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諦めていた幸せ
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とある日曜日
二日酔いで、まだ怠さが残る夕方。
テレビでは、ちびまる子ちゃんが始まろうとする時間だった。
携帯電話が鳴る
液晶を覗くと
《📲大貴くん》の文字が流れていた
「もしもし?」
『あっ、マリ?』
「うん」
『ごめん。休みの日に…』
「ううん、平気だよ。どうしたの?」
『…聞いてる?死んじゃったって…』
「…うん、聞いた。…大変だったね、大貴くん、大丈夫?」
『いきなり逝っちゃってさ…仕事どころじゃなくて、子ども達がさ夜になるとママ、ママって泣き出して…それが今、一番大変…かな』
「…そうだね」
『マリさ、スパゲティ。』
「ん?」
『スパゲティのナポリタン作れる?』
「ん、、うん。作れるけど…」
『あぁ、良かった』
「どうしたの?」
『実はさ、子ども達がママのナポリタンが大好きだったんだけど、俺もさ作ってみたんだけど、どうしても美味しく出来なくて…ケチャップ以外に何入れれば良いの?』
「…あぁ、ケチャップ以外ね!私は、コンソメと砂糖を少し入れるよ」
『コンソメ?そんなの無いなぁ。砂糖って、どのくらい入れるの?』
「うーん、どのくらい…かぁ。えーとねぇ、量かぁ…口で説明すると難しいなぁ。一人前に対して、ケチャップを大さじ4だとしたら…」
『あっ、あ!!ちょっと待って。
マリ、今日うち来れない?作りに来てくれないかな?子ども達がさ…ナポリタン喰いたいって言ってるんだよ…』
「あぁ、うん。…いいよ。」
急遽、亡くなった奥さんの代わりに
ナポリタンを作る事になった。
私の住むマンションまで
大貴くんが、子ども達を乗せた車で迎えにきた。
「こんばんは♪」
車に乗り込み、子ども達に挨拶をした。
『こんばんはー、お腹すいた。早くスパゲティ食べたい。』
心配していたより
子ども達は明るかった。
スーパーに寄り
ナポリタンに必要な材料を調達。
大貴くんがカゴを持ち
みんなで、お買い物。
末っ子の幼子は
私の手を自然に握ってきた。
「大貴くん、奥さんのナポリタン、何が入ってた?ピーマンは?」
『あっ、ピーマンは子どもが喰わないから入って無かったね。肉はさ、アイツ、ケチだからウインナー(笑)』
「(笑)なるほど。うん、だいたい、わかった。じゃあ、玉ねぎと、ニンニク。ウインナーと、コンソメ、生クリーム、砂糖はある?あと、ほんの少しソースがあると良いんだけど」
買い物は、子ども達に
「玉ねぎは、どこでしょう?」
「ウインナーは、どこでしょう?」
などと言いながら
楽しく選んだ。
『ビール飲んでも良い?』
いたずらな笑顔で大貴くんが言う。
「あっ、いいよ飲んで(笑)」
『でも、飲んじゃったらマリ帰り送れなくなっちゃうよ?』
「(笑)うん。いいよ(笑)タクシー呼べば良いから。たまには、晩酌してゆっくりしなよ」
『…ありがとう』
大貴くんの目が一瞬潤んだ。
気づかないふりをした。
お皿空っぽ。
美味しい!美味しい!と
子ども達は完食してくれた。
日曜日のテレビを流しながら
賑やかに遊ぶ子どもの声で
テレビの内容は、まったく頭に入って来ないけど
大貴くんは、晩酌しながら
バラエティー番組を観て笑っていた。
良かった。
寂しいだろうけど
こうして、無邪気に子どもが遊んで
テレビを観て笑う事が出来る日も
取り戻してるんだ。
少し、安心した。
食器を洗い終わって
時計を見ると
23時をまわっていた。
「そろそろ、行こうかな」
『マリ、ありがとう。今日は本当に助かった。ナポリタン美味しかったし、久しぶりに楽しかったし、本当、ありがとう』
「良かった。私も楽しかった」
『タクシーで本当にいいの?』
「うん!大丈夫だよ♪明日も大変でしょ?今日は、もう子ども達と一緒に寝てあげて」
