたと私が先ほどまで触れられていたのも全て、魔石の微弱な効果によるもの。長続きはしないわ』
「ってことは、放っておけば……触れないどころか、精霊は存在自体も消えてしまう……ってことか?」
『えぇ。現に私たち超常精霊ですらこれなのだから既にこの世から消えている精霊もいるわ。魔石さえあれば私たちの存在も現世に濃く繋がれる。だから有能な精霊術師に私たちは力を貸して、対価として魔石を――そして魔力を欲する力を手立てに早急にユグドラシルを見つけ出す必要があるの。協力してくれないかしら?』
「……それって、つまり――」
俺の頭の中に、一つの驚愕的な推測が思い浮かぶ。
「シーファレベルの超絶可愛い精霊たちが、今にも存在すら消えているってことかよ……ッ!?」
『え、えぇ、まぁ……そう……なのかしら?』
「シーファ。教えてくれ。俺は精霊術師としての器がかなり深いって言ってくれたよな。俺はあとどれくらいならシーファレベルの精霊と契約できるッ!?」
『ざっと……20人くらいなら……?』
――そんなに!? いやよく分からんが、それならそれで好都合!
俺のやることは決まった。
難しいことはよく分からんが……!
「そうと分かれば協力しようじゃないか! そのユグドラシルってやつを見つけるために、魔獣は軒並み倒して魔石を手に入れる! そんでもって、消えそうな精霊はじゃんじゃか契約してウチに引き入れる! 俺の周りはおっぱいでいっぱい! 完璧だッ!!」
『か、完璧なのかしら、それは……』
小難しい話から一転!
非常に分かりやすい!
バカでも分かる!
俺にはそういうのが一番性に合ってるらしい!
「精霊たちとイチャイチャスローライフ! 願ってもない! 協力するぜ、シーファ!」
『な、何にせよ、やる気になってくれたのなら何よりよ。今度こそ本当の契約、成立ね』
こうして俺とシーファは、真なる精霊契約を結ぶことになったのだ。
目指すは精霊たちとのイチャイチャハーレムライフだッ!!
ダンジョンの奥底にて。
血生臭い香り漂うなかで、俺の頭の中はこれまでになく、お花畑だった――。
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