『ありがとう、本当…助かった』
とある日曜日
二日酔いで、まだ怠さが残る夕方。
テレビでは、ちびまる子ちゃんが始まろうとする時間だった。
携帯電話が鳴る
液晶を覗くと
《📲大貴くん》の文字が流れていた
「もしもし?」
『あっ、マリ?』
「うん」
『ごめん。休みの日に…』
「ううん、平気だよ。どうしたの?」
『…聞いてる?死んじゃったって…』
「…うん、聞いた。…大変だったね、大貴くん、大丈夫?」
『いきなり逝っちゃってさ…仕事どころじゃなくて、子ども達がさ夜になるとママ、ママって泣き出して…それが今、一番大変…かな』
「…そうだね」
『マリさ、スパゲティ。』
「ん?」
『スパゲティのナポリタン作れる?』
「ん、、うん。作れるけど…」
『あぁ、良かった』
「どうしたの?」
『実はさ、子ども達がママのナポリタンが大好きだったんだけど、俺もさ作ってみたんだけど、どうしても美味しく出来なくて…ケチャップ以外に何入れれば良いの?』
「…あぁ、ケチャップ以外ね!私は、コンソメと砂糖を少し入れるよ」
『コンソメ?そんなの無いなぁ。砂糖って、どのくらい入れるの?』
「うーん、どのくらい…かぁ。えーとねぇ、量かぁ…口で説明すると難しいなぁ。一人前に対して、ケチャップを大さじ4だとしたら…」
『あっ、あ!!ちょっと待って。
マリ、今日うち来れない?作りに来てくれないかな?子ども達がさ…ナポリタン喰いたいって言ってるんだよ…』
「あぁ、うん。…いいよ。」
急遽、亡くなった奥さんの代わりに
ナポリタンを作る事になった。
私の住むマンションまで
大貴くんが、子ども達を乗せた車で迎えにきた。
「こんばんは♪」
車に乗り込み、子ども達に挨拶をした。
『こんばんはー、お腹すいた。早くスパゲティ食べたい。』
心配していたより
子ども達は明るかった。
スーパーに寄り
ナポリタンに必要な材料を調達。
大貴くんがカゴを持ち
みんなで、お買い物。
末っ子の幼子は
私の手を自然に握ってきた。
「大貴くん、奥さんのナポリタン、何が入ってた?ピーマンは?」
『あっ、ピーマンは子どもが喰わないから入って無かったね。肉はさ、アイツ、ケチだからウインナー(笑)』
「(笑)なるほど。うん、だいたい、わかった。じゃあ、玉ねぎと、ニンニク。ウインナーと、コンソメ、生クリーム、砂糖はある?あと、ほんの少しソースがあると良いんだけど」
買い物は、子ども達に
「玉ねぎは、どこでしょう?」
「ウインナーは、どこでしょう?」
などと言いながら
楽しく選んだ。
『ビール飲んでも良い?』
いたずらな笑顔で大貴くんが言う。
「あっ、いいよ飲んで(笑)」
『でも、飲んじゃったらマリ帰り送れなくなっちゃうよ?』
「(笑)うん。いいよ(笑)タクシー呼べば良いから。たまには、晩酌してゆっくりしなよ」
『…ありがとう』
大貴くんの目が一瞬潤んだ。
気づかないふりをした。
お皿空っぽ。
美味しい!美味しい!と
子ども達は完食してくれた。
日曜日のテレビを流しながら
賑やかに遊ぶ子どもの声で
テレビの内容は、まったく頭に入って来ないけど
大貴くんは、晩酌しながら
バラエティー番組を観て笑っていた。
良かった。
寂しいだろうけど
こうして、無邪気に子どもが遊んで
テレビを観て笑う事が出来る日も
取り戻してるんだ。
少し、安心した。
食器を洗い終わって
時計を見ると
23時をまわっていた。
「そろそろ、行こうかな」
『マリ、ありがとう。今日は本当に助かった。ナポリタン美味しかったし、久しぶりに楽しかったし、本当、ありがとう』
「良かった。私も楽しかった」
『タクシーで本当にいいの?』
「うん!大丈夫だよ♪明日も大変でしょ?今日は、もう子ども達と一緒に寝てあげて」
『ありがとう、本当…助かった』
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